「月」のカードに描かれたうつむき加減の月の表情、池から這い上がるザリガニ。
2匹の動物は月に向かって遠吠えをしているようです。
神秘的でありながら、ちょっぴり不安げな雰囲気でもあります。
仕事の悩みを占ったときに、この「月」のカードが出たら何を意味するのでしょうか?
今回は、「月」の仕事での基本的な意味、人間関係や転職・適職などを占う時の解釈例や解釈のポイントについて詳しく紹介していきます。
「月」カードの仕事での意味
月のカードの仕事での基本的な意味を、正位置と逆位置ともに見てみましょう。
正位置の場合の意味・キーワード
神秘/不安/心配性/隠されている感情/不信感/疑心暗鬼
隠されているもの、見えない不安や敵…何だかわからないものに揺れ動く状態を表すのが「月」の正位置。
逆位置の場合の意味・キーワード
明らかになる真実/物事が分かり始める/落ち着きを取り戻す/幻滅
逆位置になると、徐々に「見えていなかったもの」の霧が晴れてきます。
見えてきたからこそ「知ることができて不安がなくなった」のか「幻滅する」のか状況次第で変わってきます。
【仕事】に関する相談内容別の解釈例
ここからは、仕事に関する相談内容の中でも、特に多い次の4つについて、「解釈例」と「解釈のポイント」を解説していきます。
- 転職
- 適職
- 仕事の成果
- 仕事での人間関係
では、順番に見ていきましょう。
「転職」について占う時の解釈例
「転職して失敗したくない」「転職してキャリアアップしたい」など、転職については迷ってしまいますよね。
「今は転職をどう考える時期なのか」を占う時の解釈例と解釈のポイントを見ていきます。
正位置の場合
転職以前に、仕事上のいろいろな悩みを抱えているようですね。
それで「転職したい」気持ちになっているのかもしれません。
今は自分の気持ちもまわりの状況も「よくわからない」時期です。
今すぐ転職と焦らないで、少しリラックス。
安易に転職をほのめかすといらぬ誤解を生むことも。
様子を見る時期と思って過ごしましょう。
【ここが解釈のポイント!】
「月」は不安定な感情を表すカードです。
漠然とした不安や現在の立ち位置が見えていないことが問題と言えます。
その状態で大きな進路変更をすべきではありません。
「見えない敵」が潜んでいる可能性もうかがわせるカードです。
足元をすくわれないように注意を促します。
逆位置の場合
冷静に今の状況を判断できているようです。
転職して「どうなりたいか?」、今に「何が足りないのか?」を整理できています。
そこまでスッキリしているのなら、転職を考えるのに良い時期と言えます。
納得のいく仕事を探してみましょう。
【ここが解釈のポイント!】
精神的に落ち着きを取り戻している時期です。
「月」のカードに描かれてる黄色い道は、遠くまで続いています。
正位置だと「この先どうなるのかな」という不安に見えますが、逆位置なのでモヤモヤも晴れて、前向きに歩いて行けると読めます。
「今の仕事が適職か」を占う時の解釈例
「今の仕事は向いてないように思えてきた」「このままこの仕事続けていていいのかな」
この仕事に自分は向いているのか、一度は悩まれたことがあるのではないでしょうか?
「今の仕事が適職かどうか」を占う時の解釈例と解釈のポイントです。
正位置の場合
特に大きな失敗はなかったものの、何だかモヤモヤとしているといった状況が続いているようです。
「漠然とした不安」「居心地の悪さ」「やる気が出ない」など気持ちの面で不安定になっているようです。
本当に今の仕事が向いているのか、悶々と考えていても答えが出そうにありません。
気分転換をしてみてください。
取り越し苦労のこともありますよ。
【ここが解釈のポイント!】
池から這い上がるザリガニは「不安」がむくむくと出てきている状態を表します。
遠吠えをする動物たちも不安を煽ります。
「月」は満ち欠けするもの、精神的な揺れ動きも表します。
今は「本当のこと」が見えない時期、正確に評価ができないと解釈します。
逆位置の場合
ちょっと前まで「向いてないのかも」と悩んでいたのかもしれません。
今は少しずつできることが増えてきたり、仕事が面白く感じるようになってきたようです。
まわりの人たちや状況もよくなってきています。
仕事がやりやすく、自信がついたおかげで、この仕事は続けていけそうです。
これからもっと実力を発揮できますよ。
【ここが解釈のポイント!】
逆位置なので「不安が解消されてきた」と読めます。
精神的に不安定だった時期を超えて、今は落ち着いて取り組めるようになりました。
落ちついてまわりを見れば、少し神経質になりすぎていたことに気が付き、現実を肯定できるようになると解釈します。
「適職は何か」を占う時の解釈例
自分の適職は何かを占う場合、大アルカナ22枚・正位置のみで占います。
「どんな職業が自分に向いているのか悩んでいます。参考にしたいので適職を教えてください。」
といったように「適職が何か」を占う場合の解釈例と解釈のポイントを見てみましょう。
解釈例
① カウンセラー
悩みに寄り添い、心理を探り一緒に解決していく。
あなた自身がその過程を大切にしているので、クライアントは「わかってもらえてる」と感じるでしょう。
ただし、相手を心配するあまり、のめりこまないようにしてください。
立場ははっきりさせて、あなたのメンタルも守りましょう。
② 占い師
①に似ていますが、神秘的なものが好きなあなた。
悩みに寄り添うのは一緒ですが、アプローチが占いの手法であるということです。
直観にも優れていますので、的確なアドバイスができますよ。
注意点は①と同じです。
③ クリエイター
華やかな舞台に出るというよりは、精神面を深く掘り下げ、作品に昇華させるといった感じです。
絵や小説、陶芸・彫刻など、時間をかけて作り上げるものに惹かれるようです。
自分の内面を形にすることに喜びを感じます。
芸術に金額を当てはめるのは難しいですが、作品を安く売られたり、だまし取られたりしないように気を付けてください。
【ここが解釈のポイント!】
「月」のカードは神秘的なもの、精神的なものを表します。
内面を見つめることが得意で、人を焦らせたりせず、ゆっくり向き合える性格です。
ただ、精神的に揺れやすいので、自分自身のコントロールも必要です。
カードの真ん中に描かれた道は、長く時間をかけるであろうことと、色は黄色ですので不安がありつつも、明るい道のりであることを示しています。
「仕事の成果」を占う時の解釈例
あなたの仕事は、がんばりに見合う結果が出ていますか?
ここでは現在の仕事で「現実的な成果をあげられているのか」を占う時の解釈例と解釈のポイントを見ていきます。
正位置の場合
何か心配事があって、今やらなければいけないことに集中できていないのではありませんか?
もしくはあなたに知らされていない事実がある、情報の出所が不明など仕事が進まない裏事情もありそうです。
成果が出づらい時期ではありますが、あまり深刻になりすぎず、あなたがやるべきことに集中しましょう。
【ここが解釈のポイント!】
物事がはっきりせず、何か隠されているものがある時に出るカードでもあります。
現実的な成果を感じられないことも多く、何より本人が「なんでかわからない」状態に陥っていることも多いです。
疑心暗鬼になっていることも示すカードですので、あまり神経質にならないようアドバイスします。
逆位置の場合
まだはっきり現れていませんが、やっと具体的な成果が見えてきました。
今までなかなか進まなかったことや、トラブルを抱えていた案件も解決策が出てきたり、助っ人が現れたりしてホッとしていることでしょう。
ただし、不正などがあった場合は明るみに出ることになりそうです。
「悪いことは早めにわかってよかった」のですよ。
【ここが解釈のポイント!】
「隠されている」ものが逆位置で見ると、「解決される」「明るみに出る」ことになります。
「はっきりせず進まない」ことの視界が開け、進み始めます。
徐々に現実的に形になる時期と読めます。
「仕事での人間関係」を占う時の解釈例
職場の人間関係は仕事のパフォーマンスにも影響しますよね。
人間関係の悩みについて『月』のカードは、どんなアドバイスをくれるでしょうか。
「仕事での人間関係」を占う時の解釈例と解釈のポイントです。
正位置の場合
なんだかギクシャクしていて仕事も楽しくない…そんな感じでしょうか。
確かにまわりもよそよそしい感じです。
あなた自身もそんな職場の人たちを見て「悪口言われてる?」と疑心暗鬼になっているのかもしれませんね。
今は「腹を割って話そう!」と意気込まずに、「当たらず触らず」でやり過ごしましょう。
意地悪な人と無理に仲良くする必要はありません。
【ここが解釈のポイント!】
本人もまわりにも「不安」「不信」があるようです。
必要以上にナーバスになっている時にも出るカードです。
カードの絵の動物が遠吠えしているように、本能的に「何か危険」を察知しているとも読めます。
逆位置の場合
最近、心が通った人間関係を実感できているのではないでしょうか?
あまり話していなかった人と共通の話題で盛り上がったとか、怖いと思っていた上司も実はあなたのことを気にかけてくれていた…など。
友好な人間関係の輪を広げていける時期です。
半面、今まで好意的に見ていた人に幻滅することがあるかもしれません。
本当の姿が見えてきただけですから、気が付いてよかったと思いましょう。
【ここが解釈のポイント!】
不安な雲がかかっていた人間関係も晴れ間が見えてきます。
「月」の不安定さがなくなり、不信感も払拭されるでしょう。
「隠れていたこと」が逆位置で出ると「表に出てくる」ので、良いと思っていたことが実は良いことではなかった、悪いと思っていたことは誤解で、良いことだったというような逆転現象も見られます。
まとめ
大アルカナ18番目のカード『月』。
月明かりに照らされた夜は神秘的ですが、「照らされて見えるもの」と「影になって隠れているもの」が混在する世界です。
正位置で出たときは、月の満ち欠けが象徴するように「不安定さ」「移ろいやすさ」を意味します。
特に精神面での状態を表しますので、気持ちを整えることを心がけましょう。
逆位置で出たときは、「不安な気持ちのトンネルを抜けた」状態と言えます。
「月」の次のカードは「太陽」です。
夜明けが近いので、色々なことが見えてくる、分かって来たのです。
不安な気持ちは捨て、現実をしっかり見つめるように促しましょう。
参考になるアドバイスがあれば、ぜひ心に留めておいてくださいね。