「カッコよくタロット占いをするために、カードの意味を全部覚えなきゃ…だけど暗記苦手なんだよなぁ」
ここで、お困りの皆さまに朗報です。
実はタロットカードは、受験勉強のように暗記しなくても良いのです。
それどころか下手に「太陽のカードは成功、祝福、勝利…」なんて覚え方をしてしまうと、カードからの正しいメッセージを読み取れないかもしれないのです。
「だけど意味が分からないとリーディングが出来ないよ」
そのご意見、ごもっともです。
しかし、解説書の隅々まで丸暗記しなくてもリーディングする方法はあります。
という事で、今回は
- カードの意味を覚えてはいけない理由
- 暗記しなくても出来るタロット占いのやり方
について紹介していきます。
タロット占いでカードの意味を覚えてはいけない理由は?
まず、カードの意味を覚えてはいけない理由は、カードの意味を覚えることによって、「意味が不明のリーディング、もしくは深みの無いリーディングになる」ということです。
なぜ意味が不明、もしくは深みの無いリーディングになるのかと言うと、
「カードの意味やキーワードを暗記して占いをすると、自由で柔軟な発想が出来なくなってしまい、カードを解釈する幅を狭めてしまうから」
です。
そう言われても、あまりピンと来ませんよね。
どういう事なのか、簡単な流れを見ていきましょう。
① 知識に頼ると、カード一枚ずつの解釈しか出来なくなってしまう。
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② そうなると、複数のカードを使用するスプレッド(並べ方)の場合に、キーワードを組み合わせて解釈するのが困難になる。
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③ つまり、意味が不明なリーディングになってしまう。
もしくは上手く組み合わせられても、マニュアル通りのことしか言えないため、オリジナリティのある占いにはならないでしょう。
ここまでの流れ、いかがでしょうか?
自分が占ってもらう場面を想像すると、もっと分かりやすいと思います。
想像してください…
あなたは将来が不安で、今人気の占いサロンへ来ました。
そこの占い師が行うのは、タロットの二枚引きリーディングです。
カードが展開されます。
「塔のカード」と「吊るされた男のカード」です。
占い師が解説を始めます。
「現在を示すカードは、塔の正位置です。
キーワードは、トラブル続出、災害、悲劇など。
未来を示すカードは、吊るされた男の正位置です。
キーワードは、忍耐、修行、自己犠牲です。
大変でしょうが、頑張ってくださいね。
では、リーディングは以上になります」
さて、このリーディングをどう思いましたか?
「もっと詳しく説明してくれないの?」と、思う人が大半でしょう。
これは少し極端な例えですが、カードのキーワードに囚われてしまうと、リーディング結果を《点》でしか捉えられなくなります。
《点》のままでは、せっかくのカードからのメッセージやアドバイスも読み取れません。
タロット占いは《点》を繋ぎ合わせて《線》にした方が、より深い解釈が出来るのです。
では、次にその《線》にする方法を解説していきます。
その方法が、カードの意味を覚える「暗記に頼らないタロット占いのやり方」です。
暗記に頼らないタロット占いのやり方
タロットカードには、なぜ絵が描かれているのでしょう?
実はこの描かれている全ての物に意味があり、カード一枚一枚に物語があるのです。
それを一度理解してしまえば想像力が豊かになり、リーディングがスムーズになります。
先程の例に出て来た「塔のカード」と「吊るされた男のカード」を使って、試しにやってみましょう。
まず「塔のカード」の物語を見てみましょう。
この塔は旧約聖書に登場する「バベルの塔」とも、「神の家」つまりキリスト教の教会とも言われています。
今回は「バベルの塔」で物語の解釈をしてみます。
バベルの塔は、全ての人類が同じ言語を使っていた時の話です。
ノアの洪水の後、人類はまた散り散りになるのを恐れ、目印になるような天まで届く塔を造ることにします。
人間たちは「自分達の持つ技術は素晴らしいから、神様にも近づける」と思ったのです。
しかし、神様は人間たちを「傲慢」だと怒り、言語をバラバラにしてしまいました。
言葉が通じなくなった人間たちは塔の建設をやめ、世界各地に散っていきました。
ほとんどの塔のカードには、雷で破壊された塔や、塔から落ちる王族風な男女などが描かれています。
これは「傲慢さ」ゆえに、天罰を下された人達の様子を表しています。
しかし、安全な塔にこもってジッとしている人生など楽しいでしょうか?
きっかけは悲劇かもしれませんが、この人達には自由な世界が広がっています。
自分たちの努力次第では、フィナーレまで悲劇とは限りません。
次に「吊るされた男のカード」の物語の解釈です。
彼は逆さに吊るされ、刑罰を受けているように見えます。
それなのに表情は穏やかで、微笑みすら浮かべています。
彼は誰かを助けるために、この状況を受け入れているのです。
崇高な使命感に心を燃やしているのでしょう。
手足を縛られて身動きは取れませんが、知恵や思考を働かせることは自由です。
頭で後光が輝いている今の彼は、考える力が高まっています。
彼は考えることで、時間を有意義に使っているのです。
いつもとは違うこの状況なら、別の新しいアイディアを思い付くことも可能でしょう。
彼を吊るしている木には葉が茂っています。
もしかしたら彼は解放されたら、木の手入れをしようと考えているかもしれません。
そうすれば未来では美しい花が咲き、美味しい実がなるからです。
それは彼だけでなく、周りの人達も幸せにするでしょう。
停滞していても悲観する必要はないと、彼は教えてくれています。
さて、物語や世界観のイメージが湧きましたか?
これらの解釈を踏まえて、先ほどのリーディングをしてみましょう。
「塔のような安全なところに隠れて、プライドも捨てずに何もかも手に入れたいと思っていませんか?
場合によっては、安全もプライドも手放さなければ得られないものもあります。
現状に幸せが見出せないなら、まずは己を省みましょう。
幸せのために本当に必要なものは何か、気付けるはずです。
しかし、幸せを手に入れる道は困難かもしれません。
困難ゆえに焦る気持ちも出て来るでしょうが、周りへの優しさを忘れないでください。
損に思えても、人助けをする誇り高い人でありましょう。
そして冷静に考えれば、悪い状況を脱出する手段も見つかります。
困難を乗り越えた先の未来は、仲間と笑い合える素晴らしいものになるでしょう」
前述したリーディングより、ずっと具体的になりましたね。
カードの物語や世界観を理解しておくと、連想がしやすくなります。
そして、その連想の流れは人それぞれで、同じものはありません。
つまり、オリジナリティのある占いになるのです。
まとめ
今回は、
- カードの意味を覚えてはいけない理由
- 暗記しなくても出来るタロット占いのやり方
について紹介してきました。
知識を頭に詰め込んだからと言って、必ずしも良い占いが出来るわけではありません。
思考の柔軟性や想像力を駆使して、カードの一枚一枚が持つ物語を感じてくださいね。
それを理解した時、あなただけのタロット占いが出来るようになっているでしょう。