ウエイト版タロットカードの「ソードの8」には、剣（ソード）に囲まれ、目隠しされ、身体を紐で縛られた女性が描かれています。
何かに囚われ、罰を受けているような姿にも見えます。
足元の水たまりも本人には「溺れてしまう」水に感じられ、動けないのでしょう。
しかし、よく見ると身体を縛る紐はゆるく、ほどこうと思えばほどけそうです。
周囲もソードで囲まれているようでいて、正面は開いています。
「囚われている」「罰を受けている」「縛られて動けない」「動くと危険」と思っているのは自分だけで、実は本当のことを知る勇気がないだけなのかもしれませんね。
「仕事のことを占ったら、このソード8が出た。解釈を深く知りたい」
今回はそういう方に向けて、まずソード8の基本的な意味やキーワードを紹介した後に、仕事での人間関係、転職や仕事運など仕事について占う場合の解釈例を詳しく紹介していきます。
ソード8の意味やキーワードを飛ばして、解釈例から見たい人はこちら↓から先にどうぞ。
では、詳しく見ていきましょう。
タロット「ソード8」の基本的な意味＆キーワード
ソードのカードは14枚あり、その内の1から10までのカードは物語になっていると言われています。
物語の内容を大ざっぱに言ってしまえば「とある青年の一生」です。
青年はソードの7の地で、知恵を働かせ、危険を回避しながら生活していました。
情報を上手く操り、口も達者な青年は要領よく欲しいものを手に入れていたのです。
しかし、ソード8のステージでは、彼は今まで助けられていた「情報」と「言葉」に苦しめられるのです。
そして怖くなり、自分で自分を閉じ込めてしまいました。
「もう逃げられない」と悲観しているのは本人だけ。
自分でその束縛を解けば、また自分の足で歩き出せるのです。
「8」という数字は、「永遠」を表す数字でもあり、さらにその上のステージを目指す意味があります。
さて、青年は自分を縛っていたのは自分だと気が付いたでしょうか？
では、より詳しい「ソード8」の意味をキーワードで見てみましょう。
正位置のキーワード
ソード8の正位置は束縛され、動けない状態を表しています。
束縛されているのは「心」であり、身体を拘束しているものは、外そうと思えば外せる程度のものです。
本人は目隠しもしているので、状況が見えていません。
足元の小さな水たまりも、これ以上進めば溺れてしまうと感じているのかもしれません。
自由になれると知れば、動き出せるのですが、今は囚われていると信じ込んでいるのです。
逆位置のキーワード
逆位置では、身体を縛っていたものも目隠しも外れて、ようやく置かれた状況を冷静に見ることができた状態です。
今まで拘束されていると信じていたので、「自由」もすぐには実感できないかもしれません。
解放されたことで自由は得ましたが、ここからは自分で動かなくてはなりません。
今までの「動けない」という言い訳は通用しなくなります。
しかし、しっかりと自分の足で立つことができれば、自由な未来が見えてくるのです。
「仕事」について占う時の「ソード8」解釈例
次は、仕事の事を占う時に「ソード8」が出た場合の解釈例を、
- 仕事運
- 職場での人間関係
- 転職
について、正位置と逆位置それぞれ見ていきましょう。
正位置の解釈例
仕事運とアドバイス
仕事自体がとても忙しくプライベートの時間がほとんどとれない、他のことを考える余裕もないといった感じでしょうか。
もしくは、ルールが厳しかったり、上司のやり方に振り回されているなど、仕事を自由にやらせてもらえていないのかもしれません。
これではだんだんモチベーションも落ちてしまいますよね。
でも「私がこんなにつらいのに周りの人は分かってくれない！」と思っているだけでは解決しません。
確かに動きづらい、やらされている感が出てしまいやすい時期ではあると思います。
もう少し楽に考えてみましょう。
上司につらく当たられているのはあなただけではありませんし、仕事が忙しいのもあなただけではないはず。
そんな中でもひょうひょうと明るく過ごせている人がいたら見習ってみましょう。
もしかしたらあなたが思うほど状況は悪くなく、一時的なものなのかもしれませんよ。
【ここが解釈のポイント】
ソード8は女性の周りにソードがたくさん刺さっています。
情報、ルール、指示などに囲まれて、圧力をかけられていると感じるでしょう。
カードに描かれている女性も身体を縛られ、目隠しをされているので、かなり窮屈で「八方ふさがり」だと悩んでしまう状況です。
ただ、抜け出そうと思えば抜け出せる状況でもあります。
カードを見る限り、近くに敵らしき姿はありません。
目隠しが取れれば、思ったほど最悪な状況でないことが分かると思います。
足元にはぬかるんだ土地がありますので、決して歩きやすい（楽ではない）道ではないと思いますが、自分の足で歩いて行けそうです。
すぐに解決とはいきませんが、その場にとどまり悩み続けるのはあまり意味がないと読みます。
職場での人間関係
「何となく孤立している…」そんな風に感じているのでしょうか。
周りの人もあなたにどう声をかけたらよいか困っている様子です。
苦手な人や強く意見を通す人が周りにいると、自分の素が出せなくなってしまいますね。
それでも必要以上にあなたが委縮する必要はありませんよ。
「何をどう考えてるかわからない人」だと思われているようなので、あなたが朗らかにしていれば、周りの人も安心して声をかけてくれるはず。
お気に入りのコロンをハンカチにしみこませて持ち歩く、好きなアイドル・動物などの写真をいつも見えるところに置く、前向きになれる色を文房具に取り入れるなど、元気になれる小さな行動から始めてみては？
時間はかかるかもしれませんが、いずれ嫌な雰囲気はなくなるでしょう。
【ここが解釈のポイント】
カードには中心の女性以外、人物は描かれていません。
周りにはソードが立てられているだけです。
ソードは言葉や情報を表しますので、心無いうわさやきつい言葉をかけられた経験があるのかもしれません。
そして自分自身で殻を作り、心も縛ってしまい、これ以上傷つかないようにしているとも読めます。
そのような心を開かず、何も見ず、おびえたような態度で過ごしているので、結果的に「孤立」してしまったのでしょう。
このままでは周りとの関係は平行線です。
居心地よく過ごしたいと思うなら、心を開く（全部でなくてもよいので）努力をしたほうがよいでしょう。
傷つきたくないという思いが強いかもしれませんが、笑顔で挨拶ぐらいなら「損」はありません。
少しずつ自分を解放して、心も軽くなれるようアドバイスします。
転職
どうも転職に対する気持ちが漠然としている様子なのです。
もし本当に希望しているのだとしたら、今自分が置かれている状況を客観的に確認しましょう。
どうして転職するのか、希望する転職先はどこか、自分のスキルが見合っているか、時期としては今が最適なのか…など。
漠然と希望しているだけでは、話が進みません。
もう1つ考えられるのは「転職したい」と言いつつ、「でも給料が」「でも勤務地が」「でも中途採用って不利？」と「でも」を付けて決断を先送りにしているのではないですか。
どちらにしても今の会社に不満があるのでしょう。
しかし、ネットの情報や周りの人の話に振り回されているだけのようにも見えるのです。
今は急がなくてよいので、じっくり転職について考えてみてください。
適職診断や転職セミナーへの参加、性格分析などをしてみるのも、自分を知るよい機会になりますよ。
【ここが解釈のポイント】
カードに描かれた人物は目隠しをしていて、周りを見ようとはしていません。
周囲はソードで囲まれています。
あふれる情報や他人との比較に振り回されているようです。
本当のことを知るためには、まず身体の紐をほどき、目隠しをとらなければなりません。
今は縛られていることで「動けない言い訳」にしている部分があります。
その紐をほどいてくれる人は周りにはいませんから（カードに他の人物は描かれていません）、自分でほどく気持ちになる必要があります。
今の時代、情報に圧倒されてしまう気持ちもわかります。
焦らなくてもよいので、自分で動き出せるように性格分析などのウォーミングアップから始めるとよいでしょう。
逆位置の解釈例
仕事運とアドバイス
つらかった繁忙期も落ち着いてきたようです。
また会社の方針や上司が変わるなど、働きやすい環境になったのではないでしょうか。
少しホッとできそうです。
ただ社内に余裕が出て、見直しが入ると、色々改善点も見えてきます。
リストラや部署再編・縮小なども考えられます。
あなたもその対象になる可能性があります。
しかしそれは悪いことではなく、今までの「やりづらかった環境」からの脱出だと思ってください。
今まで見えていなかったものが見えてくる時期でもあるので、あなた自身も仕事の方針を変えるかもしれません。
【ここが解釈のポイント】
逆位置ですので、正位置のような「拘束」からは解放されます。
時間的な拘束（残業・休日出勤など）、精神的な拘束（ルールや高圧的な上司など）が終わり、気持ちも楽になれる時期でしょう。
また、「拘束」が解けるということは、会社に所属するという拘束から外れるという意味もあります。
リストラや何かしら地位の解任・グループの解散なども考えられます。
その場合の「解放」は悪い意味でとらえなくてよいと思います。
会社を出てみると案外「狭い世界で生きてたのだな」と気が付き、自立していけることでしょう。
職場での人間関係
今まで、プライベートにまで干渉されたり、上司からの圧力が強かったり、苦手な人が多かったりとなかなかつらい職場環境でしたね。
やっと風通しがよくなりそうです。
というのもあなたが「言うべきことをきちんと言えるようになった」「断り上手になった」「割り切りができるようになった」という成長のおかげでしょう。
だからといってハートフルな温かい関係を期待しないでください。
あなたにとって必要なのは、その人たちではありません。
本当に心が許せる仲間は少数でもどこかにいればよいのです。
職場ではスムーズな意思疎通ができて、気持ちよく仕事ができれば人間関係はOKなのですよ。
【ここが解釈のポイント】
ソードに囲まれている状況から自分で動き出しました。
身体を縛っていた紐もほどき、目隠しも取れました。
周囲の状況を把握し、いたずらに不安がらなくて済むようになったのです。
自らソードを操り、言葉で意志を伝えられる、情報をいるものといらないものに分けられる冷静さが出てきました。
成長のおかげで、周りの目も変わり、相談者は自立して活動できるようになると思います。
足元にはぬかるみがありますので、ここでは「仲の良さ」を求められませんが、仕事をするという意味ではスムーズになっていきます。
転職
あなたは今、転職を視野に入れながらも、周りの目が気になっているのではないですか。
同僚や友人、上司や親兄弟になんて言われるかな…と言い出せないでいるかもしれませんね。
まずは自分が思うより、働き方や仕事は自由だということを知ってください。
すぐに転職を決める必要はありませんが、視野を広げるために「副業」を少しやってみるのもよいかもしれません。
その副業が軌道に乗って、そちらに本格的に動く人もいるでしょう。
働き方や今の業種では得られない知識も身について、色々な角度から転職を考えられるかもしれません。
方向性や転職後の具体的な仕事、やりがいが見えてくれば、周りの目も気にならなくなりますよ。
【ここが解釈のポイント】
逆位置ですので目隠しも取れ、視野が広がり、周囲を冷静に観察することができています。
その上で転職を希望しているのなら、よい決断と言えます。
目隠しが取れると、自分の周囲にあるたくさんのソードに気が付きます。
ソードは情報や言葉のコミュニケーションを表しますので、不特定多数（人物は描かれていないので特定できない）の人々の目や話が気になってしまうことはありそうです。
また、自分が会社を離れる前に、会社から離れなければならない事態（リストラや部署閉鎖など）になることもあります。
「会社を離れるつもりで準備をしておく」時期だと考えるとよいと思います。
まとめ
今回は「ソード8」の「仕事」を占う時の解釈に関するお話でした。
あなたの悩みに参考になるアドバイスはありましたか？
「ソード8」には、「紐で縛られ、目隠しをされた女性」が描かれています。
一見、気の毒で八方ふさがりに見えますが、紐は解こうと思えば解けるほどゆるいのです。
縛られているのは身体ではなく、心なのです。
自ら「私は動けません」という状況に甘んじているようにも見えます。
勇気がいるかもしれませんが、自分で束縛する紐をほどき、自らを「解放」することで、新しいステージにステップアップできるのですね。
あなたが次のステップに進むためのきっかけになりますように。
