”左手に杖、右手に地球儀を持つ男が遠くを見据えている”
ウェイト版ワンドの2は、そのような絵柄が特徴のカードです。
タロットカードには、カード1枚1枚に多くの情報が詰め込まれています。
情報が多い分いろいろなメッセージを受け取れるのですが、自分でリーディングしようとすると少し大変ですよね。
そこで今回は、
- 小アルカナ・ワンド2の基本的な意味
- 恋愛関係の質問で「ワンド2」が出た時の解釈例
- 仕事の質問で「ワンド2」が出た時の解釈例
これらに焦点を当ててお話していきます。
タロットカード「ワンド2」の基本的な意味
ワンドのカードは14枚あり、その内の1から10までのカードは物語になっていると言われています。
物語の内容を大ざっぱに言ってしまえば「とある青年の一生」です。
青年はエースの時に目指していたお城にたどり着き、城主になりました。
すでに成功を収めているのに、彼の情熱はまだまだ冷めません。
今ある幸せを守るべきだと思うのですが、「もっと多くの幸せを得たい」という気持ちも湧いてくるのです。
カードには2本の杖が描かれています。
青年の手に握られているものと、傍らに立てかけられているもの。
それらの杖は、青年の対照的な願望・選択肢を表しています。
しかし片方の杖を掴んでいるということは、どうやら彼は未来のために決断したようです。
では、より詳しい「ワンド2」の意味をキーワードで見てみましょう。
正位置のキーワード
成就、成功、達成、満足、着実な前進、発展、進歩、目標、目的、野心、選択、計画性、企画、バランスが良い、平等、良好な環境、支配、主導権、財産
青年はお城に到着してすぐ城主になったわけではありません。
お城は領主の家ですから、本来よそ者の彼が領主になれるわけがないのです。
しかし彼はコツコツと努力をして実績を積み上げ、周囲からの厚い信頼を得られたので、城主になることを許されました。
このカードが出た時のあなたも、青年と同じ状態のようです。
これまでの努力が報われ、理想が実現する兆しが見えています。
また、青年は地位と財産を手に入れましたが、それらを手放さなければ叶えられない新たな夢を見つけました。
平穏と安定を犠牲にして夢を目指すのかどうか、青年は大きな決断をします。
青年と同じく、あなたも人生の方向性を決めるような選択を迫られる可能性があります。
この選択は、あなたが真面目に正しい努力をしてきたからこそ起こった、ステップアップのためのイベントです。
現状維持を望んでも良いのですが、せっかくのチャンスですから思い切って挑戦してみてくださいね。
逆位置のキーワード
障害、問題、トラブル、紛失、失望、躊躇う、中途半端、消極的、飽きっぽい、無計画、停滞、衰退、不幸、苦難、価値観が違う、タイミングを逃す、不調和、変化・未知への恐れ、勇気が出ない、優柔不断
ワンド2・逆位置の場合は、
- 選択を迫られているのに勇気が出なくて決断できなかったり…
- 選択したものの途中で飽きて放り出してしまったり…
- 無計画に選択してトラブルを引き起こしてしまったり…
このようなことが起こり、これまで築き上げてきた信頼を失ってしまいそうです。
あなたには目標を達成するだけの力が備わっているので、あとは勇気・自信・モチベーションの維持、計画性などの問題です。
しかし逆位置が出てしまうと、余計に決断し辛くなってしまうかもしれません。
まずは落ち着いて「この選択をしたら何が起こりそうか。またその対処法は?」「この選択には何が必要か?」といったことを、紙に書き出してみましょう。
一人で考えるのが心配なら、誰かに手伝ってもらうのも良いですね。
事前にシミュレーションができていれば不安も無くなりますし、「次は何をすれば良いかな?」と迷った時の役に立ちます。
面倒でもきちんと下準備をすることが、トラブルを回避するためのカギとなるでしょう。
タロットカード「ワンド2」の恋愛状況別の解釈
では、ここからは恋愛状況別&恋愛関係別に応じた「ワンド2」の解釈をしていきましょう。
恋愛パターン① 相手の気持ち・未来について
恋愛における相手の気持ち、恋愛の未来(行方)に関するタロット占いで「ワンド2」が出た場合の、正位置と逆位置それぞれの解釈例です。
「フリーの人」、「片思いの人」、「両想いの人」の関係別で記載しているので、ご自身に合ったものを参考にしてくださいね。
正位置の解釈例
【現在フリーの人の場合】
複数の出会いに恵まれる時です。
どの人も素敵で目移りしてしまいそうですが、いつまでも1人に決めずにフラフラしているとチャンスを逃してしまいます。
まずは理想のパートナー像と将来設計を明確にすることが大切です。
そして誰といる時が一番素の自分でいられるのか考えてみてください。
そこから導き出された人が、今のあなたに最も相応しい人です。
その人とは一緒に楽しい未来へ進んでいけるでしょう。
【片思いの人の場合】
相手はあなたを恋愛対象として見ていて、興味を持っているようです。
あなたをもっと知りたいと思っているので、相手からアプローチされる可能性が高いです。
もしアプローチされたら変に焦らしたりせず、あなたも素直に好意を表現するように心がけてください。
また、相手はあなたに「良い所を見せたい」と意気込んでいるので、少しでも計画がズレてしまうとショックを受けてしまいそうです。
例えば…「相手が手伝いを申し出てくれたのに断ってしまう」とかですね。
相手の性格によっては「嫌われてるのかも」と自信を失ってしまい、アプローチを止めてしまうかもしれません。
相手の申し出はあなたへのアプローチなので、「迷惑をかけたら申し訳ない」といった気持ちは忘れて、アプローチに応じてあげてください。
そして何かをしてもらったら、感謝の言葉と何か褒め言葉をセットで送りましょう。
そうすればその人との距離がグッと近づくはずです。
【両想いの人の場合】
もしあなたが2人の関係で不安に思っていることがあるなら、それは近々解決されそうです。
不安が無くなったことによって、2人の具体的な将来像を考えられるようになるでしょう。
また、相手はあなたを魅力的な人だと思っていて、今後も2人で生きていきたいと思っているようです。
そろそろ次のステップへ進みたいと思っている頃かもしれません。
結婚の話し合いを持ちかけられたら、あなたのイメージした理想の将来像を相手にきちんと伝えてください。
相手には「2人で幸せになりたい・楽しみたい」という強い気持ちがあるので、あなたの理想の実現を真剣に考えてくれるでしょう。
その際は、あなたも相手の理想や夢について真剣に向き合う必要があります。
自分の理想ばかり叶えようとせず、2人の理想を叶える努力を惜しまないようにしましょう。
逆位置の解釈例
【現在フリーの人の場合】
恋人がいないことへの焦りがあるようです。
焦っている時は何事も上手くいかないもので、あなたの望むような出会いも無さそう。
まずは冷静になって、なぜ焦ってしまうのかを考えてみてください。
もし…
「友達が続々と結婚しているから、このままでは置いて行かれてしまう」とか、
「恋人がいないと周りから下に見られそう」といった気持ちがあるのであれば、
それは他人基準の考え方なので良くありません。
他人基準の考え方は、常に自分と他人を比較しているので疲れてしまいます。
幸せの形は人それぞれですから、自分の幸せとは何か追及してみましょう。
自分の幸せが何なのか分かれば、それを基準にした出会い探しが出来るようになります。
例えば…「スイーツを食べることが幸せ」なら、スイーツ好きの集まるオフ会に参加してみる…とかです。
幸せを共有出来る人とお付き合いできれば、もっと幸せですよね。
それにただやみくもに出会いを探すよりも、趣味や好きなものを通じて出会った人の方が交際に発展する可能性は高いので効率的です。
他人と自分を比較するのは止めにして、今は自分の幸せについて具体的に考えてみましょう。
【片思いの人の場合】
相手はあなたにあまり良くない印象を抱いているようです。
自分の「好き」という気持ちを優先して、無茶なアプローチをしたり、周囲に迷惑をかけたりしませんでしたか?
そういったことが原因で、相手はあなたに対して「自分勝手」「ノリが合わない」「付き合ってもプラスにならなそう」と思っており、残念ながら今は恋愛対象として見ていないようです。
あなたの印象がプラスに転じるような出来事が起これば良いのですが、中々そういった機会もなさそう。
そのため、まだしばらくは今の停滞した状態が続くと思っておきましょう。
その人が「付き合ってプラスになる」と考えるのは、切磋琢磨しあえる人や、協調して一緒に目標を達成できる人です。
今のあなたでは頼りない部分があるようなので、停滞しているこの時期に自分磨きをしたり、スキルアップをすると良いかもしれません。
また、相手には既に付き合っている人がいたり、あなたがイメージしていた人物像とは異なる可能性もあります。
もしかしたらあなたの恋心が冷めてしまうかもしれませんが、それは別に悪いことではありません。
新しい情報を得ることで人の考え方は変わるものです。
その時々の自分の素直な気持ちを受け入れ、次の恋へシフトしていく勇気を出しましょう。
【両想いの人の場合】
2人の間にズレが生じているようです。
意見が食い違うことが増えたり、デートをしても楽しさを感じなかったり…
互いに嫌いになったわけではないのですが、前ほどの愛情は無い様子。
なんとなく付き合いを継続しているだけなので、結婚や将来を真剣に考えることも今の段階では無さそうです。
しかし、ズレは放置しておけば大きくなりますが、勝手に小さくなることはありません。
もしズレを修復したいのであれば、互いに本音で話し合うことが大切です。
どんな将来設計をしているのか、不安・不満があるのか…など、正直な胸の内を明かしてください。
本音で話し合えば、ズレを修復するために今すべき事、改善すべき事などが見えてきます。
そうすれば2人の関係も変わってくるはず。
しかしその際に互いが意見を譲らなかったり、どちらか一方が我慢するような事態になってしまえば、結果的にお別れすることになるかもしれません。
どちらも「相手を理解しようとする姿勢」を大切にして、根気強く妥協点を探していきましょう。
恋愛パターン② 復縁について
復縁に関するタロット占いで「ワンド2」が出た場合の、正位置と逆位置それぞれの解釈例です。
正位置の解釈例
相手はあなたを悪くは思っていないのですが、「復縁したい!」という熱意は無いようです。
それでも相手をその気にできれば、復縁の可能性は十分にあります。
復縁成就するかどうかは、あなたの努力次第と言っても過言ではないでしょう。
最初は復縁を迫っても、相手は戸惑ってそっけない態度をとるかもしれません。
それでも諦めないで、誠実さと相手を思いやる気持ちを大切にして接していけば、相手の態度も徐々に軟化していくはずです。
「早く復縁したい!」という焦りは抑えて、少しずつ距離を縮めていきましょう。
逆位置の解釈例
相手には新しい好きな人がいる可能性もあるのですが、まだ復縁のチャンスは僅かに残ってそうです。
それでもあなたは自信が無いからか、中々動き出せないでいるのではないでしょうか。
確かに、復縁を迫って拒絶されればショックを受けてしまいますよね。
しかし相手から復縁を提案される可能性は低いので、怖くても自分から動き出さないと何も変わらないでしょう。
自信が無いのは「また同じ別れを繰り返してしまうのでは?」という不安があるからかもしれません。
同じ失敗を繰り返してしまうのは、失敗から何も学んでいないからです。
一度転んだら、次から同じ道を歩く時は気を付けますよね。
冷静に別れの原因と自分の悪いところを見つめ直し、対処法を考えたり、改善する努力をしてみてください。
それができれば「もう同じことは繰り返さない!」と、自信が持てるはずです。
タロットカード「ワンド2」の仕事に関する解釈
次は、仕事に関する「ワンド2」のカードの解釈をしていきます。
正位置の解釈例
これまで真面目に努力してきたのなら、もうすぐ努力に見合った成果を得られそうです。
周囲から信頼を寄せられているので職場の人間関係も良好ですし、何かと頼りにされるでしょう。
多少難しいことを任されるかもしれませんが、それはその人があなたを信頼している証拠です。
あなたなら成し遂げられると思って任せてくれているので、自信を持ってチャレンジしてみてください。
それに今は向上心が旺盛な時期なので、難しい挑戦をした方があなたも充実感を得られるでしょう。
また、さらなる高みを目指して転職しようか悩むかもしれません。
それにより今ある安定を手放さなければならないとしても、転職するのに良い時期なので、思い切って行動してみると良さそう。
収入がアップしたり、多くのことを学べるなどして、有意義な転職になる可能性が高いです。
就活中の人は、他の人とは違う発想力を活かすと良い職場に出会えそうです。
「みんなと同じ」では、もしトラブルが起きた時に共倒れになってしまいます。
しかし革新的な打開策を思いつく人がいれば、窮地を救えるかもしれません。
あなたならではの感性やひらめきを、面接などでアピールしてみてくださいね。
逆位置の解釈例
頑張っても成果に繋がりにくい時です。
張り切って進めていた計画なのに、アクシデントのせいで中止になってしまったり…
邪魔が入って自分の仕事を思うように進められなかったり…
何かとやる気を削がれるような出来事が起こりそう。
また、決断しなければいけない場面で優柔不断になってしまい、トラブルに発展する恐れもあります。
状況によっては周囲からの信頼を失ってしまうかもしれないので注意してください。
正しい決断をしている人の多くは、脳内に収納している多くの情報を参考にして答えを導き出しています。
全て勘任せというわけではありません。
手持ちの情報量の多さに比例して、より正しい判断ができるようになるのです。
なので常日頃から情報収集をしておくことが大切です。
そして「最悪を想定したシミュレーション練習」をしておけば、徐々に判断するスピードも上がってくるでしょう。
転職を検討中の人や就活中の人は、就職先は見つかるのですが、何もかも理想通りというわけにはいかないようです。
勤務地や待遇、人間関係など、あなたが希望している条件のうちのいくつかを妥協することになりそうです。
まとめ
今回は「小アルカナ・ワンド2」に関するお話でした。
ワンドの青年は夢のために、苦労して手に入れたものを手放そうか真剣に悩んでいます。
「なんて勿体無い!この青年は馬鹿だなぁ」と思った人も多いのではないでしょうか。
確かに安定して平和な生活は魅力的ですが、もしかしたら常に「やらなかった後悔」がついて回るかもしれません。
「やった後悔」は数十年後には笑い話や武勇伝になりますが、「やらなかった後悔」は後悔のまま人の心に残るものです。
いくら平穏でも、後悔のついて回る未来は幸せでしょうか?
何かを諦めようとしている時、「やらなかった後悔」という言葉を思い出してみると、闘志が再び湧いてくるかもしれませんね。