最も主流なカード占いと言えばタロットカード占いです。
しかし主流と言えど、リーディングはとても複雑。
1枚のカードだけでも「基本的な意味」「正位置」「逆位置」とあるので、情報量は膨大です。
しかも、その膨大な情報の中から「質問者とその質問に合った答え」を選ばなければならないのですから、気が遠くなってしまう人もいるでしょう。
そこで今回は、
- 大アルカナ16番「塔」のカードの基本的な意味
- 恋愛関係の質問で「塔」が出た時の解釈例
- 「塔」ばかり引いてしまう理由と原因
これらに焦点を絞って紹介していきます。
タロットカード「塔」の基本的な意味
タロットカードの中でも1番インパクトのあるカードが「大アルカナ 16番・塔」のカードではないでしょうか?
タロットカードをよく知らなくても「塔のカードは知ってる!怖いやつ!」という人もいると思います。
そんなインパクトのある「塔」ですが、カードの絵柄が何を表しているのか知っていますか?
諸説ありますが「塔」のカードは、旧約聖書に出て来る「バベルの塔」がモデルだと言われています。
~バベルの塔の物語~
人間の言語が1つだけだった頃、人間たちは自分達が離れ離れになるのを恐れ、目印に高い塔を建設することにしました。
そして、あろうことか人間たちは、自分達の建築技術の素晴らしさを知らしめるために、神のいる天まで届く程の塔を建てようと目論みました。
それに気付いた神・ヤハウェは、神に近づこうとした人間たちの傲慢さに怒り、塔を破壊しました。
そして神・ヤハウェは「人間たちは言葉が同じだから協力し、自分たちの力を強大化しようとする」と考え、人間たちの言語をバラバラにしてしまいました。
こうして言葉で意思疎通の出来なくなった人々は、世界中に散り散りとなったのでした。
では、これを踏まえて「塔・正位置」のキーワードを見てみましょう。
正位置のキーワード
混乱、破壊、避けることのできない突然の出来事、傲慢、警告、災害、革命、悲劇、崩壊、ショック、急展開、破局、災難、失敗、予期せぬトラブル、事故、離婚、虐待、暴力、自傷行為、外傷、痛み、啓示、疑心暗鬼、倒産、限界、行き詰まり
キーワードを見るだけでも、「バベルの塔」の物語での教訓がカードに込められていると思いませんか?
人間の傲慢さが塔の破壊というトラブルと、言語の分断による混乱、仲間たちが離散するという悲劇を招きました。
「塔」には悪いメッセージばかりです。
しかし「何か起こるから気を付けて!バベルの塔みたいにならないで!」と警告してくれているので、ある意味親切なカードかもしれません。
それに「崩壊」というと物騒ですが、「今までの価値観が激変するような人生のターニングポイント」という時でも「塔」のカードが現れます。
例えば今不幸だと感じているのであれば、「現在の状況が崩壊して新しい世界の構築」というメッセージはプラスの意味になります。
なので「塔」だからと言って、必ずしも悪いメッセージとは限らないんですよ。
では、「塔・逆位置」のキーワードを見てみましょう。
逆位置のキーワード
予期できたトラブル、前提が崩壊、不幸、無念、天変地異、じわじわと崩れる、誤解、屈辱、くすぶっていた問題が噴出、ストレス、悪化する事態、浄化、再生、解放、改革、行き詰まり、過去の清算、不運が長引く
タロットカードにしては珍しく、正位置と逆位置の意味がほぼ同じなのも「塔」の特徴です。
あえて違いを挙げるとすると、ニュアンスの違いでしょうか。
例えば正位置だと「予測不可能なトラブル」ですが、
逆位置では「前々から問題になりそうと思ってたけど放置してたものがトラブルになってしまった」という意味合いが強いです。
あとは正位置だと、
「ショックが強すぎて、逆に諦めもつくから短期間で気持ちがリセットされる」が、
逆位置では、
「じわじわとダメージがくるようなショックだから、気持ちの切り替えが上手くいかない」
といったような違いもあります。
「塔」カードの恋愛パターン別の解釈例
では、ここからは恋愛のパターンに応じた「塔」の解釈をしていきましょう。
恋愛パターン①「片思い」
片思いに関するタロット占いで「塔」が出た場合の、正位置と逆位置それぞれの解釈例です。
正位置の解釈例
何かがきっかけで、あなたと相手の関係性が変化しそうです。
それは激しい口論だったり、互いの嫌な面を知ってしまうなど、あまり良くない事のようです。
それによってあなたの恋心が冷めてしまうかもしれないし、逆に相手があなたに嫌悪感を抱いてしまうかもしれません。
あとは相手に恋人や好きな人がいると発覚する事も考えられます。
いずれにせよ、この恋の成就は難しそうです。
しかし「塔」が未来の位置や警告などの位置に現れたのであれば、これから起こるトラブルの対策が練られるのでまだ望みはあります。
その場合は、
「驕らない。慢心しないこと。どんな時でも冷静でいられる自制心を身につけること」
これらの点に気を付けましょう。
バベルの塔のように、驕りや慢心がトラブルを引き起こすトリガーになるかもしれません。
自制心があれば、避けられないトラブルが起きても冷静に対処できるはずです。
今の内にできる事はやってみてくださいね。
また、「塔」が出た時はあなたが一目惚れをする可能性も示唆しています。
しかし顔は好みでも中身まで良いかは、外見だけでは分かりません。
「塔」には「暴力」などの意味もありますので、「相手のことをよく知らずに付き合ったら暴力的な人だった」なんて事もありえます。
冷静に相手のことを知っていきましょう。
逆位置の解釈例
相手からは「価値観が合わないから恋愛対象にはならない」と思われている可能性があります。
しかし価値観が合わなくとも、互いの不足した部分を補い合える関係であるなら、十分に恋愛対象となるはずです。
まずはあなたの魅力をアピールするよりも、相手の事をもっと知り、相手が何を求めているのかに気付きましょう。
また、劇的なトラブルやハプニングではないのですが、ちょっとした事で相手に誤解されてしまいそうです。
あなたが別の人と遊んでいる所を本命に見られてしまうとか、「これぐらい大丈夫だろう」と思ってやった悪い行いが相手に見られてしまうとか、軽率な行動は控えた方が良いでしょう。
そして仮に誤解されてしまったのなら、すぐに誤解を解いた方が良さそうです。
放置してしまうとあなたの印象がどんどん悪くなり、取り返しのつかない事になってしまいますよ。
また、正位置と同じく逆位置でも「相手の嫌な面を知って、あなたの恋が冷める」といった事が起こりそう。
その場合は「あの人と付き合う事にならなくて良かった」とポジティブに捉えましょう。
恋愛パターン②「両想いの人」
両想いの人のタロット占いで「塔」が出た場合の、正位置と逆位置それぞれの解釈例です。
正位置の解釈例
2人にとって衝撃的な出来事が起こりそう。
それによって今の関係性が崩壊するかもしれません。
相手から前触れもなく別れを告げられたり、相手の浮気や暴力的な面を知って信用できなくなってしまったり。
そして相手だけでなく、あなたの言動にも注意が必要です。
あなたの心無い言動で相手を傷つけてしまい、それが原因で別れを告げられるという事もあり得ます。
相手を思いやる気持ちを大切にしましょう。
また、浮気相手や親などの第三者の介入もトラブルの原因になりそうです。
しかし最悪の事態を避けようとして相手に執着すればするほど、状況は泥沼化していきます。
長期戦に持ち込むよりも、関係をリセットして新しいスタートを切る方が賢明かもしれません。
良い意味で関係が崩壊する事も考えられます。
突然の妊娠発覚や、プロポーズなどにより新しい関係にステップアップするかもしれません。
それでも周りの環境は大きく変わってしまうでしょうから、事前の心構えは必要です。
「塔」が良い意味か悪い意味かは、占った時に出た他のカードを参考に判断すると良いでしょう。
逆位置の解釈例
ちょっとしたすれ違いが原因で大喧嘩や破局に繋がってしまいそう。
小さな火種が徐々に大きくなり、結果として手が付けられなくなってしまう。
そんなイメージです。
火が小さい内に消そうとしないのは、「これぐらい平気でしょ」という慢心や相手への甘えによるものです。
どんなに些細な事でも積み重なれば見過ごせないものになりますし、相手にとっては「些細な事」ではなく「重大な事」かもしれません。
自分の価値基準で相手の気持ちを推し量らないようにしましょう。
感謝や謝罪の気持ちは、きちんと言葉にして伝えるようにしてください。
もし大喧嘩が起きてしまったら、仲直りは簡単にできそうにありません。
仲直りしたとしても、以前と同じ関係には戻れなさそうです。
一緒にいてもギクシャクし、違和感は徐々に大きくなっていきそう。
そうなってしまったら、冷静に今後相手とどういう関係になりたいのか考えてみてください。
それから相手と腹を割って話し合いましょう。
恋愛パターン③「復縁」
復縁に関する占いで「塔」が出た場合の、正位置と逆位置それぞれの解釈例です。
正位置の解釈例
あなたの軽率で自分勝手な行動により、復縁のチャンスを永遠に失ってしまいそうです。
本当に復縁したいのなら、今は感情のままに行動するのは控えるべきです。
今すぐ復縁したいからと何度も連絡したり、話し合いと言う割に「自分は悪くない」と言い張ったり。
相手の気持ちを考えずに自分の気持ちばかり優先していると、完全に愛想を尽かされてしまいます。
愛とは相手を想う事です。
それが出来ないのであれば、単に「寂しいから復縁したい」だけなのではないですか?
相手と連絡を取る前に、「自分はなぜ復縁したいのか」をしっかり考えましょう。
そして別れの原因によっては、相手はもうあなたを信用していないかもしれません。
もし交際時のあなたの言動や態度が別れの原因にあるであれば、まずはそこを改めましょう。
そこを改善できれば相手に誠意が伝わり、あなたへの信用度も上がるはずです。
あとは「復縁を目指す」というより、「相手に自分をもう一度好きになってもらう」・「自分と新しい恋を始めたいと思ってもらう」というスタンスの方がオススメです。
つまりゼロからのリスタートですね。
影で努力し、相手の知らない新しいあなたの魅力を身につけてください。
そうすれば良い意味で相手に衝撃を与えられるでしょう。
逆位置の解釈例
相手も未練が少しありそうですが、それよりも別れた当初の怒りや不満といったネガティブな気持ちの方が大きそうです。
未練によって幸せだった頃の記憶を思い出しますが、それにより負の記憶も一緒に思い出してしまうという、プラスとマイナスの堂々巡りをしているイメージ。
そのせいで今も怒りの熱が冷めないようです。
今は下手に連絡をしてしまうと、火に油を注ぐことになってしまいます。
冷静に話し合いをするために、相手の怒りが収まるまで待ちましょう。
待っている間は、あなたの悪いところを治したり、魅力を磨くことに時間を費やしてください。
そうしないと仮に今後復縁が叶ったとしても、また同じ事が原因で別れてしまう可能性が高いです。
それを避けるために、冷静に自分を見つめ直す必要があります。
今まで気づかないフリをしてきた欠点や、後回しにして努力を怠ってた事はありませんか?
恋愛はしばし休憩して、自分磨きに力を入れましょう。
恋愛パターン④「相手の気持ち」
相手の気持ちに関する占いで「塔」が出た場合の、正位置と逆位置それぞれの解釈例です。
正位置の解釈例
何らかのトラブルが原因で、相手はあなたを誤解してしまっているかもしれません。
今まで築いてきた信頼関係も崩れてしまいそう。
距離を置かれたり、避けられてしまっているので弁解するのも大変のようです。
しかし、ここで放置してしまえば事態は悪化するばかりです。
勇気を出して問題に立ち向かいましょう。
立ち向かうと言っても焦らず、丁寧に対応していく事が大切です。
もし信頼できる協力者がいるのであれば、仲介役をしてもらっても良いでしょう。
また「表立ったトラブルも無いのに、相手が突然冷たくなった」という場合は、相手があなたに対して怒りや不満を感じているかもしれません。
その原因は、あなたの無神経な言動のようです。
あなたは冗談や何気なく言ったつもりでも、相手にとってはコンプレックスなどを刺激する言葉だったのかもしれません。
何か心当たりはありませんか?
もし心当たりがあるなら、きちんと謝罪し、話し合いをしましょう。
ここでも大切なのは「丁寧な対応」です。
冗談めいた軽いノリの謝罪は、あなたへの不信感を募らせてしまうだけです。
真面目なトーンで謝罪し、相手の不満を冷静に受け止め話し合いましょう。
逆位置の解釈例
相手はあなたとの価値観のズレや、心のすれ違いを感じているかもしれません。
それによって今後の付き合い方を改めようか悩んでいるようです。
今はあなたのネガティブな面が強調されて見えてしまうので、「一緒にいてもリラックスできない」と相手は思っています。
しかし、もし相手があなたと一緒の時につまらなそうにしていても、感情的になって責めないでください。
ヒステリックな攻撃は、あなたを「自分勝手で傲慢な人」にしてしまいます。
そうなると相手の心は余計に閉ざされ、状況は悪化します。
もしかしたら今相手がズレを感じてしまうのは、過去にあなたから受けた心の傷が原因かもしれません。
関係が良好の時は大した傷ではなくても、あなたの悪い面が強調された今になって傷が膿んでしまったのです。
あなたと相手には、冷静に本音を話し合う時間が必要です。
相手の本音によって、あなたも傷つくかもしれません。
しかしそれでも相手との縁を切りたくないのなら、立ち向かう勇気を奮い起こしてください。
「塔」のカードばかり出る理由
これは「塔」のカードに限らないのですが、引くとやたら遭遇するカードがあり「意味深だなぁ」なんて思う事はありませんか?
その理由や原因について、順番にお話していきますね。
今の自分のテーマや課題になっている
今の自分に必要なメッセージだから、何度も同じカードを引いてしまうという事がありえます。
そして「今の自分へのメッセージ」ですから、その人の状況に応じてピンとくるキーワードも変わってきます。
例えば「友達が出来なくて悩んでいる人」が2人いて、両方が頻繁に「塔・正位置」を引いているとします。
しかし同じカードを引いていたとしても、それぞれの性格や今の状況によってメッセージは変わってきます。
なのでリーディング結果も、1人目は例えば、
「自分の価値観にこだわり過ぎて、それを周りに押し付けてませんか?
その傲慢な考え方を改め、他者の意見も受容しなければ仲間は出来ませんよ」
といった解釈例が考えられますし、2人目は、
「自分の殻に閉じこもっているだけでは、周りはあなたを真に理解することは出来ません。
殻を破って外の世界へ飛び出しましょう。
外には素のあなたを受け入れてくれる人が必ずいます」
といった解釈例が考えられ、このように全く違うメッセージになってもおかしくありません。
また、「塔」は特に強い警告を示すカードです。
正位置でも逆位置でも、重大な何かへの気付きを大きく促されているとも考えられます。
ミッションをクリアすればカードの出る頻度は変わります。
しかし「塔」が頻繁に出る限り、その重大な何かに気付けていないという事です。
例えば、「塔」には「事故」の意味があるので、
「所持している車や自転車のメンテナンスはしていますか?
走行中に不備が出たら大きな事故になりますよ」
とか、
「自分は大丈夫と思って、イヤホンして自転車に乗っていませんか?
「自分は大丈夫」なんて自信には、なんの根拠もありません。
誰だって事故を起こす可能性はあるのですよ」
といったようなメッセージを発していることも考えられます。
「塔」の場合は特に、質問にそった観点だけでなく、今の自分自身の事・身の回りの状況なども客観的に見つめ直してみましょう。
もし自分にどんなメッセージが現れているのか分からない時は、補助カードを引いてみると判断しやすくなるでしょう。
きちんとシャッフルされていない
意外にも「シャッフル不足」が原因になる場合もあるんです。
プロの占い師に鑑定してもらうのならその心配は無いと思いますが、「占いを始めたばかりの自分が占います!」というのなら、シャッフル不足が起こり得ます。
シャッフルは質問を念じながら行います。
その時は質問に意識を集中しているため、他のところへの注意が疎かになりがちです。
例えば音楽を聴きながら勉強したり、テレビをつけながら読書をしたり。
自分では「2つの事を同時にできている」と思っていても、「片方の作業能率が下がってしまった」なんて経験に心当たりはありませんか?
それと同じで意識を質問に集中していると、きちんとシャッフルしているつもりでいても、上の方しか混ざっていないという事も起こります。
「きちんとシャッフル出来てるか不安」とお思いでしたら、カードの絵柄を表にしたままシャッフルの練習をしてみてはいかがでしょうか?
そうすればカードの流れが視認できるので、自分なりの力加減や混ぜ具合の調整ができるようになるでしょう。
時間をあけずに同じ質問で占った
本来は立て続けに同じ質問で占うことはオススメできないのですが、すごく気になる事や不安な事があれば、つい同じ質問で占ってしまう人もいると思います。
しかしカードからしてみれば、
「現状を変えてないのに同じ相談をされても、同じ事しか言えないなぁ」
という気持ちでしょう。
そうすればカードは「さっきと同じカード」か、「別のカードでも似たような意味のもの」を提示するしかありません。
仮にワンオラクルで引いたカードが全く同じであれば、それは確実に「今の自分に必要なメッセージ」です。
また、複数のカードを用いるスプレッドを行って、場所は違うけど同じカードが出ることもあると思います。
その場合もやはり「自分の悩みにおけるキーワードである」と解釈して良いでしょう。
そのカードの意味が気に入らなかったとしても、それは今のあなたに必要なメッセージです。
気に入らないから何度も占うのではなく、現状を変えるために行動を起こしましょう。
まとめ
今回は「大アルカナ16番・塔のカード」と「恋愛」に関するお話でした。
どうしても悪いイメージが付きまとうカードですが、事前にトラブルが起きる事を知っていれば対策を立てられますし、自分の悪い所を治す事だって可能です。
「自分が間違った方へ進まないように、警告してくれている」と考えられれば、一概に悪いカードとは言えないのではないでしょうか。
また、「塔」のベースにあるのは「バベルの塔の物語」と知っていればカードのイメージも湧きやすいので、恋愛以外の質問にも対応できると思います。
ぜひ自分でリーディングをする際にお役立てくださいね。