最も主流なカード占いと言えばタロットカード占いです。
しかし主流と言えど、リーディングはとても複雑。
1枚のカードだけでも「基本的な意味」「正位置」「逆位置」とあるので、情報量は膨大です。
しかもその膨大な情報の中から「質問者とその質問に合った答え」を選ばなければならないのですから、気が遠くなってしまう人もいるでしょう。
そこで今回は、
- 大アルカナ20番・審判のカードの基本的な意味
- 恋愛関係の質問で「審判」が出た時の解釈例
- 仕事の質問で「審判」が出た時の解釈例
- 「審判」のカードがよく出る理由
これらに焦点を絞ってお話していきます。
タロットカード「審判」の基本的な意味
タロットカードの「審判」は、「最後の審判」が題材となっています。
「最後の審判」とは、『新約聖書・ヨハネの黙示録』にある預言の1つです。
この預言がどのようなものかというと…
- 世界が終わる終末の時にキリストが再来し、死者を蘇らせて最後の審判を行う。
- その裁きによって、蘇った人々は天国行きか地獄行きかが決まる。
このような内容です。
要するに「人類史が終わるような出来事が起こるけど、生前の行いが良ければ天国に行けるよ。だけど行いが悪ければ地獄行きだよ」ということです。
ルネサンス期の芸術家・ミケランジェロがバチカンのシスティナ礼拝堂に「最後の審判」という絵を描いています。
「終末や裁きと言われてもピンとこない…」という人は、一度ミケランジェロの絵を参照してみるのも良いかもしれませんね。
では、より詳しい「審判」の意味をキーワードで見てみましょう。
正位置のキーワード
復活、再生、目覚め、覚醒、才能の開花、ステップアップ、成功、祝福、努力が報われる、救済、再チャンス、変革の時、答えを出す時
審判・正位置は「最後の審判で蘇り、天国行きになった人」を表しています。
死から復活して天国へ行けるのですから、それは大きな変化です。
一度終わった人生を再びやり直すチャンスとも言えるでしょう。
これらが意味しているのは、人生を一変させるようなターニングポイントを迎えるということ。
突然の環境の変化に戸惑うかもしれませんが、その先には明るい未来が待っているので変化を受け入れましょう。
そして、天国へ行けるのは生前に神の教えを守り、善行に励んだ人たちです。
どんな状況でも努力を怠らずに頑張ってきたのなら、これまでの苦労が報われる時が来ます。
才能が開花したり、昇進したりなど、努力に見合った結果が得られそう。
しかし、もし怠けたりズルをしてきたのなら、それ相応の結果しか得られないでしょう。
逆位置のキーワード
悔恨、過去に囚われる、癒えない傷、気持ちを切り替えられない、再スタートできない、同じことを繰り返す、失敗、取り返しがつかない、努力が報われない、行き詰まり、停滞、悪い知らせ、復活できない、成長できない、再起不能、チャンスを逃す
審判・逆位置は「復活したけど地獄行きになった人」や「天国へ行くチャンスはあったのに、それを活かせなかった人」のイメージです。
もし不誠実な行いをしたり罪を犯してきたのなら、裁きを受ける時が来ました。
自分の犯した罪の分だけ、償いをしなくてはいけません。
ここで逃げずにきちんと償いをすれば、これまで背負っていた罪の意識は無くなり、気分もスッキリするはずです。
そうすれば幸せな未来へ向けて再出発することも可能でしょう。
また、過去に囚われているせいで、未来の幸せを逃してしまうかもしれません。
例えば、
- せっかく素敵な人から告白されたのに「前の恋人が忘れられないから」と、断ってしまった。
- 過去の失敗のイメージが邪魔をして、再び巡ってきたチャンスを棒に振ってしまった。
というように思考が未来へ向かず、過去のことばかり考えてしまっている状態です。
過去から学ぶのは良いことですが、一度学んだことを永遠と復習していても新しい成長には繋がりません。
「過去はもう終わったこと」と気持ちを切り替えて、未来の幸せに目を向けましょう。
タロットカード「審判」の恋愛パターン別の解釈
では、ここからは恋愛のパターンに応じた「審判」の解釈をしていきましょう。
恋愛パターン① 相手の気持ち・未来
恋愛における相手の気持ち、恋愛の未来(行方)に関するタロット占いで「審判」が出た場合の、正位置と逆位置それぞれの解釈例です。
「フリーの人」、「片思いの人」、「両想いの人」の関係別で記載しているので、ご自身に合ったものを参考にしてくださいね。
正位置の解釈例
【現在フリーの人の場合】
良い出会いに恵まれる時です。
たまたま紹介された人と意気投合して、結婚を前提としたお付き合いが始まったり…
以前諦めた人と再会して恋が始まったり…
運命を感じるような出会いがありそうです。
しかし、この出会いはあなたの「努力の答え」です。
これまで自分磨きをしたり、交流の輪を広げようと頑張ってきたのなら、その努力に見合った最高の出会いがあるでしょう。
もし努力を怠っていたのであれば、現状の自分に合った出会いにしかならないのでご注意を。
【片思いの人の場合】
相手にとってあなたは魅力的で、気になる存在のようです。
好感度が非常に高いので、積極的にアプローチをすると効果は絶大。
相手もあなたの好意に気づき、よりいっそう意識してくれるようになります。
もしこれまでライバルに後れを取っていたのなら、ここで一気に挽回できるでしょう。
また、かつて諦めてしまった人との縁にも恵まれそうです。
昔はダメでも、今は違うかもしれません。
相手も「告白すれば良かった」とか、「振らなければ良かった」といった後悔があるようです。
再会して恋心に再び火が付いたのなら、勇気を出してアプローチをしてみましょう。
【両想いの人の場合】
2人は相思相愛で、強い絆で結ばれています。
相手はあなたと人生を共にしたいと考えており、そろそろ結婚の話し合いを始めたいと思っているようです。
話し合いが始まれば、障害も無くトントン拍子に結婚まで進んでいきそう。
あまりにもスムーズなので、ぼんやりしてる間に「自分の要望を言うタイミングを逃した」なんてことも起こり得ます。
なので早めに「どういう結婚生活にしたいのか?」を具体的に考えておくと良いでしょう。
一緒に暮らし始めたら2人の間に新しい発見があり、戸惑う事もあるかもしれません。
しかしこれまでも色々な試練を乗り越えてきた2人ですから、ここもきっと越えられます。
すれ違いや価値観のズレを感じたら、その都度きちんと話し合うようにしてください。
そうすれば相思相愛の関係は変わらず、より絆を深めていけるでしょう。
逆位置の解釈例
【現在フリーの人の場合】
良い出会いには恵まれないようです。
今は過去の過ちを繰り返してしまったり、トラウマをフラッシュバックさせるような人との縁が結ばれやすくなっています。
そのため…
付き合っている人は違うのに、以前と同じような理由で別れてしまった…
今回付き合った人も暴力を振るう人だった…
このような事が起こり得ます。
何故そのような事が起きてしまうのかというと、あなたが過去から何も学んでいないからです。
失敗から学び成長することで、その都度人間は生まれ変わります。
成長すれば、同じ失敗は繰り返しません。
もしあなたが同じ失敗を繰り返しているなら、そこから学ぶべきことを見落としてしまっているのかもしれません。
過去と向き合うのは辛いですが、逃げずに立ち向かってください。
そうすれば、生まれ変わったあなたに相応しい縁が結ばれるでしょう。
【片思いの人の場合】
相手は恋愛に対する関心が薄いようです。
「仕事やプライベートが忙しくてそれどころではない」という訳ではなく、過去の恋愛を引きずっていて、まだ新しい恋をしたいとは思っていないのかもしれません。
そのため、あなたのアプローチも空回り気味です。
また、タイミングが中々合わず、千載一遇のチャンスをライバルに取られてしまう暗示もあります。
今は恋の進展を諦め、信頼できる友達ポジションを維持するようにしてください。
仲の良い友達であれば、その人から相談される機会もあるでしょう。
そうすれば相手の心の傷を癒し、新しい恋に前向きにさせることだって可能です。
相手の気持ちに変化があった時にそばにいれば、ライバルに先を越される心配もありません。
今は無理して告白せず、相手の気持ちに寄り添ってチャンスを待ちましょう。
【両想いの人の場合】
すれ違いが重なり、互いの価値観にズレを感じている状態です。
そのため2人の将来を悲観的でネガティブなものにしか考えられないので、結婚への迷いが生じてしまいます。
もしかしたら相手は別れを考えているかもしれません。
2人の間に溝ができた原因は、どちらかが過去を引きずっていることにあるようです。
何かがきっかけで相手への不信感が増して、そのままになっていたり…
相手の一言で傷つき、いまだにその傷が癒えていなかったり…
この原因を突き止めて解決しない限り、こじれた関係は続くでしょう。
相手と結婚をしたいのであれば、互いに歩み寄り、信頼を回復させる努力が必要です。
信頼関係を築くのに時間がかかるように、壊れた信頼関係を直すのにも時間がかかります。
もしかしたら0から築くよりも、修復作業の方が大変かもしれません。
それでも焦らず、根気強く互いの気持ちと向き合っていきましょう。
恋愛パターン② 復縁
復縁に関するタロット占いで「審判」が出た場合の、正位置と逆位置それぞれの解釈例です。
正位置の解釈例
復縁の成功率は高めです。
あなたが別れから何かを学んで成長し、復縁のために自分磨きを頑張ってきたのなら望みは叶うでしょう。
お互いにかつてのゴタゴタを水に流し、新しい気持ちでお付き合いを再開できそうです。
しかし別れてから美しい思い出を反芻して感傷に浸るだけだったり、全く成長していないのであれば、復縁の難易度は上がってしまいます。
別れに至った原因を見つめ直し、自分の言動を反省する時間を作ってみてください。
また、復縁を希望している人だけでなく…
「今思えば一番最初に付き合った人が一番自分に合っていたなぁ」と、かつての別れを後悔している人にも復縁のチャンスが来ます。
思いがけない所で再会するかもしれないので、ファッションや普段の言動などには気を配っていた方が良いでしょう。
逆位置の解釈例
相手は今のあなたに魅力をあまり感じないため、復縁願望はほとんど無いようです。
その人との別れから、あなたは何を頑張ってきましたか?
自分の悪いところを直すために、何か行動しましたか?
審判・逆位置が示しているのは、あなたの「努力不足」や「間違った努力をしていること」です。
別れてからあなたは必要な成長を遂げていないので、相手は「もし復縁しても同じ別れを繰り返してしまう」と考えているようです。
今は復縁のためのアプローチをしても空回りしてしまいます。
アプローチするより、まずは己の成長のためにエネルギーを使ってください。
過去の自分の言動から目を背けないで改善し、今後の成長に役立てましょう。
また、引っ越しや転勤などで相手と物理的な距離が生じてしまう可能性もあります。
もしそうなってしまったら、距離が生じる前に自分の素直な気持ちをぶつけた方が良さそうです。
成功率は低めなのですが、距離ができてしまったら今まで以上にアプローチの機会は減ります。
そうすると「復縁できなくて辛い」という停滞した状態がいつまでも続くかもしれません。
潔くこの恋に決着をつけてしまえば、気持ちがスッキリして前進できるようになるでしょう。
タロットカード「審判」の仕事に関する解釈
次は、仕事に関する「審判」のカードの解釈をしていきます。
正位置の解釈例
もう少しで今までの努力が報われるでしょう。
プロジェクトの成功、昇給、昇進、または名誉挽回のチャンスが到来するかもしれません。
ただし良いカードが出たからと言って油断は禁物です。
結果が出るまで努力を継続していきましょう。
才能が開花する時期なので、今までは出来なかったことが出来るようになりそう。
いつもより難易度が高めの仕事を任されても、逃げずにチャレンジしてみてくださいね。
仕事のスキルが上昇している時なので、さらなる向上のために転職したくなるかもしれません。
転職にも良い時期なので、もし今の職場よりも自分の才能を活かせる場所があったら、積極的に挑戦しましょう。
または、以前諦めた職種に再チャレンジできる可能性もあります。
昔はダメでも、スキルアップした今のあなたなら夢を実現できるかもしれません。
最初から諦めないで、成功するためのロードマップを具体的に考えてみてはいかがでしょうか。
就活を頑張ってきた人は、これまでの努力が実り理想通りの就職ができそうです。
あなたの才能を活かせる職場なので、大いに充実感を感じられるでしょう。
逆位置の解釈例
努力が報われない暗示です。
タイミングやチャンスに恵まれず、実力を発揮できないかもしれません。
そのため評価が下がってしまい、降格や左遷になってしまうことも考えられます。
すっかりやる気を失くしてしまい、名誉挽回のチャンスを見逃してしまいそうです。
チャンスはいつ・どこでやってくるのか分かりません。
どん底の状態だとしても、天から救いの糸が垂れてくる可能性はあります。
難しいかもしれませんが、落ち込んでいる時こそ周囲の状況を客観的に見て、チャンスを逃さないようにしましょう。
また、努力が報われなかったのは「努力の方法が間違っていたから」かもしれません。
今までのやり方を見直し、無駄は無かったか、もっと合理的なやり方は無いかを考えてみましょう。
従来の方法を刷新したり、固定観念を捨てることが現状打破のカギになりそうです。
転職や就活も難しそう。
理想と今の自分の実力にズレがあるかもしれません。
もっと勉強してスキルアップするか、今の実力に合った会社選びをしましょう。
審判のカードばかりがよく出る理由
これは「審判」のカードに限らないのですが、引くとやたら遭遇するカードがあり「意味深だなぁ」なんて思う事はありませんか?
その理由や原因について、順番にお話していきますね。
今の自分のテーマや課題になっている
今の自分に必要なメッセージだから、何度も同じカードを引いてしまうという事がありえます。
そして「今の自分へのメッセージ」ですから、その人の状況に応じてメッセージ性も変わってきます。
「審判」の場合は、
- 才能が開花したり、成功する目前まできている
- 再チャンスの到来
- 過去に囚われ、間違った努力をしている
特にこのような事が考えられます。
各メッセージの解釈例を挙げてみると、下の表のとおりです。
1のタイプ | ゴールまであともう少しです。今の努力を続けていけば、素晴らしい未来へたどり着けるでしょう。 |
2のタイプ | 以前失敗したこと・挫折したことに再チャレンジする機会がありそう。昔と今のあなたは違うのですから、勇気を出して挑戦してみましょう。 |
3のタイプ | あなたは昔ながらのやり方にこだわるあまり、もっと便利で合理的な方法があることに気付いていないようです。無駄な行動をしていないか、周りにアドバイスを求めてみましょう。 |
ここに挙げたのはあくまで解釈例なのですが、何か心当たりはありますか?
心当たりがあるのなら、「審判」からのアドバイスを意識して行動してみましょう。
もし心当たりが無いなら、
- 客観的に見た自分の現状や環境、本当の気持ちなどを分析する
- 補助カードを引く
この2つを試してみると良いでしょう。
きちんとシャッフルされていない
意外にも「シャッフル不足」が原因になる場合もあるんです。
プロの占い師に鑑定してもらうのならその心配は無いと思いますが、「占いを始めたばかりの自分が占います!」というのなら、シャッフル不足が起こり得ます。
シャッフルは質問を念じながら行います。
その時は質問に意識を集中しているため、他のところへの注意が疎かになりがちです。
例えば音楽を聴きながら勉強したり、テレビをつけながら読書をしたり、自分では「2つの事を同時にできている」と思っていても、「片方の作業能率が下がってしまった」なんて経験に心当たりはありませんか?
それと同じで、意識を質問に集中していると、きちんとシャッフルしているつもりでいても、上の方しか混ざっていないという事も起こります。
「きちんとシャッフル出来てるか不安」とお思いでしたら、カードの絵柄を表にしたままシャッフルの練習をしてみるのもおすすめです。
そうすればカードの流れが視認できるので、自分なりの力加減や混ぜ具合の調整ができるようになるでしょう。
時間をあけずに同じ質問で占った
本来は立て続けに同じ質問で占うことはオススメできないのですが、すごく気になる事や不安な事があれば、つい同じ質問で占ってしまう人もいると思います。
しかしカードからしてみれば、
「現状を変えてないのに同じ相談をされても、同じ事しか言えないなぁ」
という気持ちでしょう。
そうすればカードは「さっきと同じカード」か、「別のカードでも似たような意味のもの」を提示するしかありません。
仮にワンオラクルで引いたカードが全く同じであれば、それは確実に「今の自分に必要なメッセージ」です。
また、複数のカードを用いるスプレッドを行って、場所は違うけど同じカードが出ることもあると思います。
その場合もやはり「自分の悩みにおけるキーワードである」と解釈して良いでしょう。
そのカードの意味が気に入らなかったとしても、それは今のあなたに必要なメッセージです。
気に入らないから何度も占うのではなく、現状を変えるために行動を起こしましょう。
まとめ
今回は「大アルカナ20番・審判のカード」に関するお話でした。
「最後の審判なんて本当にあるの?」と疑う人もいますが、戦争や災害が無くならない今の世界では、「終末など無い」と言い切れないのも事実です。
しかしいつ起こるか分からない終末を心配して、今世を楽しめないのはナンセンスです。
「今を全力で楽しんで、神様に恥じない人生を送っていこう」
このように考えて生きていれば、自然と神様に認めてもらえるような人間に成長できるのかもしれません。