占いをしていると「新しいことを始めよう!」だったり、進路に悩んだ時など節目になるようなときに「自分に向いているものは何だろう?」と気になって相談されることもあります。
また、目標に向かって進んでいるはずなのに「環境も整っているのに、なかなかうまくいかない。どうしてだろう?」「進んでいるけど自信が持てなくなった」と相談されることもあります。
そういった時に必要になってくるのが「自己分析」です。
どちらも質問内容が全然違うような?と思われるかもしれませんね。
ですが、『自分が気が付いている意識と自分が気が付いていない意識を知っていく』という意味では同じだったりします。
そんな、「自分が気が付いている意識」と「自分が気が付いていない意識」を知って、「未来へ向かっていこう!」と背中を押すときに使いたい、おすすめのスプレッドを今回は紹介していきます。
自己分析の鍵は「顕在意識」と「潜在意識」
心理学などでは人間の意識には顕在意識と顕在意識の二つがあり
- 顕在意識は「自分が認識している意識」
- 潜在意識は「自分が認識していない意識」
をそれぞれ表しているといわれています。
その中で顕在意識は意識全体の約2%といわれていて、残りは潜在意識であるといわれています。
その意識の大半を占めている潜在意識が、顕在意識以上に行動を決めています。
そのため、「進もうとしているのにうまくいかないなー」とか、節目に「ほんとにこれでよかったのかな?」といった漠然とした不安を抱くといったことがあります。
占いを通して「潜在意識を言葉にして気が付くこと」で、その不安な状態が解消したり、前に進んでいくキッカケや力になるのです。
【初心者向け】少ない枚数で自己分析できるスプレッド『ツーマインド』
さて、顕在意識と潜在意識について知るための手段として、まず最初に少ない枚数で読み解くためのスプレッドが『ツーマインド』です。
これは2枚のタロットを引いて読み解くスプレッドで、大アルカナ22枚でも占うことのできるスプレッドです。
一枚を顕在意識、もう一枚を潜在意識としてとらえるので、シンプルに顕在意識と潜在意識の差が見られるスプレッドになっています。
スプレッドの展開方法と解釈
上から順に展開します。
- 上:顕在意識
- 下:潜在意識
解釈の文脈としては、「意識している部分(行動)は①ですが、自覚されていない部分では②と思われているため、うまく進めないのかもしれません」というように顕在意識と潜在意識の間に反対の意味合いが見られる場合と、
「②と思っているため、今あなたの行動が①として表れているようですね」というように潜在意識が顕在意識と離れず補う形ででることもあります。
この悩みは前世からだった!?6枚で自己分析できる『ダビデスター』
タロットは一部で魔術的、あるいはスピリチュアルな側面を持ち合わせているとも言われます。
それと同時に占星術の要素も含む場合もあります。
『ダビデスター』は6枚のカードを魔術的な意味を持つ「六芒星」に展開し、「前世」にまつわることを表し、それぞれ占星術の主要な天体:太陽、月、金星、木星、火星、土星の意味を紐づけて表しています。
個人の前世を占うこともできますし、悩みに対する前世のかかわり方についても占うことができます。
「前世」と聞くとちょっと疑ってしまう部分もあると思いますが、潜在意識の部分はある意味、
「自分だけれど自分ではない自分」=「自分だけれど自分ではない前の自分」=「前世」
というふうに取れるのではないかと思います。
また、6枚なので大アルカナだけでも読み解けます。
スプレッドの展開方法と解釈
番号の順番に、①から図のように並べていく。
ヘキサグラムに似ているが、展開する順番は違うので注意してください。
- 太陽:前世の記憶。前世と現世の本質的に共通した部分を示す。
- 月 :前世の感情。前世で強く印象に残っている心情を示す。好き嫌いに関わる。
- 金星:前世の愛情。前世の恋愛に関することを示す。恋愛観に関わる。
- 木星:前世の善行。前世のよい行い。結果として今ちょっと得してること。
- 土星:前世の試練。前世で体験した試練。今も体験しているかそれに続くもの。
- 火星:前世の出来事。前世で印象に残っている経験や行動。今の行動に影響する。
まずは全体の雰囲気をみて明るいか暗いか、正位置逆位置の数、スート、数字などをヒントにしながら、占星術の中でも重要とされている「太陽(本質)」と「月(感情)」で前世の人物像を見ていきます(前世はこんな感じの人でした)。
次に、「金星(愛情)」と「火星(出来事)」で前世の人の個人的な感情や行動を見ます(前世ではこんなことがあって、こういう感情になりました。または、こういう感情でしたが、こんなことがあってうまくいきませんでした)。
そして、「木星(善行)」と「土星(試練)」で前世の社会的な行いや、制限(うまくできなかったこと。こんなことをしていましたが、こんな試練や制限がありました)を見ていきます。
そして、読み解いた前世が、今にどう影響しているかを確認しながら、次に進むサポートをしていくのも良いでしょう。
万能だからこそ深く読むこともできる『ケルト十字』
10枚のカードから、過去に起きた出来事が今や未来にどのように影響を与えるかを読むことができる万能スプレッド『ケルト十字』。『ケルティッククロススプレッド』などの呼び方もあります。
悩みや今起こっていることに対しての自己分析に役立つスプレッドです。一部を除いて自分が何を思っているか、どうしてきたかを多くのカードで読み取っていくので判断基準が多いという意味でも自己分析に役立つと考えられます。
スプレッドの展開方法と解釈
①から順に展開していきます。
解釈は以下の通りです。
- 現在の状況:今どんな状況に置かれているか
- 障害と対策:乗り越えていくものや対立するもの。正位置でみる。
- 顕在意識:表に出ているどう思っているか、可能性
- 潜在意識:表に出ていない現状に対する気持ちの面での原因
- 近い過去:現状に対して影響していたこと
- 近い未来:現状から起こりやすそうな未来
- 相談者の立ち位置や状況:問題に対してどんなかかわり方をしているか
- 周りの人の状況:問題に対しての周りの状況。恋愛の場合は相手の置かれている状況
- 相談者の願望:こうなったらいいなや、これは嫌だなといった問題に対しての願望
- 結論:最終的な目的地。具体的な時期を設定しておくとより読みやすい。他の9枚とあわせて読み解く。
使用するカードの多いスプレッドに共通して、まずは全体から受ける印象を言葉にしてみましょう。
そして、対になっている部分(③と④、⑤と①と⑥)を読み解いていきましょう。
②はこのスプレッドで一番の鍵となるカードです。
悩みの核の部分であり、最終的にこうなりたいという部分に向かうために乗り越える部分でもあります。
④の潜在意識や、⑧の周りの環境なども多く関わってくる部分ともいえますので、併せて読み解くとよいです。
使用するタロットカードが多く、複雑であるからこそ、しっかり分析することができるとも言えます。
ゆっくりでもいいので、慣れてきたらトライしてみましょう!
ケルト十字についてさらに詳しくは、こちら↑で紹介しています。
自己分析と言ったらコレ!将来できるようになってみたい『生命の樹』
タロットにも深くかかわっている数秘術のカバラ思想『生命の樹』を基にしているスプレッドで、自分の置かれた状況や、得意不得意、対人関係など自己分析に特化したスプレッドです。
『生命の樹』とは「10個の天体」と「天体同士をつなぐパス」から成り立つ体系図で、カバラの中では「生命の樹は人間の設計図」とされています。どのような要素でその人が構成されているかを見ていくものです。
スプレッドの展開方法と解釈
①から順に図に合わせて展開していきます。
- ケテル(王冠):目標 人生で向かうべき到達点や理想。
- コグマ(知恵):情熱 男性的な側面。やる気やエネルギー
- ビナー(理解):試練 女性的な側面。乗り越えるべき試練
- ケセド(慈悲):武器 自分の強み。または味方
- ゲブラー(峻厳):障害 手放すべきもの。または敵
- ティファレト(美):達成 達成できる目標 (キーカード)
- ネツァク(勝利):対人関係 または自信のありか。
- ホド(栄光):環境 仕事環境や成果。または自信のないこと。
- イェソド(基礎):潜在意識 恐れていることや気が付いていない要素。
- マルクト(王国):現状と結果 現在置かれている状況。最終的な答え。
解釈のポイントとしては、
- ①~③で魂を表し、人生のテーマ。
- ④~⑥で意識を表し、周りへどう向き合うかを示す。
- ⑦~⑨で無意識を表し、自覚していない物事を示す。
- ⑩で外的な世界を表し、現在置かれている状況を示す。
以上を踏まえたうえで、全体の印象とそれぞれをみていきます。
ただ、『生命の樹』は本当に複雑な上級者向きのスプレッドです。
『ケルト十字』も読むのが慣れてきた!となったら試してみても良いかもしれませんね。
『生命の樹』スプレッドのより詳しい内容は、こちら↓をご参考に。
まとめ
今回は、シンプルなものから、ピンポイントに自己分析に向いている複雑なスプレッドまで紹介しました。
最初のうちは『ツーマインド』で一つの内容対する顕在意識と潜在意識の違いを読み解く練習をして、『ダビデスター』で人の潜在意識をまんべんなく読み込みながら、今の状況と照らし合わせていく。
そして『ケルト十字』で自己分析をしながら、『生命の樹』で人間って何?を極められるようになっていけたら、タロット占いが深みを増すのではないかと思います。
もっとも、占い師さんによっては「どんなことも基本的に3枚で読みます」という方もいれば、「内容によっていろいろ変えます」という方もいます。
いろんなスプレッドを試しながら、自分に合ったスプレッドを極めてみましょう。