最も主流なカード占いと言えば「タロットカード占い」です。
しかし主流と言えど、リーディングはとても複雑。
1枚のカードだけでも「基本的な意味」「正位置」「逆位置」とあるので、情報量は膨大です。
しかも、その膨大な情報の中から「質問者とその質問に合った答え」を選ばなければならないのですから、気が遠くなってしまう人もいるでしょう。
そこで今回は、
- 大アルカナ5番・法王のカードの基本的な意味
- 恋愛関係の質問で「法王」が出た時の解釈例
- 仕事の質問で「法王」が出た時の解釈例
- 「法王」のカードがよく出る理由
これらに焦点を絞ってお話していきます。
タロットカード「法王」の基本的な意味
「法王」のカードは「教皇」「司祭長」「伝道師」とも呼ばれています。
「教皇」というと、「2番・女教皇」のカードを思い出しませんか?
「女教皇」は、知識や直観力などを駆使して、その時に合ったベストな方法を導き出していきます。
しかし、冷静で理性的な判断を下すため、時には「冷徹」といった印象を与えてしまうのが玉に瑕でしょうか。
それと比べて「法王」は、すでにあるルールや伝統を重んじるため、奇抜なアイデアなどは好みません。
しかし、とても慈悲深く、罪人の言い分にも耳を傾け、許してしまう包容力を持っています。
「子供に甘くて何でも言う事を聞いてくれるけど、門限を破ると怖いお父さん」
「5番・法王」はそんなイメージのカードです。
「法王」と「女教皇」、同じ役職でも、性別が異なるとカードの持つイメージもガラッと変わってしまうというのは面白いですね。
では、より詳しい「法王」の意味をキーワードで見てみましょう。
正位置のキーワード
慈悲、慈愛、包容力、優しさ、尊敬、信頼、穏やか、寛大、思いやり、誠実、秩序、ルール、法の遵守、伝統的価値観、約束、道徳性、協調性、保守的、常識、規律、宗教、説教、助言、指導者、父性
「法王・正位置」が出た時は「ルールや伝統に従い、周囲と足並みをそろえているべきである」というメッセージになります。
そのため、変化や自由、自分らしさを求めるには不向きな時期と言えます。
しかし「現状維持すれば平和である」という意味でもあるので、「現在の自分は穏やかで安定している」とポジティブに捉えましょう。
また、あなたが誰かを導く立場になったり、あなたを導いてくれる人との出会いがあるという暗示もあります。
前者の場合は、慈悲深く慈愛に満ちた態度に徹する事で、周囲からの尊敬や信頼を得られるでしょう。
後者の場合は、あなたが壁にぶつかっても、その人の助言を素直に聞けば解決できるという意味になります。
周囲の助言、特に年長者の言葉はありがたく受け取りましょう。
逆位置のキーワード
無慈悲、利己的、独りよがり、虚栄、怠惰、融通がきかない、頑固、束縛、、視野が狭い、閉塞感、ルールや道徳に反する、不道徳、不信感、背徳、きれいごと、偏見がある、マインドコントロール、騙す、違和感
「法王・逆位置」は「悪の組織のボス」をイメージすれば分かりやすいでしょう。
自分の美学を最上のものと考え、自分の利益のために行動し、他人の失敗を決して許しません。
そして、マインドコントロールをして手下を増やし、悪事を働かせるのです。
「一般人の自分が悪の組織のボスなんて…」と、ピンとこないかもしれません。
しかし悪の組織のボスだって、最初はただの一般人だったのです。
悪い心は誰にだってありますし、環境次第では思考の偏りだって生じます。
それがふとしたきっかけで悪い心が暴走し、取り返しのつかない事をしてしまったり、犯罪に手を染めてしまう人もいるのです。
このカードが出た時は、
「悪い心が暴走しないように注意。ストレスはためないようにして、視野を広く、慈愛を大切にしよう」と、気を付けておくと良いかもしれませんね。
または、あなたが誰かに騙されてしまう可能性もあります。
もし「この人の考え方は素晴らしい!」とか、「こんなお得情報を教えてくれるなんて良い人に違いない!」と、盲目的に信じそうになってしまったら要注意です。
タロットカード「法王」の恋愛パターン別の解釈
では、ここからは恋愛のパターンに応じた「法王」の解釈をしていきましょう。
恋愛パターン① 相手の気持ち・未来
恋愛における相手の気持ち、恋愛の未来(行方)に関するタロット占いで「法王」が出た場合の、正位置と逆位置それぞれの解釈例です。
正位置の解釈例
【現在フリーの人の場合】
「法王・正位置」は恋愛における協力者を得やすい時期というメッセージを持っています。
そのため、このカードが出たら一人で出会いを探すより第三者に助けてもらう方がおススメです。
誰かに紹介してもらったり、思い切って結婚相談所に登録するのも良いでしょう。
仲介者のおかげで良縁に恵まれそうです。
もしお見合い写真などを見てピンとこなくても、まずは会ってみましょう。
外見が好みのタイプではなかったとしても、きちんと誠実な対応を心掛けてください。
相手との会話から誠実さや穏やかさを感じられるので、「この人なら良いパートナーになってくれそう」と思えるようになるでしょう。
あなたが慈愛や包容力に満ちている姿を見せられれば、結婚を前提としたお付き合いが始まりそうです。
【片思いの人の場合】
相手からあなたへの好感度は高く、大切に思ってくれているようです。
しかしそれは恋愛というより、家族的な愛情が近いです。
そのため相手は「今の関係をステップアップさせたい」という気持ちが薄いので、あなたがアクションを起こさなければ、このままの関係が継続されるでしょう。
お付き合いに発展させるにはあなたからのアプローチが必須ですが、グイグイいくと相手を戸惑わせてしまいそうです。
相手を思いやりながら、少しずつ恋愛対象として意識してもらえるように距離を詰めていきましょう。
相手があなたに家族的な愛情を持っていると、あなたの「性別」に対する意識が希薄かもしれません。
なので、あなたが女性なら「女性らしさ」、男性なら「男性らしさ」をアピールポイントにしてみると良さそうです。
あなたの意外な一面に、相手もドキッとしてくれるはずです。
【両想いの人の場合】
あなた達2人は同じ価値観を共有できており、互いに尊敬しあっています。
そのため精神的に充足し、安定した関係を築けているようです。
ドキドキは少ないかもしれませんが、一緒にいて心地よい相手となら、この先も長く関係を続けられるでしょう。
相手はそろそろ結婚も視野に入れているようです。
2人が「相手を思いやる気持ち」を大切にしていれば、幸せな家庭を築けそうなのでご安心を。
周りから祝福してもらえるので、楽しい気持ちで結婚の準備ができるでしょう。
逆位置の解釈例
【現在フリーの人の場合】
不道徳な恋愛に縁がありそうです。
「不倫」、「詐欺」、「性格や社会的に問題のある人との出会い」など、周りから祝福されない恋愛になってしまうかもしれません。
周囲から止められても、あなたは聞く耳を持ちません。
ヒステリックになって、せっかく助言してくれた人を傷つけてしまう可能性もあります。
あなたが無謀な恋に夢中になってしまうのは、焦りや不安が原因かもしれません。
「結婚できないと負け組」「この人を逃すと後は無いかも」なんて気持ちが根底にあるのでは?
「法王・逆位置」は「伝統や慣習からの脱却」という意味も持ちます。
「結婚」は古来から残る伝統です。
しかし時の流れと共に、全てのものが新しい時代に合うようにアップデートされていきます。
「結婚しなければ不幸せ」なんて考え方は、もうナンセンスです。
今一度、あなたの幸せとは何か考えてみてはいかがでしょうか?
古い伝統に囚われないで、あなたならではの幸せを探してみましょう。
【片思いの人の場合】
相手は今、精神的に不安定で恋愛をする余裕が無いようです。
もしくは、相手はもともと恋愛への関心が薄いのかもしれません。
どちらにせよ相手は恋愛モードではないので、あなたのアプローチは失敗する可能性が高いです。
また、あなたの愛は現在少し暴走気味のようです。
相手への愛情が「崇拝」という域にまで達しており、教祖様を狂信的に崇める信者のような言動になってしまっているかもしれません。
「自分がどれだけ教祖様を慕っていて、どれだけ信仰心があるのか分かってもらいたい!」と言っている人を想像してみてください。
少し怖く感じませんか?
しかしあなたの「好き」という気持ちは、このような状態に近いのではないでしょうか。
「あの人のためなら何でもする」とか「私がどれだけ好きなのか気付いてほしい」。
このように、愛情がマイナス方面の思考回路に向かっていたら危険です。
それにこのまま自分勝手で強引なアプローチをしていると、相手からの信用を失ってしまいます。
今は「相手に対する自分の振る舞いや考え方を見直す時」と捉え、自制しましょう。
【両想いの人の場合】
2人の価値観にズレが生じて、イライラや息苦しさを感じてしまいそうです。
例えば、
- あなたは毎日連絡したい
- 相手は用のある時だけ連絡したい
- あなたは相手が異性の友達と遊んでも気にしない
- 相手はあなたが異性の友達と遊ぶのが嫌だ
もしこのようなズレがあれば、喧嘩しないようにルールを決めたりするのではないでしょうか。
最初は「ルールを守ろう」と思っても、段々と面倒になってくるものです。
付き合いが長くなって相手の嫌な部分が見え始めると、それは猶更ストレスに感じるでしょう。
そうするとお付き合いがつまらないものになり、浮気などの不道徳な方面に向かってしまう恐れもあります。
今の2人に必要なのはガチガチのルールで縛る事ではなく、「これぐらいならやれる」と思える2人の妥協点を探す事のようです。
決して互いの考えを押し付けず、柔軟な考え方と慈愛の心を大切にして話し合ってください。
そして一緒にいると楽しく、安らげるような関係を目指していきましょう。
恋愛パターン② 復縁
復縁に関するタロット占いで「法王」が出た場合の、正位置と逆位置それぞれの解釈例です。
正位置の解釈例
復縁できる可能性はありますが、相手からのアクションは期待できないでしょう。
相手はあなたの幸せを願っていますが、自分ではあなたを幸せにできないと考えてしまっているようです。
別れの際に、相手のプライドを傷つけてしまう発言などはしませんでしたか?
もし心当たりがあるなら、それが原因で相手は自信を失ってしまったと考えられます。
きちんと謝罪し、「復縁したい」というあなたの真剣な気持ちを相手に伝えましょう。
そして相手がはっきりした態度を示さなくてもイライラせず、相手のどんな弱さでも受け止めてしまうような包容力を発揮してください。
自分から行動し、慈愛に満ちた面を見せる事で復縁の可能性は高まるでしょう。
逆位置の解釈例
相手の心はすでにあなたから離れてしまっており、距離を置けて安堵しているかもしれません。
その原因は、あなたからの依存心や束縛の強さにあったようです。
依存や束縛は愛の大きさゆえのものですが、相手にとっては窮屈でストレスになってしまっていたのです。
相手はあなたから解放されて安堵し、自由を楽しんでいる状態です。
そんな時に復縁を持ちかけても、相手からは嫌悪感を抱かれてしまうでしょう。
なので復縁は難しいです。
今は相手に対して何かするより、自分を変える行動を起こしてください。
恋人への依存心や束縛が強くなる性質を持ったままだと、今後の恋愛でも同じ失敗を繰り返してしまいます。
相手に依存してしまうのは、心のバランスが不安定だからです。
恋愛以外にも熱中できる事を作り、人生をもっと楽しみましょう。
相手を束縛してしまうのは、自分に自信が無いからです。
自分磨きをしたり、好きな事を一つでも極めて自信をつけてみましょう。
それらを成し遂げた時、あなたは新しい自分に生まれ変わっています。
変化前の復縁は困難でも、変化後は違うかもしれません。
以前とは違うあなたの姿を、復縁したい相手に見せてみましょう。
タロットカード「法王」の仕事に関する解釈
次は仕事に関する「法王」のカードの解釈をしていきます。
正位置の解釈例
会社のルールやマニュアル通りに行動し、真面目にコツコツと仕事をこなしていきましょう。
変に工夫したり、奇抜なアイデアは失敗のもとです。
派手さが無く、つまらないと思うかもしれませんが、この時期の真面目な姿勢が後の高評価に繋がります。
初心を忘れず、丁寧に仕事を進めてください。
そして困った事があったら、冷静にこれまでのデータを見直してみましょう。
過去に同じような事例が起きていて、問題解決の参考になりそうです。
もしくは、上司や先輩に助言を求めても良いでしょう。
その際は素直に助言を聞き入れる事が大切です。
また、後輩に対しては優しさや思いやりの気持ちを第一に接してください。
もし後輩が失敗しても責めないで、励まして育てる事に力を入れましょう。
そんな慈愛に満ちたあなたの姿勢は、周囲から高い評価を得られるはずです。
転職を検討している人や就活中の人は、「自由」が売りの職種より、マニュアルがきちんとある職種の方がおススメです。
就職した先では尊敬できる先輩や上司と出会えそうです。
逆位置の解釈例
マニュアル通りに仕事をしなかったり、周囲のアドバイスを無視して自分勝手な行動をしていませんか?
それでもし「思っていた程の成果が得られない」とか「物事がスムーズにいかない」と感じるのであれば、あなたの勝手な言動を今すぐに改めるべきです。
今のあなたは視野が狭く、頑固になっているので、間違った方法でも無理やり突き進もうとする危うさがあります。
目に見えた成果が得られていないのであれば、自分流の方法は間違っていると素直に認め、周囲に助けを求めてください。
「あの人に言っても無駄だ」と見捨てられてからだと、何もかも遅いです。
「言ってもらえるうちが花」と考え、素直にアドバイスを聞き入れましょう。
または、頑固でモラハラ気味の上司に振り回されている状況を指している可能性もあります。
もしデータの改ざんやサービス残業の強制、などといった問題が職場にあるのなら、しかるべき機関や専門家に相談した方が良いでしょう。
言われるがままその不道徳な行為を受け入れていたら、いずれ「責任をなすり付けられてしまった」なんて事も起こりそうなので気を付けてください。
転職を検討している人や就活中の人は、今は下手に動くより、資格取得などのスキルアップに時間を使った方が良さそうです。
法王のカードばかりがよく出る理由
これは「法王」のカードに限らないのですが、引くとやたら遭遇するカードがあり「意味深だなぁ」なんて思う事はありませんか?
その理由や原因について、順番にお話していきますね。
今の自分のテーマや課題になっている
今の自分に必要なメッセージだから、何度も同じカードを引いてしまうという事がありえます。
そして「今の自分へのメッセージ」ですから、その人の状況に応じてメッセージ性も変わってきます。
「法王」の場合は、
- 今は伝統・慣習を重視すべきなので、新しい事を開始する時ではない
- 視野が狭く、利己的になっている
- 不道徳な行いをしていないか、己の言動を振り返るべき
特にこのような事が考えられます。
各メッセージの解釈例を挙げてみると、下の表のとおりです。
1のタイプ | 決まり事ばかりで退屈」と感じるかもしれませんが、今は大人しく規則に従うべき時です。これを乗り切れば、周囲からの信頼を得られるでしょう。 |
2のタイプ | 視野が狭いと、周囲から良い助言をもらっても上手く活用できません。それに自分の事ばかり優先していると、助けてくれる人がいなくなってしまいますよ。 |
3のタイプ | 悪い事をしている自覚があるなら、それをやめるにはどうしたら良いか考えましょう。無自覚ならどこかに問題点は無いか、自分の言動を振り返ってみましょう。 |
ここに挙げたのはあくまで解釈例なのですが、何か心当たりはありますか?
心当たりがあるのなら、「法王」からのアドバイスを意識して行動してみましょう。
もし心当たりが無いなら、
- 客観的に見た自分の現状や環境、本当の気持ちなどを分析する
- 補助カードを引く
この2つを試してみると良いでしょう。
きちんとシャッフルされていない
意外にも「シャッフル不足」が原因になる場合もあるんです。
プロの占い師に鑑定してもらうのならその心配は無いと思いますが、「占いを始めたばかりの自分が占います!」というのなら、シャッフル不足が起こり得ます。
シャッフルは質問を念じながら行います。
その時は質問に意識を集中しているため、他のところへの注意が疎かになりがちです。
例えば音楽を聴きながら勉強したり、テレビをつけながら読書をしたり、自分では「2つの事を同時にできている」と思っていても、「片方の作業能率が下がってしまった」なんて経験に心当たりはありませんか?
それと同じで、意識を質問に集中していると、きちんとシャッフルしているつもりでいても、上の方しか混ざっていないという事も起こります。
「きちんとシャッフル出来てるか不安」とお思いでしたら、カードの絵柄を表にしたままシャッフルの練習をしてみるのもおすすめです。
そうすればカードの流れが視認できるので、自分なりの力加減や混ぜ具合の調整ができるようになるでしょう。
時間をあけずに同じ質問で占った
本来は立て続けに同じ質問で占うことはオススメできないのですが、すごく気になる事や不安な事があれば、つい同じ質問で占ってしまう人もいると思います。
しかしカードからしてみれば、
「現状を変えてないのに同じ相談をされても、同じ事しか言えないなぁ」
という気持ちでしょう。
そうすればカードは「さっきと同じカード」か、「別のカードでも似たような意味のもの」を提示するしかありません。
仮にワンオラクルで引いたカードが全く同じであれば、それは確実に「今の自分に必要なメッセージ」です。
また、複数のカードを用いるスプレッドを行って、場所は違うけど同じカードが出ることもあると思います。
その場合もやはり「自分の悩みにおけるキーワードである」と解釈して良いでしょう。
そのカードの意味が気に入らなかったとしても、それは今のあなたに必要なメッセージです。
気に入らないから何度も占うのではなく、現状を変えるために行動を起こしましょう。
まとめ
今回は「大アルカナ5番・法王のカード」に関するお話でした。
宗教は人々を不安から救済し、安寧をもたらすものです。
そしてさらには経典によって、人間社会に規律を与え、不道徳な行いを正す役割も担っています。
その長たる「法王」は全てを愛し慈しみ、誰よりも規律を守る人でなければいけません。
しかし「法王」も人間ですから、時に魔がさす事もあるでしょう。
そんな時に現れるのが逆位置の顔です。
誰にでも善の顔、悪の顔はあります。
人間である限り、完全に悪い心を無くすことは難しいでしょう。
どうすれば悪い心を巧みにあしらいつつ、正しい道を歩いて行けるのか。
そのヒントはタロットカードが教えてくれるかもしれません。