最も主流なカード占いと言えばタロットカード占いです。
しかし主流と言えど、リーディングはとても複雑。
1枚のカードだけでも「基本的な意味」「正位置」「逆位置」とあるので、情報量は膨大です。
しかもその膨大な情報の中から「質問者とその質問に合った答え」を選ばなければならないのですから、気が遠くなってしまう人もいるでしょう。
そこで今回は、
- 大アルカナ15番・悪魔のカードの基本的な意味
- 恋愛関係の質問で「悪魔」が出た時の解釈例
- 仕事の質問で「悪魔」が出た時の解釈例
- 「悪魔」のカードがよく出る理由
これらに焦点を絞ってお話していきます。
タロットカード「悪魔」の基本的な意味
日本ではあまり馴染のない「悪魔」ですが、彼らはどんな存在だと思いますか?
悪魔の解釈の仕方は宗教によって千差万別ですが、根本的な役割はほぼ同じです。
悪魔の役割、それは「人を誘惑して堕落させること」です。
恐らく最も有名な「悪魔に誘惑された人の話」は、アダムとイブの「原罪(人類最初の罪)の話」ではないでしょうか。
イブは蛇に唆されて禁断の木の実を食べてしまいますよね。
その蛇を介してイブを誘惑したのは、悪魔の総大将であるサタンだという説があるのです。
唆されたにしても、誘惑に勝てずに神の教えに背いたアダムとイブは、楽園を追放されてしまいます。
タロットカードの「悪魔」は、このお話そのままのイメージです。
では、より詳しい「悪魔」の意味をキーワードで見てみましょう。
正位置のキーワード
誘惑、快楽に溺れる、依存、執着心、束縛、支配、嫉妬、盲目、過信、現実逃避、視野が狭い、悪循環、堕落、裏切り、憎しみ、恨み、憤怒、破滅、破天荒、トラブル、金銭問題、精神の衰弱
悪魔・正位置は「自分でも悪いこと、不道徳であると分かっていても抜け出せない状態」です。
「不倫はダメだと分かっていても好き!」
「ギャンブルはもう止めようと思っているのに、またお金を借りてギャンブルをしてしまった」
「恨んでも仕方が無いって分かっているけど、必ず復讐してやる!」
これらは極端な例ですが、ドラマなどでもよく見かけると思います。
もっと身近な例だと、
「テスト勉強しなきゃいけないけど、漫画の続きが気になるから読んでしまおう」
このような感じでしょうか。
欲望に負けた時、人は決まってこう言います。
「悪魔のささやきが私にやれって言ったんだ!」
悪魔の誘惑に負けたアダムとイブは楽園を追放されましたね。
それと同じく欲望のままに行動すれば、その先にはトラブルや不幸が待っています。
このカードが出た時は、理性、道徳、誠実さを忘れないようにしましょう。
逆位置のキーワード
周りが見えていない、原因・元凶に気づかない、深みにはまる、反省、リセット、覚醒、解放、誘惑を断ち切る、清算、新たな出会い、健全、改善、回復、現状打破
逆位置になると「現状打破」か「泥沼化」のどちらかになります。
例えば、今不倫をしていて…
- 自分で改心したり周囲の人に諭されたりして、「不倫をきっぱりやめよう」と行動を起こすと現状打破に向かっていきます。
- 「好きだから仕方ない」と不倫を正当化したり、「余計なお世話!」と周囲の助言を突っぱねてしまえば、泥沼化してどんどん深みにはまっていきます。
逆位置が出た時は「悪魔の誘惑から抜け出すチャンスが到来しているが、上手くいくかは自分次第」という状況です。
「今を変えたい」と強く願うのであれば、悪魔に負けない意思の強さを持つことが大切です。
もしかしたら、この機会を逃すと取り返しのつかないところまで堕ちてしまうかもしれません。
今の自分のあり方は、子供のころの自分に誇れるものですか?
誇れないのであれば、自分の良心や周囲からの助言に耳を傾けて、悪魔の誘惑に打ち勝ちましょう。
タロットカード「悪魔」の恋愛パターン別の解釈
では、ここからは恋愛のパターンに応じた「悪魔」の解釈をしていきましょう。
恋愛パターン①相手の気持ち・未来
恋愛における相手の気持ち、恋愛の未来(行方)に関するタロット占いで「悪魔」が出た場合の、正位置と逆位置それぞれの解釈例です。
「フリーの人」、「片思いの人」、「両想いの人」の関係別で記載しているので、ご自身に合ったものを参考にしてくださいね。
正位置の解釈例
【現在フリーの人の場合】
出会い運は下降気味です。
出会いはあっても未来の幸せに繋がるようなものではなく、既婚者だったり、あなたを利用しようとしている人との縁が強まっています。
しかしその人が好みのタイプすぎて、あなたもついつい恋に溺れてしまいそう。
「この恋に先は無い」「利用されている」と分かっていても、関係をズルズルと続けてしまいます。
不倫の恋にしても、利用される恋にしても、金銭トラブルに発展しやすいので要注意です。
それでも止められないなら、高い勉強代を払う覚悟をしておきましょう。
そういったトラブルを避けるためには、この時期に出会う人には気を付けることです。
どんなに好みのタイプだとしても、すぐに飛びつかないようにしましょう。
【片思いの人の場合】
相手はあなたに対して魅力を感じているようですが、それは純粋な恋愛感情ではないようです。
「魅力的な体だな~」とか「お金を持ってそうだな~」といった邪な目で見ている可能性が高いです。
そのため告白すればOKされる確率は高いのですが、体だけの関係だったり、金銭を求められる関係になってしまうでしょう。
さらに、もしかしたら相手にはすでに本命がいるので、不倫や浮気の恋になってしまうかもしれません。
しかしあなたは念願叶った嬉しさに理性や常識を忘れ、不道徳な恋でも「いつか自分が本命になれば問題ない」と思ってしまいそう。
確かにそうかもしれませんが、それは本命の人の幸せを壊すという行為です。
他人の幸せを壊した罪を償う時は、いつか必ずやって来ます。
不倫や浮気の恋から抜け出す気が無いのなら、罪を償う覚悟をしておきましょう。
また、あなたが相手に対して強い執着心を抱いている可能性もあります。
強い執着があると、相手が自分以外の誰かと話しているだけでも嫉妬したり、恨めしく思ってしまいます。
それを相手や周囲の人間に気づかれたら、悪い印象を持たれてしまうでしょう。
下手をしたら、今まで築き上げてきた人間関係も壊れてしまうかもしれません。
嫉妬する気持ちは分かりますが、憎しみに支配されず、冷静さを保てるようにしましょう。
【両想いの人の場合】
2人は「ギブアンドテイクな関係」のようです。
愛情があるからというより、利害が一致しているから一緒にいるのではありませんか?
体の相性が良かったり、世間体が良いなど、付き合いを継続した方がメリットがあるのかもしれません。
たとえ「あの人のワガママはもう嫌だ!」と思っていても…
「だけどお金持ちだから手放すのは惜しいな」とか、
「外見は良いから周りに自慢できるんだよな」といった、
打算的な思惑があるので離れることができません。
それで幸せならば良いのかもしれませんが、周りにいる幸せそうなカップルを見て妬ましく思いませんか?
また、恋人同士なのに愛が無くても寂しくありませんか?
もしこのまま関係を続けるのであれば、お互いを信頼し、心から愛し合えるように、反省と改善をしていきましょう。
逆位置の解釈例
【現在フリーの人の場合】
出会いはあるのですが、それが良い人か悪い人か判断が難しいかもしれません。
縁とは、その時の自分に相応しいものが結ばれます。
あなたが悪いものと縁を切って、まっさらな状態なのであれば良い出会いを引き寄せます。
しかし悪い習慣や悪い人達との関係を続けているのであれば、悪い出会いを引き寄せます。
今のあなたはどちらでしょうか?
悪い出会いに一度捕まってしまえば、あなたは自由や幸せを失ってしまうかもしれません。
今の自分の状態をよく考えてから出会いを探しに行きましょう。
もし判断する自信が無いのなら、まず先に今の悪縁を断ち切ることに専念してください。
出会いを探しに行くのは、それからでも遅くはないようです。
【片思いの人の場合】
相手はあなたを好意的に見ているようですが、「第一印象」と「実際のあなた」にズレを感じています。
そのため、アプローチしたいほどの好意は抱いていないようです。
例えば…
「大人しい人だと思ってたけど、話してみたら違った」
このような感じです。
相手にとっては第一印象の方が好みに近かったので、本当のあなたを知って戸惑っています。
しかしそれはあなたも同じなのではありませんか?
好きな人のことを知っていくうちに、「思ってた人と違うなぁ」という気持ちが強くなってるのでは?
もしくは好きな人の嫌な部分を見てしまって、愛情が薄れてきているのかもしれません。
悪魔・逆位置は「恋の終わり」を暗示しています。
悲しい失恋をするのではなく、「自分に合う人は別の人かも」と気づいて恋が終わります。
好きという気持ちに違和感を抱いたら、別の人に目を向けてみましょう。
意外と近くにあなたと相性ピッタリの人がいるかもしれませんよ。
【両想いの人の場合】
相手は現在の関係性を変えたいと思っているようです。
しかしそれが「結婚を考えていきたい」という気持ちなのか、「別れたい」という気持ちなのかは難しいところ。
突然「話し合いたい」と言われても慌ててしまうでしょうから、「今後どうしていきたいか?」「今の恋人と結婚したいのか?」を前もって考えておく必要があります。
考え無しに話し合いに応じてしまったら、相手の意見に流されて後で後悔してしまうかもしれません。
対等に話し合うためにも、自分の考えをはっきりさせておきましょう。
また、あなたが惰性でお付き合いをしているなら、他の人に目移りしてしまう可能性もあります。
一度きりの浮気のつもりだったのに、スリルが楽しくて深みにはまってしまいそう。
その結果、妊娠や訴訟などのトラブルに発展して、今の恋人とは破局になってしまうかもしれません。
このようなトラブルは人生を大きく変えてしまいますから、恋人には常に誠実でありましょう。
恋愛パターン②復縁
復縁に関するタロット占いで「悪魔」が出た場合の、正位置と逆位置それぞれの解釈例です。
正位置の解釈例
相手にも未練があるので復縁は可能のようです。
しかし未練と言っても、体の相性の良さや、利用価値があるといった面での未練なので、誠実な恋愛関係にはならないでしょう。
「付き合いを続けていれば、いつか本当に愛してくれるはず」と願っていても、残念ながら相手の気持ちは変わらないようです。
目の前の一時的なぬくもりに依存するより、もっと先の幸せを求める方が良いのではないでしょうか。
あなたの望む恋愛・未来はどのようなものですか?
元恋人にこだわる理由は何ですか?
今は復縁のために行動を起こすより、自分自身の本音と向き合う時です。
本音と照らし合わせた結果、やはりベストパートナーは元恋人だと思うのであれば、「利用されてもいい」と最初から割り切っておく必要があるでしょう。
逆位置の解釈例
お互いに未練が残っており、今は付き合っていた頃の反省をしている最中のようです。
もし反省を途中で投げ出してしまったら、復縁できたとしても、また同じ悲劇や別れを繰り返してしまいそうです。
反省は成長するために必要ですから、きちんと気持ちの整理がつくまでやり切りましょう。
脳内反省会が終了した時、成長したあなたの心には、ある変化が現れるかもしれません。
それは「この恋を卒業しよう!」という気持ちの芽生えです。
これは未来へ向かって歩き出せたということなので、気持ちの変化を恐れず受け入れてください。
あなたが成長したのと同じように、相手もまた反省を経て成長したかもしれません。
2人そろってステージアップできていれば、新しい気持ちで恋を始めることも可能でしょう。
「もう一度やり直そう」というより、「互いの成長した姿を見て、また好きになった」という感じです。
成長した2人なら、もう悲劇は繰り返しません。
回り道に感じるかもしれませんが、本当の幸せを得るためには段階を踏んで行くことが大切です。
タロットカード「悪魔」の仕事に関する解釈
次は、仕事に関する「悪魔」のカードの解釈をしていきます。
正位置の解釈例
「職場が自分に合っていない」「やりがいを感じられない」といった不満が強くなっていませんか?
そんな時は仕事に対するモチベーションも下がっているので、手を抜きがちです。
しかし「これぐらい大丈夫」と思ってやった手抜きが、予想以上に大きなトラブルを招いてしまう恐れがあるので要注意です。
やる気は無くても給料分の仕事はきちんとこなしましょう。
また、仕事へのストレスも溜まっているので、誘惑にも負けやすくなっています。
不正や横領、職場内不倫といったことには気を付けてください。
今の職場に嫌気がさしていると、衝動的に辞めてしまいたくなるかもしれません。
そこがブラック企業だったり、精神的・肉体的な負担が大きい職場ならば辞めて正解です。
しかし計画無しに辞めてしまうと、「また似たような会社に入ってしまった」ということも起こり得ます。
転職をするなら、まずは色々な情報を集めて計画を練ってからにしましょう。
就活中の人は、会社の仕掛けた甘い罠に騙されてしまいそうです。
例えば、
「残業無し」と言っていたのにサービス残業ばかりだった…
「アットホームな職場です」の真相は、馴染めない人達が辞めていったということだった…
このような表面上のキャッチコピーを信じた結果、後悔してしまうかもしれません。
騙す方が悪いのですが、自衛することも大切です。
気になる会社があったら、まずは念入りに下調べをするようにしましょう。
逆位置の解釈例
現状打破のチャンスです。
労働環境が改善されたり、人間関係が好転していきそう。
仕事にやりがいを感じられないと思っていたら、重要なプロジェクトを任されたり…
苦手な人が転勤して、職場でストレスを感じなくなったり…
「嫌だなぁ」「困ったなぁ」と思っていたことが、徐々に良い方へ変わっていくでしょう。
ただし、勝手に周りが良くなるパターンだけではなく、あなたが行動した結果良くなるパターンもあります。
なので…
「思い切って部署異動をしてみたら良い人ばかりだし、仕事内容も楽しくなった」
…なんてこともあるでしょう。
物事が好転しやすい時期なので「現状打破のチャンス!」と感じたら、積極的に行動してみてくださいね。
また、このような時期なので転職や就活もスムーズに進みそう。
情報収集や面接の練習などを怠らなければ、希望通りの会社に就職できるでしょう。
悪魔のカードばかりがよく出る理由
これは「悪魔」のカードに限らないのですが、引くとやたら遭遇するカードがあり「意味深だなぁ」なんて思う事はありませんか?
その理由や原因について、順番にお話していきますね。
今の自分のテーマや課題になっている
今の自分に必要なメッセージだから、何度も同じカードを引いてしまうという事がありえます。
そして「今の自分へのメッセージ」ですから、その人の状況に応じてメッセージ性も変わってきます。
「悪魔」の場合は、
- 誘惑に負けやすくなっている
- 悪いものに依存している
- 自分勝手になっている
特にこのような事が考えられます。
各メッセージの解釈例を挙げてみると、下の表のとおりです。
1のタイプ | 楽な方、自分がダメになる方を選びがちです。「あの時もっと頑張っていれば…」と、後悔しない選択をしましょう。 |
2のタイプ | 悪いものに依存しているせいで、あなたの平穏が壊れようとしています。今すぐ断ち切る努力を開始してください。 |
3のタイプ | 自分の気持ちに素直なのは良いことですが、度を越してしまうと単なるワガママですし、周囲にも迷惑です。他人の気持ちにも目を向けるようにしましょう。 |
ここに挙げたのはあくまで解釈例なのですが、何か心当たりはありますか?
心当たりがあるのなら、「悪魔」からのアドバイスを意識して行動してみましょう。
もし心当たりが無いなら、
- 客観的に見た自分の現状や環境、本当の気持ちなどを分析する
- 補助カードを引く
この2つを試してみると良いでしょう。
きちんとシャッフルされていない
意外にも「シャッフル不足」が原因になる場合もあるんです。
プロの占い師に鑑定してもらうのならその心配は無いと思いますが、「占いを始めたばかりの自分が占います!」というのなら、シャッフル不足が起こり得ます。
シャッフルは質問を念じながら行います。
その時は質問に意識を集中しているため、他のところへの注意が疎かになりがちです。
例えば音楽を聴きながら勉強したり、テレビをつけながら読書をしたり、自分では「2つの事を同時にできている」と思っていても、「片方の作業能率が下がってしまった」なんて経験に心当たりはありませんか?
それと同じで、意識を質問に集中していると、きちんとシャッフルしているつもりでいても、上の方しか混ざっていないという事も起こります。
「きちんとシャッフル出来てるか不安」とお思いでしたら、カードの絵柄を表にしたままシャッフルの練習をしてみるのもおすすめです。
そうすればカードの流れが視認できるので、自分なりの力加減や混ぜ具合の調整ができるようになるでしょう。
時間をあけずに同じ質問で占った
本来は立て続けに同じ質問で占うことはオススメできないのですが、すごく気になる事や不安な事があれば、つい同じ質問で占ってしまう人もいると思います。
しかしカードからしてみれば、
「現状を変えてないのに同じ相談をされても、同じ事しか言えないなぁ」
という気持ちでしょう。
そうすればカードは「さっきと同じカード」か、「別のカードでも似たような意味のもの」を提示するしかありません。
仮にワンオラクルで引いたカードが全く同じであれば、それは確実に「今の自分に必要なメッセージ」です。
また、複数のカードを用いるスプレッドを行って、場所は違うけど同じカードが出ることもあると思います。
その場合もやはり「自分の悩みにおけるキーワードである」と解釈して良いでしょう。
そのカードの意味が気に入らなかったとしても、それは今のあなたに必要なメッセージです。
気に入らないから何度も占うのではなく、現状を変えるために行動を起こしましょう。
まとめ
今回は「大アルカナ15番・悪魔のカード」に関するお話でした。
現代社会で人間が安全で平和に生きていくためには、法律や戒律などの厳しいルールを守る必要があります。
秩序を守るためにとても大切なことですが、それは時に非常に難しく、大きなストレスを感じてしまうものです。
そのストレスをどんどん蓄積していけば、いずれ爆発して自制心を失い、欲望のままに暴れ出してしまうでしょう。
しかしそうなったら悪魔の思う壺。
悪魔の餌食にならないためには、日ごろからストレス解消しておくことが、何よりも大切なのかもしれませんね。