ワンオラクルでカードの意味を覚えたり、カードから感じたことを言葉にするという「タロットを読み取る基礎」として慣れてきたら、次に挑戦したいのが「スリーカード」。
「スリーカード」は、「一つの事柄を複数の枚数で流れとして読む」とスプレッドの基礎として最もシンプルなものです。
今回は、その「スリーカード」について
- どんなスプレッドなのか
- 適している占いの内容
- 読み方のポイント・展開法
- 解釈のやり方・手順
- 恋愛相談での解釈例
といった内容を徹底解説していきます。
「スリーカード」はどんなスプレッド?
占いとして質問されるよくある内容は、大まかに分けると次の3つに分類できます。
- 物事が、これからどうなっていくかという『時系列』タイプ
- 物事に対して質問者がどうすればいいかという『行動指針』タイプ
- 物事に対して誰かがどう思っているかという『心理行動』タイプ
「スリーカード」は、この分類された内容それぞれを、3枚のカードを使って最もシンプルに占うことのできるスプレッドです。
「ヘキサグラム」や「ケルト十字」といったスプレッドは、時系列や心理行動など複数のタイプを、一つのスプレッドの中に落とし込んで読んでいます。
そういった複雑なスプレッドを読み解くためにも、「スリーカード」はスプレッドの基礎として、しっかり覚えておくとよいでしょう。
どんな占いに適している?
恋愛でも仕事でも生活でも、あらゆる質問内容に適しています。
例えば「2人の関係はこれからどう変わっていきますか?」であれば「時系列」的に展開していき、「2人の関係を良くするためにはどうしていけばよいですか?」であれば「行動指針」として展開していき、「彼は私のことをどう思っていますか?」であれば「心理行動」として展開していきます。
また、3枚の設定次第では、それ以外の読み方もできます。
占いを始める前に、相談者の質問がどの分類に当てはまるのかを考えたうえで展開していきましょう。
「スリーカード」で占う時のポイント
「スリーカード」を展開するうえで押さえておきたいポイントは、次の3つです。
- 質問内容が「時系列」「行動指針」「心理行動」「それ以外」のどれなのかを明確にする。
- 「時系列」「行動指針」の場合「未来」にあたる場所がどのくらい先か。
- 「心理行動」の場合、誰の心理が見たいのか
この3点を明確にしたうえで、順に展開していきます。
「スリーカード」のやり方・読み方
展開法
スリーカードは、下図の順番で展開していきます。
スリーカードは設定によって様々な占い方ができますが、今回は「時系列」「行動指針」「心理行動」の3タイプで読む場合の、それぞれのカードの意味について次に解説します。
「時系列」の配置場所ごとの意味&読み方
- 過去:相談内容の過去の状況や影響を与えたこと
- 現在:相談内容の今の状態
- 未来:相談内容がこれからどうなりやすいか
時系列の解釈をする場合は、「質問内容がどう移り変わっていったのか」を読み取ります。
小アルカナも使用している場合は大アルカナの有無、色、数字などでどこが一番影響が大きいのか、といったことも合わせながら、物語を読むように時間的な流れを読んでいきましょう。
また、時系列としては、
- 原因:質問内容がなぜそうなったか
- 結果:これからさきどうなっていくか
- アドバイス:良くするためのアドバイス
と、いったように展開することもあります。
起こっている問題の原因を探り、近い未来に起こるかもしれないこと、また解決するためのアドバイスを提示するものです。
「行動指針」の配置場所ごとの意味&読み方
- 良い行動:こう行動するとよいでしょう
- 良い考え:こういう考えで動くとよいでしょう
- 目的地:目指すべきところはここ。
「目標や、より良い未来に向かってどう動くとよいか」といった内容を占うのに適しています。
この「行動指針」の場合、逆位置でも正位置でも、それを良い行動や良い考えといったポジティブなイメージでとらえることが大切になってきます。
例えば「完成」「目標達成」といった意味のある「世界」のカードが逆位置で出たすると、「まだ終わらせない」「まだ完成させずにもう少し吟味してみよう」といった意味にとらえます。
または「執着」「とわられる」といった意味合いのある「悪魔」のカードも、「もう少しとらわれてみよう」「もう少し執着して粘り強く行動してみよう」など、出たカードの意味をすべて肯定的にとらえることがポイントです。
「心理行動」の配置場所ごとの意味&読み方
- 顕在意識 :行動として表れていること
- 中間意識 :なんとなく気が付いていること
- 潜在意識 :本人も気が付いていないこと
質問内容に対して「相談者や、その他の特定の人がどう思っているか」を占うのに適したものです。
下の図のように配置すると、より視覚的にもわかりやすくなるでしょう。
①では「本人や周りの人にも分かるような形で出て来ている行動や感情」を表し、②では「はっきりしていない、周りにもまだわからない、だけどうっすらと対象者が気づいている感情」を、そして③では「本人も気が付いていないけれど、質問内容に影響を及ぼしている事」を表しています。
「恋愛」についての解釈例
ここでは展開したカードを、「時系列」「行動指針」「心理行動」のタイプごとに、恋愛相談での解釈例を紹介していきます。
展開されたカード
今回、展開されたカードはこちら。
「時系列」での解釈例
「三か月以内に恋愛に発展する出会いはありますか?」という質問例に対する解釈です。
過去に「女性性・冷静さ」を表す「女教皇」があり、過去の時点では、恋愛に発展する出会いはなかったと推察します。
ただ、現在に「皇帝」が来ています。
「リーダシップ」「行動力」「男性性」といった意味があるので、近々リーダシップの取れる男性との出会いがあるのかもしれません。
また、「出会いの場に積極的に参加する」といった行動をしてみるのも良いでしょう。
未来の部分に「判断」「決断」「現状維持」といった意味の「正義」。
出会い自体はあるかもしれませんが、「恋愛に発展しているかと言われると、そこまでは至ってない」と読めますね。
「行動指針」での解釈例
「気になる相手にどうアプローチをしていけばよい?」という質問例に対する解釈です。
「良い行動」として「冷静」「神秘」といった意味の「女教皇」が出ていて、「慌てず落ち着いて行動していきましょう」と読めます。
「良い考え」として「行動力」「野心」「リーダーシップ」といった意味のある「皇帝」が出ています。
「自分の持っているもの、性格であったり考えに自信をもって進んで行きましょう」と読めるでしょう。
また「目的・着地点」として「判断」「決断」といった意味の「正義」が出ています。
良い決断ができると言えます。
また、恋愛のことで出た場合は他のカードと照らし合わせてポジティブな要素が多ければ「恋愛成就」「結婚」などを表すこともあります。
そうでない場合は「現状維持」という意味にとることもあります。
今回の場合、すべてのカードが正位置であることを踏まえると、どちらかというと「成就しやすい」と考えて良いでしょう。
「心理行動」での解釈例
「彼は私のことをどう思っているのでしょうか?」という質問例に対する解釈です。
「顕在意識」に展開されている「女教皇」は「冷静」「神秘的」という意味合いがあるので、「少し近づきがたい高嶺の花」といったイメージがあるのかもしれません。
なので、彼は事務的な言動しか相談者にしてきていないのかもしれません。
「行動として出てきていない部分」で「皇帝」が出ているので「頼れる存在」と思っている部分も見てとれます。
「潜在意識」では「とても公平な人物」と思っていてくれていますが、恋愛関係に発展するかと言うと、なかなか難しいかもしれませんね。
まとめ
今回は、よく聞かれる質問に対応した解釈例を紹介してみましたが、同じカードでも質問の内容によって解釈は変わります。
また、「スリーカード』」幅広く使うことのできる凡庸性の高いスプレッドです。
ひとまず今回挙げた例を参考にしながら、オリジナルなスリーカードを考えてみても良いと思います。
少しずつ使い慣れていきましょう。