学校を出て社会人としてフルタイムで働いている人であれば、生活の大半を占めているのが「お仕事」。
そのため、占いでお仕事の悩みを相談される方も多くいます。
そのお仕事の悩み相談の中で、出てきたタロットカードの意味や解釈を解説していきます。
今回のカードは「隠者」。
「隠者」カードの「仕事」での基本的な意味、人間関係や転職・適職などを占う時の解釈例や解釈のポイントについて詳しく紹介していきます。
タロット「隠者」が表す意味
「隠者」カードに描かれているのは、氷山の山頂にたたずむ高齢の男性。
氷山は、「0:愚者」カードの背景に描かれている遠くの氷山と言われていて、長い時間をかけてゴールにたどり着いたことを示しています。
また、背景色の青味がかった灰色は「精神性世界」を表現。
そして、カードの左側は「過去」を表していて、そちらを向いていることから「過去に起こった出来事や学んだことを振り返り内省していること」を表しています。
手に持っているカンテラは、自分の中で正しいと思える道へのしるべ。
周囲のことなど気にせずに、自分の精神と対話をしながら遥か高みへ進みます。
以上のことから、「内省」「悟り」「探求」といった意味、キーワードが出てくるのが分かりますね。
隠者のカードは「内なる自分と向き合いながら、ひたすらに研鑽をつむ職人」といったイメージです。
また、数字の「9」は物質世界の「到達」「完成」を表す数字とされています。
【仕事】での「隠者」の意味
仕事での『隠者』の意味も基本は、「内なる自分と向き合いながら、ひたすらに研鑽をつむ職人」といったイメージになります。
正位置の場合の意味&キーワード
専門職・研究職・集中・知識と経験を活かす・マニアックな分野・単独作業・慎重・部下を導く・現状維持
隠者は黙々と周りを気にせず自分の理想を追い求めていくカードなので、単独作業や集中が必要な作業を得意としています。
また、積み重ねてきた知識や経験を生かしたり、伝えたりといったことに適したカードでもあります。
逆位置の場合のキーワード
閉鎖的・偏屈・視野が狭い・孤立・見当違い・現実を無視する・知識不足
探求が過ぎるあまりに、「閉鎖的で偏屈で視野が狭くなっている状態」や「孤立している状態」を表しています。
こだわり過ぎていたり、自分の過去の経験だけを重視して、新しいことや周囲の意見を聞かずに仕事に支障が出ていると考えられます。
「もう少し周りと溶け込んでみよう」といったアドバイスになることが多いです。
【仕事】に関する相談内容別の解釈例
ここからは、仕事に関する相談内容の中でも、特に聞かれる次の4つについて、「解釈例」と「解釈のポイント」を解説していきます。
では順番に見ていきましょう。
「転職」について占う時の解釈例
今の仕事が辛くて転職したい!と思うこともありますよね?
「転職しようと思っていますが、転職するべきかしないべきか教えてください」
といった、シンプルに転職が良いか悪いかを占うときの解釈例と解釈のポイントです。
正位置の場合
収入や待遇といった条件ではなく、自分の興味ややりがいを重視した転職で、適職に出会える可能性が高いです。
ただ、すぐに動くというよりは、今までの自分としっかり向き合い、自分の理想を明確にしてから、じっくりと計画を練っていく時期。
もし、自分と向き合った上で「今の仕事がしっくり来ている」と感じているなら、転職せずにその道を極めていくとよいでしょう。
【ここが解釈のポイント!】
正位置なので向いていると解釈していますが、熟考する必要があるとも訴えています。
スプレッドによって「過去」を表す位置に出てきた場合は、転職についてしっかり考えてきて、適職につきやすいと捉えることができます。
ですが、「現状維持」という意味でも、すぐに何かを動き出すというよりは、しっかり仕事について考えてみる時期であると解釈しています。
逆位置の場合
自分の理想や条件に合った仕事探しは難航しそうです。
理想と現実が合っていないのかもしれません。
現実とのすり合わせをしていきましょう。
【ここが解釈のポイント!】
隠者の孤立や閉鎖的な面は、周り、つまり職場から離れるという意味では離れやすい状況ではあります。
ただし、それが転職につながるかというとイコールではありません。
周りの意見や、転職の状況についてしっかり情報収集をしてから実行に移しましょう。
「適職は何か」を占う時の解釈例
就職や転職で悩んでいる中で、「自分の適職はなんだろう?」悩む方も多くいます。
そんなときに『隠者』が出たときの解釈例です。
就職を考える時期に自分の適職を考えるひとつの情報として占う場合、大アルカナ22枚で正位置のみで占います。
「就職の時にどんな職業が自分に向いているか悩んでいます。参考にしたいので適職を教えてください。」
といったシンプルに「適職が何か」を占う場合を見てみましょう。
解釈例と解釈のポイント
知識や経験、調査や研究して、後学に残していく研究職や専門職、職人などが適しています。
また、調査員、占い師、カウンセラーなどにも適しているでしょう。
【ここが解釈のポイント!】
マニアック、閉鎖的でちょっと一般的にはわかりにくいという隠者のイメージから解釈しています。
また、すぐにものになるのではなく長期的に継続が必要なものでもありますね。
ただし、適職の場合は相談者の今までしてきたことや興味のあることも重要になってきます。
たとえ適しているといっても、興味が持てなければ続かないことも多いので、あくまで参考程度にして「何か思い当たることがないか」「他に興味のあることがないか」と、相談者の想いを引き出してみるきっかけにしましょう。
転職時に「今の仕事が適職か」を占う時の解釈例
転職を考えているときに、自分の適職は何なのかを考えて「実際、今の仕事が自分に適しているのかいないのか」と悩むこともあります。
こちらは、大アルカナのみといった制約はありません。
「転職したいと考えているのですが、なんとなく今の仕事が自分に合っていない気がします。今の仕事は自分に適しているのでしょうか?」といった相談の時の解釈例と解釈のポイントです。
正位置の場合
決して派手ではなく、むしろ地味と思われる仕事かもしれませんが、地道に努力して積み上げてきたものがあるでしょう。
ですので、決して向いていないというわけではありません。
ですが、合っていないと感じているのだとすれば、さらに自分にとって興味のある方向へ向かいたいという気持ちがあるのかもしれませんね。
あるいは、今まで培ってきたものを後世につなげる時が来ているのかもしれません。
自分の中に答えはあるので、しっかり自分と向き合って考えてみましょう。
【ここが解釈のポイント!】
自分の理想を探求してきたと捉えているので、今の仕事が適職であると解釈しています。
ですが、自分の中で本当にやりたいことがあるというのを、無意識でも感じ取っているのが隠者のカードです。
今の仕事と関連があるのか、別なのか、もう少し自分と向き合って自分の答えをみつけてみましょうと伝えてきていると解釈しています。
逆位置の場合
自分の知識が活かせなかったり、チームワークを要求される仕事で、ストレスを感じているのかもしれません。
ですが、視野が狭くなっていて偏った考えで向いていないと判断しているのかもしれません。
少し視野を広げて、周囲の考えを聞いてみましょう。
自分に適したことが見えてくるかもしれません。
【ここが解釈のポイント!】
自分の中に答えがあると判断する隠者ですが、逆位置の場合は「答えは周りにあるよ」と教えてくれます。
凝り固まった自分の世界から抜け出して、もっと広い視野で今の自分を確認するように促しましょう。
「仕事の成果」を占う時の解釈例
「今の仕事が成功するか、また評価されるか」といったことが気になることもあるでしょう。
「今度の仕事は成功しますか?」といった占い内容の時の解釈例と解釈のポイントです。
正位置の場合
探求心と分析力で完成度の高い仕事となり、評価も高くなるでしょう。
チームワークというより、個人で黙々とこなしていくことで、とても良い成功を得られます。
ですが、少し根を詰めてしまいがちなので、休息をとることを忘れないようにしてくださいね。
【ここが解釈のポイント!】
職人気質な隠者なので、ひたすらに打ち込んだ仕事の完成度は高くなりやすいと解釈しています。
ただ、少しのめりこみやすいため、「休息はしっかりとることを忘れずに」とアドバイスして行くことも多いです。
逆位置の場合
探求心はあるので一生懸命仕事はしていけますが、見当違いなことをしてしまいそう。
また、細かいところが気になってしまい、結果的になかなか仕事が終わらないといったことになりそうです。
仕事の出来は8割を目途にして、完璧を目指さないようにしましょう。
一人で進めるのではなく周囲に相談してみると、仕事がスムーズに進みそうです。
【ここが解釈のポイント!】
時間をかけても完成しなければ、また完成しても見当違いであれば、仕事として評価されないもの。
隠者は職人気質な部分があり、良い風に出れば評価されますが、逆位置の場合は頑固で妥協を許さない結果、周囲と足並みがそろわなかったり、時間がかかって衝突してしまうと解釈できます。
「独りよがりにならず、周りの状況や周りの意見も取り入れながら仕事をすることで、良い結果になる」とアドバイスしていきます。
「仕事での人間関係」を占う時の解釈例
仕事は一人で成り立つものではありません。
職場の人間関係や取引先の担当との関係など、人と関わる以上、悩むことも多くあります。
そんな職場での人間関係について占う時の解釈例と解釈のポイントです。
正位置の場合
仲間と和気あいあいとした関係ではないかもしれませんが、お互いに尊重しあえる関係です。
いい意味で自分は自分、他人は他人、とビジネスライクな関係といえます。
ただし、同じ趣味や、似た考えの人とは意気投合するでしょう。
意気投合すると長い付き合いになることもあります。
【ここが解釈のポイント!】
すこし、俗世からはなれている隠者なので、基本的に一人を好んでいると解釈しています。
ただ、敬意を持ちながら適切な距離をとっている感じです。
意気投合しても集団よりも一対一の少数の付き合いになることが多いです。
逆位置の場合
独りよがりになっていて、周りの意見が耳に入っていないようです。
結果的に、孤立し、軋轢を生んでいるようです。
素直に周囲の意見を聞いて自分を見つめなおしてみましょう。
【ここが解釈のポイント!】
頑固で偏屈な職人が少々こじらせている感じをイメージするとわかりやすいかもしれません。
融通が利かないため周囲と衝突したり、自分を曲げないといった感じになるでしょう。
周りの人たちの意見をしっかり聞いて受け入れてみると、意外と自分の思い込みだったりすることもあります。
また、新しい発想のきっかけや探求のきっかけにもなるので、「自分の世界から少し出ましょう」とアドバイスしていきます。
まとめ
隠者のカードは「内なる自分と向き合いながら、ひたすらに研鑽をつむ職人」といったイメージです。
周りがどうこうというよりも、自分自身がどうありたいかと、ある意味自分との闘いをしているカードでもあります。
自分の心と向き合うことは自分の良いことだけではなく、自分の良くないところも目にしてしまいます。
それを含めて、まっすぐに見ることも必要だと伝えてくれるカードですね。
仕事でもその自分の良いところ、悪いところを見つめ考えていこうと教えてくれています。