何か問題が起きていても「この問題が起こった原因がよくわからない」「この問題、解決するためにはどうしたらよいのだろう?」と悩むことってありますよね。
そんな時に使えるのが「ホースシュー」スプレッド。
今回は、その「ホースシュー」について、
- どんなスプレッドなのか
- 適している占いの内容
- 展開法
- 解釈のやり方・手順
- 実際の解釈例
といった内容を徹底解説していきます。
「ホースシュー」はどんなスプレッド?
『ホースシュー』とは直訳すると馬の靴。つまり馬の蹄に取り付ける「蹄鉄(ていてつ
」のことを表しています。
馬の蹄を守っていることから、お守りや魔除けとして親しまれています。
その蹄鉄を模して7枚のカードをUの字型に展開していくスプレッドとなっています。
(占い師によってUの字を逆にして展開することもありますが、どちらでも構いません。)
どんな占いに適している?
『ホースシュー』で占えるものは恋愛運、仕事運、人生など多岐にわたります。
「なんだか彼とすれ違ってばかり。歩み寄るにはどうしたらよいだろう?」
「仕事でトラブル発生!解決策が思い浮かばない。解決のためのヒントは何かな?」
といった事に対して
- 過去に問題がどんな状態で、何が影響しているのか
- 現在どういった状態になっているのか
- 解決するためのヒントと最終的な予想
など、「過去から未来までの移り変わり」や「悩み自体を掘り下げたい」時などに適しています。
割とどんな内容でも利用できるスプレッドです。
「ホースシュー」で占う時のポイント
「ホースシュー」で占うときに押さえておきたいポイントは3つあります。
- 誰を占っているのか
- 5枚のの周囲の環境とは何を指しているのか(複数なのか特定の人物なのか)
- 7枚目の結果の時期(3か月以内)
この3点を明確にしたうえで展開をしていきましょう。
展開方法と配置場所ごとの意味
展開方法は、下図のように番号順に展開していきます。
配置されたカードそれぞれに、表している意味があります。
①~⑦まで順にみていきましょう。
- 過去
質問に対する「過去の状況」
- 現在
質問に対する「現在の状況」
- 近未来
質問に対する「近い未来起こりうる事」や「⑦の最終結果より前に起こる過程」
- アドバイス
質問に対する「アドバイス」
- 環境
周囲の状況であったり特定の人の感情
- 障害
これから障害になりそうなこと
- 最終結果
質問に対して「最終的に起こりそうな結果」
解釈のやり方・手順
少し枚数もありますが、基本的には左から右へ流れに沿って読んでいきます。
また、左側で問題の過去から未来への時間的な推移を表していて、右側では問題を解決するためのアプローチを示しています。
4枚目のアドバイスを起点に、物語の流れを読んて行くようにしましょう。
① まず全体を見る
枚数の多いスプレッドの場合は、まず全体像を把握していきます。
- 大アルカナや小アルカナが多いか少ないか
- 数や色はどうか
- 4枚目を起点に左右のカードを見比べてみる
特に4枚目を起点に左右のカードを見比べて、左がネガティブで右がポジティブであれば事態は好転するととれます。
② 左側で、左から順に時間的な変化を読み取る
まず左側の時間軸を一つずつ読み解いていきます。
3枚目の未来を表すカードは、7枚目の最終結果よりも前に起こりそうなことや、問題に対して影響することを示しています。
どちらかというと、問題の現在の状況から最終結果までの過程を示しています。
③ 4・5・6枚目で問題解決のヒントを読み取る
4枚目からが、問題解決への具体的なヒントとなるカードになっています。
5枚目で周囲の状況がどうなっているかを確認し、6枚目で障害となるものを確認した後、4枚目のアドバイスを読み取っていきましょう。
4枚目はポジティブなカードが出た場合、「~するとよい」といった肯定的なイメージで。
ネガティブなガードが出た場合、「~しない方がよい」といった否定的なイメージで、読み取っていくとわかりやすいかもしれません。
④ 7枚目の最終結果を読み解く
7枚目は、最終的に起こりやすい未来です。
望む未来に近い場合はそのままでもいいですし、違った場合は「より良い未来へ向かうためにはどうしたらよいか」、ほんの少し意識を変えるためにもう一枚引いてみるのもよいでしょう。
恋愛での解釈例
『ホースシュー』を使った解釈例を挙げて解説をしていきます。
質問例
「彼と喧嘩をしてしまいました。仲直りするためにはどうしたらよいでしょうか?」
展開されたカード
- 過去:ワンドの8逆位置
- 現在:ソードの3逆位置
- 近未来:戦車の逆位置
- アドバイス:ソードの9
- 環境:ペンタクルスのナイト
- 障害:ペンタクルスの9
- 最終結果:世界
解釈例&解釈のポイント
まず全体を見る
全体を見ると、いずれも未来のところに大アルカナがあります。
過去や現在は、ネガティブなイメージの逆位置になっています。
そこから考えると、少なくとも未来には良い結果が待っていそうですね。
左半分を確認する。
まず、過去の位置に「急展開」といった意味の「ワンドの8」が逆位置できています。
「動きがない」とも取れますが、ワンドの8のイメージは「ホントは積み上げてきたものがあるけれど、気が付いていなくて、急に降ってわいたように感じるポジティブな急展開」というのがあります。
そこから考えて「積みあがってきていたネガティブな要素が雪崩のように崩れてしまい表に出てきた」ととらえます。
お互いの間にネガティブな要素があったのが露見して、喧嘩に発展したのかもしれません。
現在は「痛み」を表す「ソードの3」の逆位置です。
正位置の場合は「痛みを含めて物事を受け止める」といった意味ですが、逆位置の場合は「痛いだけで物事を正確に受け止められずに混乱している」といった状態を表しています。
「なぜ喧嘩になったのか」という理由については気が付いているはずだけど、今はまだ混乱していて理解していない・したくない、といった状況なのかもしれません。
近未来に「前進」を表す「戦車」が逆位置で出ています。
動けないというよりは、意気揚々とはいかないけれど、「すこしずつ前進していけるようになっていく」と捉えることができるでしょう。
4・5・6枚目を解いていく
まず5の周囲の環境。
今回の例では「彼の気持ちや行動」を表しています。
ここに「ペンタクルスのナイト」が出ています。
「堅実・不動な男性像」といった意味合いがありますが、今回は展開した時に浮かんだイメージとして、カードの人物自体が「彼自身」、ペンタクルスが「贈り物」と捉えてみました。
そうすると、彼が相談者に何か贈り物をしようとしているように感じられませんか?
ペンタクルスがお金や物質的なものを表すことからも、何かしらお金か物をもらうと読めますね。
そして6の障害には「引き立てられた成功」「投資・融資される」といった意味合いの「ペンタクスルの9」です。
障害となるものなので、少しネガティブな意味が含まれます。
周囲の環境で読み解いたこととリンクさせていくと、「贈り物をされるのが当たり前と思わずに自分を律しなさい」と戒めとして読み解く事ができます。
次に、4のアドバイスを読み解くと「苦悶・後悔」を表す「ソードの9」。
過去の所で読み解いた「積み上げていたネガティブな要素」が、後悔していることなのかもしれませんね。
ですが、後悔しても過去は変わりません。
「やってしまったことは反省しつつ、前に進んで改善していく努力をしていこう」と読み解けます。
5・6を含めて全体で解釈すると
「喧嘩の原因となった過去は反省して、改善するように前向きに進んでいきましょう。彼も協力してくれますが、それを当たり前と思わずに自分自身も律していけるようにしましょう」
と読み解けますね。
7枚目を読み解く
最終結果に「完成」といった意味の「世界」が出ています。
事態は好転して、より良い関係を築いているのかもしれませんね。
まとめ
今回の解釈例のように、カードの意味よりもカードのデザインにイメージが膨らむこともあるでしょう。
そういった読み方もあります。
意味だけにとらわれずに、デザインやカードを見たときの印象も大切にしていきましょう。
また「ホースシュー」は、「ケルト十字」スプレッドよりも数が少なく、物事を解決するための道筋を表してくれます。
「ケルト十字までまだ覚えきれない」という時や「もう少し簡単に解決の道筋をつけたいな」という時に使える凡庸性の高いスプレッドで、なおかつ縁起のいいモチーフでもあるので、ぜひ覚えておきたいスプレッドです。