最も主流なカード占いと言えばタロットカード占いです。
しかし主流と言えど、リーディングはとても複雑。
1枚のカードだけでも「基本的な意味」「正位置」「逆位置」とあるので、情報量は膨大です。
しかもその膨大な情報の中から「質問者とその質問に合った答え」を選ばなければならないのですから、気が遠くなってしまう人もいるでしょう。
そこで今回は、
- 大アルカナ2番・女教皇のカードの基本的な意味
- 恋愛関係の質問で「女教皇」が出た時の解釈例
- 仕事の質問で「女教皇」が出た時の解釈例
- 「女教皇」のカードがよく出る理由
これらに焦点を絞ってお話していきます。
タロットカード「女教皇」の基本的な意味
「大アルカナ2番 女教皇」のカードは、女性の精神性・知性・神秘性・処女性などといった、表立って見えない要素を表しています。
このカードは、聖母マリアやギリシャ神話の女神アテナをイメージすると分かりやすいです。
どちらも神聖な存在なので神秘性は言うまでもありません。
マリア様は処女受胎、女神アテナは処女神、という事で処女性というのも共通しています。
また、ウェイト版の「女教皇」には白と黒の2本の柱が描かれています。
これは「陰陽」や「この世と聖域の境界」「現在と過去の境目」といった、「2つの世界の狭間」に「女教皇」がいるのを表しています。
聖書の「受胎告知」のシーンにあるように、マリア様は現世にいながら天界との繋がりを持ちました。
女神アテナの象徴であるフクロウは、闇夜も自在に飛び回る夜の支配者です。
電気の無い大昔では、夜は冥府の世界と関連付けられていました。
そのため、フクロウは《あの世とこの世を行き来できる存在》と考えられていたのです。
マリア様と女神アテナも、「女教皇」のように「2つの世界の狭間」にいる存在と言えますね。
では、より詳しい「女教皇」の意味をキーワードで見てみましょう。
正位置のキーワード
聡明、知性、知恵、英知、知識、真面目、慎重、直感力、洞察力、思考力、豊かな想像力、神秘性、二元性、処女性、受容性、理性、冷静、信頼、余裕、優れたバランス感覚、精神的な豊かさ、安らぎ、充実感、目上の女性が助けてくれる、清らかな心
まさに、クールビューティーという表現がピッタリな言葉ばかりです。
先輩や上司にこのような人がいたら憧れてしまうのではないでしょうか。
直感力というと、野性の勘に従って行動するワイルドなイメージがあるので、少し異彩を放っていると感じるかもしれません。
しかし、この場合の直感力は野性の勘というより、
「これまでの知識やあらゆる情報から瞬時に導き出したベストな答え」
と考えるべきでしょう。
これは知識の積み重ねと、バランス感覚に優れた思考力・洞察力、そして冷静さを兼ね揃えてないと出来ない所業です。
こんなにすごい直感が働くのも、これまでの努力の賜物と言えるでしょう。
このカードが出た際は、自分の努力を信じて直感に従うのも良いかもしれませんね。
逆位置のキーワード
神経質、潔癖、冷淡、無知、極端、無神経、批判的、無責任、判断力の低下、優柔不断、疑心暗鬼、情緒不安定、思考が偏っている、アンバランス、無気力、心が狭い、愛情不足、ヒステリック、依存症、自己中心的、現実逃避、ネガティブ、融通が利かない、無謀、孤立、浪費
「正位置」では絶妙なバランスで成り立っていたクールビューティー像が、「逆位置」では崩壊してしまいました。
真面目さは行き過ぎれば神経質になってしまいますし、冷静さも過剰になれば冷淡になってしまいます。
過剰や不足によって「正位置」の意味が悪い方へ変化してしまったのが「逆位置」です。
このバランスを元通りにするには、心の安定を取り戻すのが一番でしょう。
焦って闇雲に行動するのではなく、一度立ち止まってリラックスしてみてください。
そうすれば冷静になって、今なすべき事が分かるはずです。
タロットカード「女教皇」の恋愛パターン別の解釈
では、ここからは恋愛のパターンに応じた「女教皇」の解釈をしていきましょう。
恋愛パターン① 相手の気持ち・未来
恋愛における相手の気持ち、恋愛の未来(行方)に関するタロット占いで「女教皇」が出た場合の、正位置と逆位置それぞれの解釈例です。
正位置の解釈例
【現在フリーの人の場合】
理想の相手と出会いやすい時期です。
新しい出会いではなく、もうすでに知っている人の中に理想的な人がいる可能性が高いです。
「青い鳥」と同じで、意外とすぐ近くにその人はいるかもしれません。
そして、その人はあなたに好意や尊敬の念を抱いていそうです。
あなたがその気持ちに気付けば、スムーズに恋愛が始まるでしょう。
今は闇雲に新しい出会いを求めるよりも、あなたの周囲にいる人達に焦点を当ててみてください。
しかし、今のあなたは「物語のような恋愛」を求め過ぎている節があるようです。
そういった憧れが強すぎると、心眼が曇って身近にいるパートナー候補に気付けなくなってしまいます。
自分のこだわりを重視しすぎるより、柔軟な視点を心がけましょう。
【片思いの人の場合】
相手はあなたの事を「知的で尊敬できる人」、もしくは「清楚で神秘性を持つ人」と思っているようです。
恋愛対象というよりは「頼れる人」とか「高嶺の花」という見方をしており、「自分なんかは相手にされない」と決めつけてしまっているかもしれません。
そのため、相手からのアプローチはあまり期待できそうにありません。
しかし、相手はあなたを高く評価しているので、あなたからのアプローチを嬉しく感じてくれるでしょう。
ただし、あなたの凄さや素晴らしさをアピールするのは逆効果です。
そうすると相手は余計にあなたとの遠さを思い知って、離れていってしまいます。
まず「高嶺の花ゆえの近寄りがたさ」を払拭するために、相手と共通点がある事を分かってもらいましょう。
相手の好きなものや趣味の話題から、アプローチしていくのがオススメです。
そしてあなたの「気さくさ」や「弱さ」、「人間味のある部分」を見せる事で、相手はあなたをより身近に感じてくれるはずです。
あなたのアプローチ次第で恋愛に発展する関係性なので、根気強く相手と向き合っていきましょう。
【両想いの人の場合】
2人とも自立しているので、情熱的な恋愛ではないかもしれません。
しかし互いを信頼し、精神的な繋がりをしっかり感じられる関係です。
理想的な大人の恋愛関係なので、周囲から羨ましがられる事も多いでしょう。
相手はあなたから学ぶものが多く、一緒にいると自分も精神的に成長できると思っているようです。
しかし「今すぐに結婚!」という風には考えていない様子。
相手は今、仕事や将来に向けての希望や夢などを考え、心境の変化が現れているかもしれません。
それでもあなたを「大事にしたい」という気持ちはきちんとあるので、大らかな気持ちで見守ってあげると良いでしょう。
逆に焦って「いつ結婚するの!?」と詰め寄っては、相手を追い込んでしまう事になるのでご注意を。
せっかく理想的な関係を築けている2人ですから、結婚にこだわらず、2人ならではの自由な生活スタイルを一緒に考えてみるのも良いでしょう。
逆位置の解釈例
【現在フリーの人の場合】
今は精神的に不安定になっているので我慢の時です。
仮に出会いがあっても、相手にヒステリックな面を見せてしまったりして、悪い印象を抱かれて終わってしまいそうです。
不安定になる時期は誰にでもありますし、自分を大切にしていれば必ず心は安定してきます。
今は焦らず自分磨きに時間を費やしましょう。
【片思いの人の場合】
相手はあなたに対して「悪い意味で近寄りがたい人」と、思っているようです。
焦りや不安から、疑い深い言動を取ったり、自分勝手な対応をしたりしていませんか?
気になる人に恋人がいないか執拗に探ってみたり、自分を良く見せようとして見栄を張ってみたり、自分勝手なアピールをしてみたり。
今は相手に好かれたいと思うあまり、冷静になれていないようです。
それゆえに相手からも悪い印象を抱かれ、「距離を取りたい」と思われてしまっているかもしれません。
現在の状況からは、恋愛の成就は困難と言えるでしょう。
一度自分の言動を振り返り、反省点を探してみてください。
そして、自分の好意を押し付けてばかりいるのではなく、相手の価値観や好きなもの、趣味などにも興味を持ってください。
まずは恋人のポジションより、仲の良い友達を目指しましょう。
今は焦らず、段階を踏んで関係を深めていく事が大切です。
【両想いの人の場合】
相手はあなたに対してストレスを感じているかもしれません。
あなたは将来が不安なためか、情緒不安定や疑心暗鬼になり気味のようです。
この頃、相手にどういう対応をしていますか?
ヒステリックになったり、口うるさくしたりして、相手を批判ばかりしていませんか?
そのような状態が続けば関係は悪化し、別れに繋がってしまいます。
もし心当たりがあるのなら、すぐに現状の改善をしましょう。
相手の言動に神経質になりすぎているのなら、それは心に余裕が無い事が原因かもしれません。
まずはあなた自身の機嫌を取ってあげてください。
心が明るくなれば、相手にも優しくできるようになります。
今は「早く結婚しなければ!」という焦りは忘れ、2人の関係を穏やかにする事を優先しましょう。
恋愛パターン② 復縁
復縁に関するタロット占いで「女教皇」が出た場合の、正位置と逆位置それぞれの解釈例です。
正位置の解釈例
相手からのアクションが何も無いのであれば、まだ冷却期間が必要のようです。
焦って連絡をしたくなる気持ちも分かりますが、あなたから連絡をしない方が良さそうです。
相手はまだ冷静になれていないので、下手に連絡してしまうと警戒心を持たれてしまいます。
今は自分を磨く期間だと割り切り、美容や勉強などに力を入れてみてください。
そうしておく事で有意義な時間を過ごせますし、魅力が増えたあなたに相手が再び恋をする可能性が高くなります。
そして魅力が増えても変わらずあなたが相手を想っている事が分かれば、相手も安心感を抱いてくれるはずです。
相手があなたとの関係に安らぎを見出せると、復縁の可能性はより高くなるでしょう。
逆位置の解釈例
復縁は困難です。
それでも復縁したいのであれば長期戦を覚悟しましょう。
そして、まずは「別れた原因」を考えてみてください。
別れた原因を相手に押し付けていませんか?
あなたにも原因があるのに「もう許してあげる」という高慢な態度では、相手から嫌われてしまいます。
自分の悪い所を直していなければ、復縁できたとしても同じ理由で破局してしまうかもしれません。
まずは謙虚な気持ちで自省し、きちんと謝罪しましょう。
あなたの誠実さや素直な気持ちが相手に伝われば、復縁の可能性は高まります。
また、あなたはなぜ復縁したいのでしょうか?
「依存心」から復縁を望んでいませんか?
ただ「寂しいから」「他に構ってくれる人がいないから」という理由で復縁を望むのは、相手に失礼です。
それは恋人ではなく都合の良い人ですし、あなたにとって都合が悪くなればお別れする事になるのではないでしょうか。
心当たりがあるのなら、とりあえず復縁願望は横に置いておきましょう。
そして、寂しさを感じないぐらい熱中できるものを探してみてください。
新しい趣味や、資格の勉強などを始めてみても良いでしょう。
そうすると新しい出会いが増え、自己肯定感も高くなってくるので、別れた人に対する気持ちにも変化が現れると思います。
それでも「この人以外考えられない」と思うのであれば、復縁に向けての行動を開始しましょう。
タロットカード「女教皇」の仕事に関する解釈
次は、仕事に関する「女教皇」のカードの解釈をしていきます。
正位置の解釈例
あなたの真面目さや冷静な判断力が、職場の人達や取引先から高く評価されていそうです。
仕事に関して以前から望んでいた事があれば、願いが叶いやすい時期です。
新しいプロジェクトのメンバーに選ばれたり、難しい商談が上手くまとまったりなど、嬉しい事が起こるかもしれません。
しかし油断は大敵。
努力を継続し、成功のための情報収集は抜かりなく行いましょう。
また、困った時は年上の女性から良いアドバイスがもらえそうです。
それは職場の人かもしれないし、全く関係の無い場所にいる人かもしれません。
「この人の話は役に立たないだろう」といった先入観は捨て、「自分と違う人生を歩んでいるのだから、他人から学べる事は多い」という姿勢で話に耳を傾けましょう。
就活中の人や転職を検討中の人は、表舞台に立つ仕事より、裏方のサポート役に徹する仕事がオススメです。
「地味で嫌だな~」と感じてしまうかもしれません。
しかし、誰かをサポートして教え導く仕事は、あなたをよりいっそう輝かせてくれますよ。
また、専門的な分野の資格を取得し、新しい方面にチャレンジしてみても良いでしょう。
逆位置の解釈例
情緒不安定なため、軽率な判断をしやすくなっています。
それによってミスをしてしまう事も、しばしばありそうです。
しかし、完璧主義にも拍車がかかっているので、どんなに些細なミスも許せず、自己嫌悪に陥ってしまいます。
そうすると、さらに判断力が鈍ってしまうので、ミスを連発して負のスパイラルから抜け出せない状態に。
仕事が思うように進まず「自分の努力不足」と、余計に自分を追い込んでしまいます。
必要以上のプレッシャーやストレスは、体調にも悪影響を及ぼすので、メリットは1つもありません。
「常に上手くいっている人などいない」と気楽に考え、ミスを受け入れる柔軟性を大切にしてください。
そして、まずは自分のメンタルを回復させる事を第一に考えましょう。
また、他人のミスも許せないので、周囲にもついつい冷たい態度を取ってしまいがちです。
「ヒステリックな人」というレッテルを貼られないように、優しい対応を心がけましょう。
就活中の人や転職を検討中の人は、準備不足が原因で中々職が決まらないかもしれません。
目標が高いわりに、知識や実力が足りていないようです。
もっとやるべき事は無いか、一度立ち止まって考えてみましょう。
女教皇のカードばかりがよく出る理由
これは「女教皇」のカードに限らないのですが、引くとやたら遭遇するカードがあり「意味深だなぁ」なんて思う事はありませんか?
その理由や原因について、順番にお話していきますね。
今の自分のテーマや課題になっている
今の自分に必要なメッセージだから、何度も同じカードを引いてしまうという事がありえます。
そして「今の自分へのメッセージ」ですから、その人の状況に応じてメッセージ性も変わってきます。
「女教皇」の場合は、
- 完璧主義になりすぎている
- 偏った思考になっている
- 知識を増やすと良い
特にこのような事が考えられます。
各メッセージの解釈例を挙げてみると、下の表のとおりです。
1のタイプ | 完璧主義になりすぎて、自分で自分の首を絞めてませんか?肩の力を抜いて、もっと楽に生きましょう |
2のタイプ | 偏った思考は判断力を鈍らせます。「あの意見は間違っている!」とか、「自分は絶対に正しい!」と決めつけるのは危険ですよ |
3のタイプ | 知識を増やすとあなたの魅力がアップします。直感に従って、何か新しい勉強を始めてみては? |
ここに挙げたのはあくまで解釈例なのですが、何か心当たりはありますか?
心当たりがあるのなら、「女教皇」からのアドバイスを意識して行動してみましょう。
もし心当たりが無いなら、
- 客観的に見た自分の現状や環境、本当の気持ちなどを分析する
- 補助カードを引く
この2つを試してみると良いでしょう。
きちんとシャッフルされていない
意外にも「シャッフル不足」が原因になる場合もあるんです。
プロの占い師に鑑定してもらうのならその心配は無いと思いますが、「占いを始めたばかりの自分が占います!」というのなら、シャッフル不足が起こり得ます。
シャッフルは質問を念じながら行います。
その時は質問に意識を集中しているため、他のところへの注意が疎かになりがちです。
例えば音楽を聴きながら勉強したり、テレビをつけながら読書をしたり、自分では「2つの事を同時にできている」と思っていても、「片方の作業能率が下がってしまった」なんて経験に心当たりはありませんか?
それと同じで、意識を質問に集中していると、きちんとシャッフルしているつもりでいても、上の方しか混ざっていないという事も起こります。
「きちんとシャッフル出来てるか不安」とお思いでしたら、カードの絵柄を表にしたままシャッフルの練習をしてみるのもおすすめです。
そうすればカードの流れが視認できるので、自分なりの力加減や混ぜ具合の調整ができるようになるでしょう。
時間をあけずに同じ質問で占った
本来は立て続けに同じ質問で占うことはオススメできないのですが、すごく気になる事や不安な事があれば、つい同じ質問で占ってしまう人もいると思います。
しかしカードからしてみれば、
「現状を変えてないのに同じ相談をされても、同じ事しか言えないなぁ」
という気持ちでしょう。
そうすればカードは「さっきと同じカード」か、「別のカードでも似たような意味のもの」を提示するしかありません。
仮にワンオラクルで引いたカードが全く同じであれば、それは確実に「今の自分に必要なメッセージ」です。
また、複数のカードを用いるスプレッドを行って、場所は違うけど同じカードが出ることもあると思います。
その場合もやはり「自分の悩みにおけるキーワードである」と解釈して良いでしょう。
そのカードの意味が気に入らなかったとしても、それは今のあなたに必要なメッセージです。
気に入らないから何度も占うのではなく、現状を変えるために行動を起こしましょう。
まとめ
今回は「大アルカナ2番・女教皇のカード」に関する意味や解釈例を、具体的な例をあげて紹介してきました。
冷静で聡明な「女教皇」は、緻密なバランス感覚を駆使してその地位にいます。
しかし、そんな完璧に見える「女教皇」でも、ひとたびバランスを崩してしまうと負の面が出てきます。
負の面は出ないに越したことはありませんが、逆に「欠点」や「弱点」を受け入れる強さを持つことで、もっと素敵な人間になれるかもしれません。
「バランスを保たなきゃ!」と常に緊張していると、とてもつまらないと思います。
「バランスが崩れても、また立て直す機会はあるさ」と大らかに考えていた方が、人生楽しそうですよね。
タロットカードの表向きの意味に囚われるのではなく、もっと深い所にどんなメッセージが隠されているのか想像するとリーディングの幅が広がります。
ご自身でリーディングする際にお役立てくださいね。