大アルカナで一番最初に登場する「0.愚者」のカード。
正位置では「自由」や「無限の可能性」、逆位置では「無謀」や「無気力」などの意味を持つカードです。
では、より具体的にどのような物語を持ち、どのような意味があるのか、今回は正位置&逆位置の基本的な意味やキーワードの紹介とともに、
- 恋愛の悩み別(相手の気持ち・恋愛の未来を知りたい時)の解釈例
- 仕事での解釈例
- 「愚者」のカードがよく出る理由
これらについて深掘りして紹介していきます。
タロット「愚者」の基本的な意味&キーワード
大アルカナカードは、22枚のカードで構成されています。
その一番最初に登場するのが「0番 愚者」のカードです。
大アルカナカードが、実は物語になっているのを御存知ですか?
冒険に出た愚者が色んな人達と出会い、様々な経験を経て理想の世界を創り上げる成長の物語。
これが大アルカナカードのお話です。
主人公の愚者は、まっさらで純粋。
そして自由な発想力を持つので、誰も思いつかないような方法で偉業を成し遂げてしまう無限の可能性を秘めています。
しかし純粋ゆえに、周囲からの影響で何色にでも染まってしまう危うさもあります。
状況次第で白にも黒にもなってしまう、トランプのジョーカーのようなカードと言えるでしょう。
では、より詳しい「愚者」の意味をキーワードで見てみましょう。
正位置の意味&キーワード
自由、無邪気、純粋、独創的、個性、天才、喜び、楽観的、天真爛漫、変化、好奇心、冒険、無限の可能性、柔軟な姿勢、直感で動く、才能の開花、始まり、積極的、型にはまらない
「愚者・正位置」では、「希望を胸に冒険へ旅立つ」というプラスのイメージです。
「住み慣れた土地で安定した生活をしたい」のが普通の人の考えですが、愚者は「もっと素晴らしい場所があるに違いない」という自由な発想で旅立ちます。
本当にあるか分からない楽園を探すなど、普通の人は「愚かだ」と思うでしょう。
しかし行動次第で愚者は無限の可能性を発揮できますから、不可能だって可能にしてしまうかもしれません。
良いスタートが切れるので、勇気を出して行動を起こすとポジティブな未来が近づいてきますよ。
逆位置の意味&キーワード
無謀、軽率、無鉄砲、逃亡、無計画、無責任、自分勝手、無気力、個性が無い、不安定、変わり者、火遊び、浮気、マンネリ、消極的、イライラ、挑戦しない、人目を気にする、準備不足、飽き性、熱しやすく冷めやすい
「正位置」でプラスに働いていたものが、「逆位置」ではマイナスに作用してしまいます。
例えば、「自由すぎて自分勝手に思われてしまう」とか、逆に「他人からの評価を気にし過ぎて自分らしさを出せていない」とかです。
また、「逆位置」になってしまうのは、「ネガティブな感情」が行動の動機になってしまっているのが原因かもしれません。
- 「正位置」→ もっと素晴らしい場所があるに違いない。探しに行こう!
- 「逆位置」→ こんな場所は嫌だ。逃げてしまおう!
動機の違いによって、印象が大分変わりますよね。
動機がポジティブかネガティブかは、モチベーションや結果にも影響を与えます。
しかし、この結果から学んで対策を打てば「正位置」に変わる可能性は十分にあります。
「逆位置」が「正位置」になるよう意識改革をしていきましょう。
タロット「愚者」恋愛の悩み別解釈例
では、ここからは恋愛の悩みに応じた「愚者」の解釈をしていきましょう。
恋愛の悩み① 相手の気持ち・恋愛の未来を知りたい
恋愛での相手の気持ち、恋愛の未来(行方)を知りたい時に「愚者」が出た場合の、正位置と逆位置それぞれの解釈例です。
正位置の解釈例
【現在フリーの人の場合】
新しい出会いがありそうです。
ビビッとくる人がいたら、思い切ってデートなどに誘ってみても良いでしょう。
勇気を出して積極的に行動すると、良い未来へ向かっていきますよ。
【片思いの人の場合】
相手はまだ、あなたを恋愛対象としては見ていないかもしれません。
しかし、一緒にいると自然体でのびのびとしていられるので、あなたと過ごす時間を心地よく思っていそう。
損得勘定抜きで、純粋にあなたといると楽しいようです。
今は恋愛対象として見ていなくても、相手はあなたに興味を抱いており「これからもっと知っていきたい」と感じています。
なので、あなたのアプローチ次第では、恋愛関係に発展する可能性は大きいでしょう。
しかし、相手は束縛される事を嫌うので、相手の行動を制限するようなアプローチはNG。
嫉妬や不安に駆られて相手のプライベートにやたら干渉するのは、逆効果です。
焦らずゆっくりステップアップしていくのが、オススメです。
そして、友達付き合いの延長のような、楽しさに重きを置いた恋愛関係を目指すと良いでしょう。
【両想いの人の場合】
現状維持が続きそう。
相手はあなたといると、ありのままの自分でいられるので気楽さを感じています。
気楽さを感じるがゆえに、結婚などの「責任が大きくなる次のステップ」へ進むのを躊躇ってしまうようです。
「少しずつ進んで行けば良いのだから、今を2人で楽しみたい」と、相手は思っているようです。
ここで「今すぐ結婚したい!」と無理強いしても、相手のプレッシャーになるだけです。
下手したら距離を置かれてしまうかもしれません。
その人との結婚を望んでいるなら、あなたも今を楽しむ事に専念するのはいかがでしょう?
将来を考えるのは少しお休みして、2人で今を楽しみましょう。
2人はまだまだ発展途上なので、これを機に自分達ならではの関係性を探してみるのも良いかもしれません。
楽しい時間を過ごす事で、2人でポジティブな未来へと進んで行けるでしょう。
逆位置の解釈例
【現在フリーの人の場合】
出会いがあっても、未来のあるお付き合いには発展しなさそうです。
出会った瞬間に惹かれ合っても、すぐに熱が冷めてしまうので長続きしません。
また、体だけの関係や不倫などになりやすい時期なので要注意です。
将来を見据えた出会いを望んでいるなら、今は下手に行動を起こさない方が良いでしょう。
【片思いの人の場合】
恋愛成就は難しそうです。
相手には既に好きな人がいたり、仕事やプライベートに夢中で自由を楽しみたい様子。
頑張ってアプローチをしても、眼中に入れてもらえなさそうです。
仮に恋愛関係に発展したとしても、その人はあなたを「都合の良い遊び相手」と思っているので、真面目なお付き合いにはならないでしょう。
「それでもいい」と割り切るのなら、相手は「あなた」より「自分の欲求」を優先させるかもしれないという事を、念頭に置いておきましょう。
【両想いの人の場合】
「正位置」と同じく現状維持の状態です。
しかし「逆位置」ではネガティブな要素が強くなります。
相手は「自由でいたい」「面倒な現実から逃げ出したい」といった気持ちから、将来の事は考えたくない様子です。
2人の間で解決しなくてはいけない問題はありませんか?
マンネリ、家族との相性が悪い、金銭面などなど、心当たりはありませんか?
相手は話し合いも面倒なので、のらりくらりとかわそうとするかもしれません。
しかしそれに振り回されないで、冷静に対応しましょう。
幸せな結婚を望むなら、事前に不安要素を無くして準備しておく事が大切です。
また、浮気をしている可能性もあるので、「怪しいな」と思ったら相手の身辺を探ってみても良いでしょう。
恋愛の悩み② 復縁したい
復縁できるかどうかを占う時に「愚者」が出た場合の、正位置と逆位置それぞれの解釈例です。
正位置の解釈例
もう一度、2人の関係をやり直すには良い時期です。
相手の今の状態は良くも悪くもフラットです。
あなたへの怒りや悪い印象も抱いていないので、復縁出来る可能性は高いです。
しかし復縁しても、すぐにまた別れてしまう可能性も高いです。
相手は別れてしまった事に対する「罪悪感」や「後悔」、「反省」といった気持ちを持っていないようです。
あなたと相手では「付き合う事に対する価値観」や「相手に求めるもの」、「相手への執着心」などが違っているのかもしれません。
相手が「よりを戻しても良い」と考えるのは、「また付き合い出したら、何か楽しい事は起こるかな?」といった好奇心によるものが大きいです。
なので、復縁しても相手が退屈を感じたり、飽きたりしたらそこで終わってしまいそうです。
あまり将来性のある関係を望めませんが、それでも「この人がいい」と思うのであれば、常に新鮮さを感じるための「マンネリ対策」は必須と言えるでしょう。
逆位置の解釈例
相手はあなたの事を「過去の人」と考えているので、復縁は難しいです。
既に相手には新しい好きな人や、夢中になれる趣味を見つけて楽しんでいるかもしれません。
ここで気を付けたいのが「なんとしてでも復縁したい!」と、あなたが無策に軽率な行動を取ってしまう事です。
相手はもう別れを乗り越えているので、あなたを恋愛対象から外してしまっています。
恋愛対象外の人から猛アピールされても、悪い印象を抱かれてしまう可能性が高いです。
もしくは「復縁」をうやむやにして、体だけの関係を求めてくるかもしれません。
あなたが本命に戻るには相当な時間と努力が必要ですし、場合によってはあなたが「浮気相手」になってしまう事も考えられます。
その人にこだわるより、別の良い人を探した方が未来は明るいでしょう。
恋愛での「相手の気持ち」や「復縁」を占う時の解釈例をもって見たい方は、次の記事もどうぞ。
解釈のポイントも詳しく紹介しています。
タロット「愚者」の仕事での解釈例
次は仕事に関する「愚者」のカードの解釈をしていきます。
正位置の解釈例
あなたの自由で斬新な発想に、高い評価をしてもらえそうです。
良いアイデアを思いついたら、ぜひそれを具体化してください。
そしてある程度形になったら、勇気を出して上司などに提案してみましょう。
また、新境地を開拓できる暗示もあります。
新しい仕事を任されたりしたら、悩まずに挑戦してみましょう。
あれこれ考えて停滞するよりも、今はどんどん行動を起こしていくとさらに新しいチャンスが舞い込んできます。
仕事とは関係の無い分野へのチャレンジもオススメです。
そこで知り合った人から、仕事に役立つ情報や、新しい目標となるような世界を教えてもらえそうです。
転職を検討中の人や就活中の人は、自由に働ける環境を求めましょう。
「大手だからこの会社」とか「就職できるならどこでもいい」という考えでの会社探しではなく、もっと自分の趣味や興味を重視してください。
思い切ってフリーランスになるのも視野に入れて良いでしょう。
自由な環境が、あなたの才能を開花させてくれますよ。
逆位置の解釈例
あなたの無鉄砲さや無責任さがトラブルを招いてしまいそうです。
行き当たりばったりな行動を避け、どんな仕事でも一つ一つ丁寧に取り組んでください。
「あの仕事は〇〇さんがやっておいてくれるはず」なんて楽観的に考えていても、願い通りにはなりません。
今の時期は「最悪の事態」を想定しながら行動した方が、トラブルを回避出来るでしょう。
また、今の職場環境が劣悪なら転職を考えても良いですが、今は「逃避願望」が強くなっているので、慎重な判断をしてください。
単に「仕事がつまらないから」とか「同期の人が昇進してムカつくから」とか、そういった理由で辞めるのはオススメ出来ません。
仮に転職しても、また同じ理由で退職する事になるでしょう。
そうすると「責任感が無い」とか「逃走癖がある」といったレッテルを貼られてしまいます。
退職をする前に、「今の職場の何が不満なのか?不満を解消するために自分で出来る事は無いか?」、この2つを考えてみましょう。
就活中の人は、ノリに任せた軽はずみな言動には注意です。
面接官などに、うっかり失礼な発言などをしてしまいそうです。
また、中々就職先が見つからずやる気を失くしてしまうかもしれません。
そんな時は無理をせず、もう一度「自分に合った道は何か?」を考え、作戦を練り直してみましょう。
仕事運、仕事での人間関係、転職など仕事に関して占う時の解釈例をもっと知りたい方は、こちらもどうぞ。
愚者のカードがよく出る理由
これは「愚者」のカードに限らないのですが、引くとやたら遭遇するカードがあり「意味深だなぁ」なんて思う事はありませんか?
その理由や原因について、順番にお話していきますね。
今の自分のテーマや課題になっている
今の自分に必要なメッセージだから、何度も同じカードを引いてしまう…という事がありえます。
そして「今の自分へのメッセージ」ですから、その人の状況に応じてメッセージ性も変わってきます。
「愚者」の場合は、
- 本当は自由に生きたいのに、自由が奪われている人
- 自由に生きるのがベストな人
- 常識やルールに囚われ過ぎている人
この3つのうちのどれかに当てはまっている事が多いです。
タイプ別に例を出してみると、下の表の通りです。
1のタイプ | やるべき事が多すぎて自分の好きな事を出来ていない自分の個性を否定されたのがトラウマで素の自分を出せないでいる |
2のタイプ | せっかく豊かな想像力があるのに、それを活かせる環境にいない型にはまった道より、自由な道の方が向いている |
3のタイプ | 常識に囚われすぎて、個性を失くしかけている頭が固くなっているから、もっと柔軟になるべき |
このようなアドバイスや警告を「愚者」は伝えようとしているのかもしれません。
どのタイプでも共通しているメッセージは「自分らしさを大切にしましょう」という事でしょうか。
心当たりがあるなら、改善方法を探してみましょう。
心当たりが無いなら、
- 客観的に見た自分の現状や環境、本当の気持ちなどを分析する
- 補助カードを引く
この2つを試してみると良いでしょう。
きちんとシャッフルされていない
意外にも「シャッフル不足」が原因になる場合もあるんです。
プロの占い師に鑑定してもらうのならその心配は無いと思いますが、「占いを始めたばかりの自分が占います!」というのなら、シャッフル不足が起こり得ます。
シャッフルは質問を念じながら行います。
その時は質問に意識を集中しているため、他のところへの注意が疎かになりがちです。
例えば音楽を聴きながら勉強したり、テレビをつけながら読書をしたり…
自分では「2つの事を同時にできている」と思っていても、「片方の作業能率が下がってしまった」なんて経験に心当たりはありませんか?
それと同じで意識を質問に集中していると、きちんとシャッフルしているつもりでいても、上の方しか混ざっていないという事も起こります。
「きちんとシャッフル出来てるか不安」とお思いでしたら、カードの絵柄を表にしたままシャッフルの練習をしてみてはいかがでしょうか?
そうすればカードの流れが視認できるので、自分なりの力加減や混ぜ具合の調整ができるようになるでしょう。
時間をあけずに同じ質問で占った
本来は立て続けに同じ質問で占うことはオススメできないのですが、すごく気になる事や不安な事があれば、つい同じ質問で占ってしまう人もいると思います。
しかしカードからしてみれば、
「現状を変えてないのに同じ相談をされても、同じ事しか言えないなぁ」
という気持ちでしょう。
そうすればカードは「さっきと同じカード」か、「別のカードでも似たような意味のもの」を提示するしかありません。
仮にワンオラクルで引いたカードが全く同じであれば、それは確実に「今の自分に必要なメッセージ」です。
また、複数のカードを用いるスプレッドを行って、場所は違うけど同じカードが出ることもあると思います。
その場合もやはり「自分の悩みにおけるキーワードである」と解釈して良いでしょう。
そのカードの意味が気に入らなかったとしても、それは今のあなたに必要なメッセージです。
気に入らないから何度も占うのではなく、現状を変えるために行動を起こしましょう。
まとめ
今回は「大アルカナ0番・愚者のカード」に関するお話でした。
他者とは違う発想力や個性を持っていたがゆえに、「愚か者」や「変人」呼ばわりされていた歴史上の人物は多くいます。
その中でも独特なところを武器にして偉業を成し遂げた人もいますし、逆に悪名を轟かせた人もいます。
「薬にするか毒にするかはその人次第」というメッセージも「愚者」のカードは含んでいるように感じますよね。
もし「薬にするにはどうしたら良いか?」で悩んだら、タロットカードに聞いてみましょう。
きっと良いアドバイスをくれるでしょう。