ウエイト版タロットカードの「ソードの9」には、悪夢に目を覚ましたのか、悲しみのあまり眠れないのか、顔を覆うほど苦悩している女性が描かれています。
背景は黒で、9本のソードがまっすぐ横に並んでいます。
精神的に追い詰められ、闇の中で動けなくなっている心境でしょう。
しかし、彼女のベッドは豪華で掛布も色とりどりの刺繍が施されています。
周囲の状況的には危険はなく、彼女が悲観するほど悪い環境ではなさそうです。
目を覆っているので、周りが見えていないだけかもしれません。
危険がないと分かっていても、自分の「罪悪感」に閉じ込められているようにも見えるカードです。
「仕事のことを占ったら、このソード9が出た。解釈を深く知りたい」
今回はそういう方に向けて、まずソード9の基本的な意味やキーワードを紹介した後に、仕事での人間関係、転職や仕事運など仕事について占う場合の解釈例を詳しく紹介していきます。
ソード9の意味やキーワードを飛ばして、解釈例から見たい人はこちら↓から先にどうぞ。
では、詳しく見ていきましょう。
タロット「ソード9」の基本的な意味&キーワード
ソードのカードは14枚あり、その内の1から10までのカードは物語になっていると言われています。
物語の内容を大ざっぱに言ってしまえば「とある青年の一生」です。
青年はソードの8で孤立し、助けの得られない状態で耐え忍んでいましたが、不自由なのは他でもない自分の思い込みだと気が付き、勇気を出して歩き始めました。
ソードの9では思い込みからは脱しましたが、やはり過去の苦悶から逃れられません。
豪華なベッドに象徴される安心できる場所でも、悪夢にうなされるのです。
今までにたくさんソードを得てきましたが、その情報や言葉たちが集まれば集まるほど、不安と恐怖に襲われるようになってしまったのでした。
「9」という数字は、「到達」を表す数字でもあり、完成が近いからこそ「得たものを失うかもしれない」という不安にかられるのでしょう。
青年は現実と向き合い、過去の苦しみを捨て、今ある幸せに気が付くことが必要なのです。
では、より詳しい「ソード9」の意味をキーワードで見てみましょう。
正位置の意味&キーワード
ソード9の正位置は絶望し、行き詰っている様子を表します。
頭を抱え、眠れないほど、悩みや悲しみに襲われているのでしょう。
悪夢で起きてしまったのかもしれません。
過去の罪悪感に苛まれ、長い夜を過ごします。
しかし、身の回りに敵はいませんし、豪華なベッドで寝ていることから、それほどの危機的状況ではないのでしょう。
正体がわからないので「不安」が強くなります。
逆位置の意味&キーワード
逆位置では、眠れなかった長い夜から徐々に気持ちが回復していきます。
行き詰っていた状況に光が差し込んだように感じるでしょう。
精神的に落ち着いたことで、考えも整理され、無駄に不安にかられることもなくなりました。
しかし、現実に向き合えないと打開策は見えてきません。
あくまでも自分の気持ちが苦悶から脱したのであって、現実の出来事を解決するのは自分なのです。
「仕事」について占う時の「ソード9」解釈例
次は、仕事の事を占う時に「ソード9」が出た場合の解釈例を、
- 仕事運
- 職場での人間関係
- 転職
について、正位置と逆位置それぞれ見ていきましょう。
正位置の解釈例
仕事運とアドバイス
緊張感が抜けなくて心身ともにつらい時期でしょう。
以前のミスや企画倒れになってしまった案件、もしくは意見の食い違いでチームから外されてしまったなど、悔やんでいることがあるのかもしれません。
夢でも仕事をしていて責められて、はっと目が覚めるようなことも…。
つらかった出来事が頭から離れてくれないのですね。
でもそれらは過去のことです。
思い出しては立ち止まる、次のチャレンジができないのは、悩みすぎかもしれませんよ。
周りの人たちはそんなに覚えてはいません。
謝罪や次の案件の仕事にとりかかるなど、やるべきことをやっているのなら、これ以上自分を責めなくて大丈夫ですよ。
【ここが解釈のポイント】
ソードの9に描かれた女性は顔を覆って苦悩しています。
眠れないのか、悪夢で目覚めてしまったのか。
穏やかな睡眠がとれないということは、かなり追い詰められている心境のようです。
心身ともに疲労も蓄積し、鬱状態になってしまっているかもしれません。
黒い背景からも心身のつらさが深刻で長引いていることがわかります。
ただ、ベッドや寝具を見ると豊かな感じがしますので、客観的な状況としては危険はなさそうです。
顔を上げれば、思ったほど最悪な状況でないことが分かると思います。
問題は周りの状況がどうかというより、自分の中で悶々とした状況から抜け出せないことなのです。
心身の回復をまず第一に、それから「状況は悪くない」ことを知るよう伝えます。
職場での人間関係
会社の人との会話の中や噂話などに傷ついたようです。
「そんなふうに思われていたんだ」と気が付き、ショックを受けたのでしょう。
逆にあなたが周りの人に対して辛辣な意見を言って、「冷たい」と思われている可能性もあります。
言葉というものは口から出てしまうと、取り消せないもの。
いつまでも耳に残って、つらくなりますね。
元気な時なら聞き流せても、ちょっと弱っている時だとなおさらです。
まずは少し噂話などから離れてお休みをとったり、定時で帰ってゆっくりしてください。
少し回復したら、気になっている言葉の真意を確かめてみましょう。
「そんなつもりで言ったわけではない」「聞き間違いだった」「自分も悪かった」など色々気が付くことがありそうですよ。
あなたも相手に対して心無い言葉を投げてないか気を付けてください。
【ここが解釈のポイント】
カードの黒い背景には鋭い剣先のソードがたくさん描かれています。
ソードの表す会話や情報などの言葉により、精神的に参っている様子です。
実際の情報の中身は「悪いもの」ではないのかもしれませんが、相談者は心身ともに弱っている状態なので、必要以上に気に病んでいるようです。
立ち直れず顔を覆ったまま、眠れない夜を過ごしています。
まずは心身ともに回復を心がけてもらいます。
元気になれば、「思い過ごしだった」「悪気はなかった」「きつい言い方されたけど私もしちゃっているかも」と客観的な判断ができるようになるでしょう。
転職
誰でも転職については悩むことと思います。
ただ、建設的な悩みか漠然とした不安なのかは分けるべきでしょう。
きっとあなたは後悔したくないのだと思います。
転職してから「こんなことなら転職なんてしなければよかった」と思いたくないのでしょう。
自分で情報を集めてみたものの、かえって何がいいのか、どれが最善の道か迷ってしまったのですね。
失敗が怖いのであれば、今はいったん転職活動をストップして、休息にあててはいかがでしょうか。
悩みすぎて眠れないほど、自分を追い詰める必要はありません。
時期が来て「どうしても転職したくなった」「転職せざるを得なくなった」のであれば、動き出せるはずです。
【ここが解釈のポイント】
カードの背景は黒く、相談者が苦悶していることがわかります。
顔を覆って周りを見ようとしないことから、建設的に考えることができない状態なのでしょう。
心身ともに疲労が強いようです。
今はあれこれ悩みが浮かんできて、転職するにしても情報を整理できません。
ですが、相談者の苦痛が強い精神的に良くない職場であるなら、退職・転職も考
えた方がよいでしょう。
まずは休息をすすめて、心身の回復につとめてもらいます。
単に先々が心配というだけであるなら、回復してから考えても遅くはありません。
逆位置の解釈例
仕事運とアドバイス
にっちもさっちもいかないと思っていた状況から改善の兆しが見えてきました。
上手くいかないチームから別のチームへ異動したり、クレームの多い仕事相手が態度を軟化してきたり、会社の業績が上がって臨時ボーナスが出るなど。
実はそんなに大きな変化はないのかもしれません。
変化したのはあなたの精神的な部分なのです。
心配ばかりしてネガティブにしか考えられなかった時期を脱して、今ある幸せに気が付いたという感じです。
ここからはやりたいことが見えてきたり、仕事の進め方や方針が定まるでしょう。
過去の失敗や損失は乗り越えることができたようですね。
【ここが解釈のポイント】
逆位置ですので、正位置の「苦悩」の状況から抜け出そうとしています。
心身ともに回復し、物事を健全に考えられるようになったのでしょう。
「いいことが起きた」ように感じるかもしれませんが、見る目が変わって「よい方にとらえる」ことができるようになったとも言えます。
失敗が不安で進められなかった仕事も、計画がたてられて先が見えてきました。
過去の失敗などを人や周りのせいにせず、客観的に振り返ることができたので乗り越えられたのでしょう。
もしまだよい方へ変化を感じられないのであれば、自分の精神的な弱さと向き合うことが必要です。
職場での人間関係
ちょっと前までは人間関係で悩んでいたことと思います。
きついことを言われたり、自分の言葉を誤解されたりとつらいこともあったでしょう。
今後はこじれていた関係が解決しそうです。
苦手な人とも話してみてください。
「嫌われていたわけではなかった」ことがわかったり「案外気が合う人だった」なんてことも。
どうしても合わない人とは縁が切れる(異動や転職などで)こともあるでしょう。
今までのトラブルは水に流す、そもそも相手が気にもしていなかったというパターンもありそうです。
いずれにしても、仕事に支障をきたすほど人間関係で悩むことはなくなりそうですよ。
【ここが解釈のポイント】
言葉やコミュニケーションを表すソードの影響を受け、人間関係にも悩んでいました。
逆位置なので、その悩みから解放されていきそうです。
相談者のメンタルが回復し、何らかのアクションを起こせるようになったことで、よい方向へ向かうようです。
ソードのカードですので、感情的にならず冷静に、トラブルの原因を考えることが必要です。
友達のような仲の良さというより、仕事をする上でスムーズな関係を期待することです。
転職
「成績の悪い人に引きずられて損をしている」「自分ばっかり面倒な仕事を押し付けられている」「あの仕事が失敗したのは私のせいじゃない」など被害を受けている気持ちがあるようです。
確かに上手くいかない状況が続いていたので、この会社に、この仕事に希望が無くなってしまったのですね。
ここで逃げずに問題に向き合ってみてはいかがでしょうか。
自分に対する客観的な評価はどうか、他の人はあなたができないことをやってくれているのではないか、プロジェクトの失敗の原因は何だったのかなど、掘り下げてみましょう。
「今すぐ怒り任せに出ていくほどでもないかな」と思えてきませんか?
自分の思考がぐるぐるしすぎてストレスになっている部分もあります。
問題に向き合った後は、イライラが落ち着いて、気持ちが整理されていきますよ。
転職を考えるのはそれからでも大丈夫です。
【ここが解釈のポイント】
逆位置ですので、暗く落ち込んでいた状態から回復し、上向きになっていきます。
明るい未来に向けて転職を考えているのならよいのですが、不満がたまっていそうです。
精神的に苦悩していた日々から回復したので、今度は不満の矛先が周りに向いたのかもしれません。
不満の原因を冷静に分析してみることで、転職が最適な答えなのか分かってくると思います。
目標やそこにいたるまでの計画がきちんと見えてきたら、転職に向けて動き出してもよいでしょう。
不満だけを理由に退職してしまうと、失敗する可能性が高くなります。
まとめ
今回は「ソード9」の「仕事」を占う時の解釈に関するお話でした。
あなたの悩みに参考になるアドバイスはありましたか?
「ソード9」には、「ベッドの上で嘆き苦しむ女性」が描かれています。
背景は黒く、全く光がありません。
精神的に追い詰められ、何も希望を見いだせないでいるようです。
絶望を感じるカードですが、女性はきちんとした寝衣を着ており、豪華なベッドに色とりどりの掛物…身の回りに危険はなさそうです。
彼女は自分の作り出した不安に絶望しているのです。
明けない夜はありません。
自分の不安に打ち勝ち、顔を上げることができるはずです。
あなたが次のステップに進むためのきっかけになりますように。