悪魔に捕らえられ、鎖につながれた男女が描かれている『悪魔』のカード。
アダムとイブが誘惑に負けた(禁断の実を食べてしまった)あとの姿ともいわれています。
悪魔に捕らえられているというのに、この男女はどこかのんびりした表情。
この悪魔の支配する世界から逃げる気もなくなってしまったのでしょうか?
危機的状況なのに、緊迫感が感じられない面白いカードですよね。
仕事の悩みを占ったときに、「悪魔」のカードが出たら何を意味するのでしょうか?
今回は、「悪魔」の仕事での基本的な意味、人間関係や転職・適職などを占う時の解釈例や解釈のポイントについて詳しく紹介していきます。
「悪魔」カードの仕事での意味
正位置の場合の意味・キーワード
快楽に溺れる/依存/だらしなさ/不正/誘惑/執着/怠惰/抜け出せない
「悪魔」は正位置で出ると、欲望に支配され、停滞してしまっている状況を表します。
逆位置の場合の意味・キーワード
快楽主義/我に返る/悪循環を断ち切る/前向きになる/不本意な状況から抜け出す
逆位置になると、正位置の「欲望」から抜け出し、しっかりと自分を見つめなおして軌道修正していくことになります。
【仕事】に関する相談内容別の解釈例
ここからは、仕事に関する相談内容の中でも、特に多い次の4つについて、「解釈例」と「解釈のポイント」を解説していきます。
- 転職
- 適職
- 仕事の成果
- 仕事での人間関係
では、順番に見ていきましょう。
「転職」について占う時の解釈例
「転職して失敗したくない」「転職してキャリアアップしたい」など、転職については迷ってしまいますよね。
「今は転職をどう考える時期なのか」を占う時の解釈例と解釈のポイントを見ていきます。
正位置の場合
転職を考えた理由は何だったのでしょうか?
「もっとお給料がよいとこならどこでもいい」「楽したい」など、本来の仕事への意欲とは別の欲望に負けていませんか?
「何が得なのか?」と損得ばかり気になって、自分に合った転職先を探す目が曇っているようです。
また、今は退職を申し出ても、簡単には認めてもらえない可能性が高いです。
今の時期は、転職の情報集めや自分自身が本当にやりたいことを考える時ととらえた方がよいでしょう。
【ここが解釈のポイント!】
「悪魔」のカードは人の「欲望」を表します。
目先の欲ばかり追って、大事なことが見えていない時期でしょう。
また、鎖でつながれた男女のように何かに「縛られている」「抜け出せない」状況でもあります。
自分自身も「抜け出せない状況に甘んじている」とも言えますので、正しい決断(転職)ができるとは言い難いと判断します。
逆位置の場合
今の職場では成長が見込めない、自分を活かせてないと思っていたようです。
そろそろこの場から「脱出」しようとしていますね。
脱出するためのチャンスが、めぐってきそうですよ。
スカウトされる、先に転職した人に誘われる、希望の職場に空きが出たなど、あなたをきちんと評価してくれる職場が見つかりそうです。
転職先を探すときは、今までの職場選びで失敗した点を忘れずに。
「また同じような職場を選んでしまった」のでは転職した意味がありません。
【ここが解釈のポイント!】
逆位置では「不本意ながらも状況に甘んじていた」自分を脱しようとします。
自ら「解放」を選び、停滞していた状況が動き出します。
ただし悪いものから完全に抜け出すのは難しいもの。
せっかくチャンスが来ても、うっかり似たようなものを選んでしまいがちです。
意識してよいものを選ぶようアドバイスします。
「今の仕事が適職か」を占う時の解釈例
「今の仕事は向いてないように思えてきた」「このままこの仕事続けていていいのかな」
この仕事に自分は向いているのか、一度は悩まれたことがあるのではないでしょうか?
「今の仕事が適職かどうか」を占う時の解釈例と解釈のポイントです。
正位置の場合
今の仕事は淡々と繰り返しているだけ、もしくはワーカホリックになっているようです。
どちらにしても今の状態を「続けてしまっている」みたいですね。
自分にとっては「当たり前」になりすぎていることも、客観的にみると「どこかおかしい」感じがします。
やりがいを感じているとは言い難いので、自分に合った仕事とは何か?を一度じっくり考えてみるとよいでしょう。
【ここが解釈のポイント!】
悪魔にとらわれた2人の男女は、角も尻尾も生えており、表情にも恐怖がありません。
すでに悪魔と一体化してしまっています。
異常な環境であってもそれを「おかしい」「変えよう」とは思いつかないのです。
ある意味「中毒」的になっているのかもしれません。
自分と環境を冷静に振り返って、身も心も健康的な生活に戻ることを意識すべきと解釈します。
逆位置の場合
今の仕事には、行き詰まりを感じているのではありませんか。
サービス残業が多い、業績を認められないなど不当な扱いを受けていた人もいるでしょう。
もうここの場では、あなたが生き生きと働けることはなさそうです。
「そろそろ出るときかな」とあなたも心が決まってきます。
退職や異動の希望も通りそうな気配です。
自分に適した職場、業務を探してみましょう。
【ここが解釈のポイント!】
逆位置なので、「呪縛」から「解放」へ向かいます。
仕事内容が適職かどうかというより、環境が不健全で、しかも抜けることが出来なかったようです。
今の状況が「健全でない」ことに気が付いたので、これを機に抜け出して、新たな可能性を探すことをすすめます。
「適職は何か」を占う時の解釈例
自分の適職は何かを占う場合、大アルカナ22枚・正位置のみで占います。
「どんな職業が自分に向いているのか悩んでいます。参考にしたいので適職を教えてください。」
といったように「適職が何か」を占う場合の解釈例と解釈のポイントを見てみましょう。
解釈例
① 接客業
水商売のような華やかな業界が向いています。
異性から見て魅力的なあなたは、指名の多い人気スタッフになることでしょう。
② 占い師
不思議なカリスマ性のあるあなた。
いつの間にかあなたの話に引き込まれてしまうリピーターもたくさんできそうです。
お客さんは話すこともためらわれるドロドロした感情も受け止めてもらえたと感じるようです。
③ アミューズメント業界
ゲームや映画、カラオケ、テーマパークなど「楽しさ」を提供する業界は向いているでしょう。
【ここが解釈のポイント!】
①、②、③とも「一時的な欲望」を満たす業界とも言えます。
適度な「快楽」は生活の潤いですが、相手の欲望も自分の欲望もコントロールが必要というところは共通です。
①性的な魅力も意味する「悪魔」のカード。
魅力に取りつかれた固定ファンがつきそうです。
②「欲望」を表すカードで、占いの場ではその「欲望」が吐き出されます。
「欲望」をよく知っているので、飲み込まれず受け止め、できるだけ健全なアドバイスをすることができるでしょう。
③「悪魔」のカードは「快楽」も意味します。
皆が楽しめるアミューズメント業界は「快楽」を提供しますので、親和性が高い業界でしょう。
「仕事の成果」を占う時の解釈例
あなたの仕事は、がんばりに見合う結果が出ていますか?
ここでは現在の仕事で「現実的な成果をあげられているのか」を占う時の解釈例と解釈のポイントを見ていきます。
正位置の場合
分かりやすく胸を張れるような成果を手にすることは出来なかったようです。
成果をライバルに奪われた、逆に奪う形になってしまったなど後味の悪い感じです。
表面的にはうまくいっているように見えても、ごまかしている事情があったり、金銭的な不正も考えられます。
「見て見ぬふり」の誘惑には負けないことです。
自分は正しいやり方をしていると言えるように今の仕事に取り組んでください。
【ここが解釈のポイント!】
すでに悪魔に身も心も奪われた男女は「誘惑に負けた」状態です。
そしてその状況に甘んじているのです。
良くないことと分かっていても、怠惰なめんどくさい気持ちが勝ってしまっています。
それはさらなるトラブルの火種になりますので、誘惑に負けないようアドバイスします。
逆位置の場合
やっと悪循環から抜け出せて成果が出始めた頃でしょう。
仕事が進まない、成果が出ない状況の原因が取り除かれたようです。
あなたの努力を正当に評価してくれる上司が現れたり、よいポジションを与えられたりとラッキーなことも起こる時期です。
あなた自身も計画を見直し、改善を目指しましょう。
【ここが解釈のポイント!】
「惰性」のような進歩しない時期が過ぎ、状況が好転し始めたと読みます。
進行を阻んでいた障害が取り除かれ、「解放」に向かいます。
正位置の状態に戻らないよう、気を引き締めることも大切です。
「仕事での人間関係」を占う時の解釈例
職場の人間関係は仕事のパフォーマンスにも影響しますよね。
人間関係の悩みについて『塔』のカードは、どんなアドバイスをくれるでしょうか。
「仕事での人間関係」を占う時の解釈例と解釈のポイントです。
正位置の場合
落ち着ける人間関係ではなさそうです。
表裏のある人に利用されていたり、無理に仕事を押し付けられたりしていませんか。
あなた自身も「損得」で相手と付き合ったりしていませんか。
お互いどこか利用しあっている、いつでも敵になりそうな気配です。
職場の中で誰かを味方につけようとしたり、口の悪い人と一緒になって悪口を言うのは止めましょう。
相談は職場外でするようにしてください。
付き合ってよい人(信頼できる人)かそうでないのかを見極める勉強の時期なのでしょう。
【ここが解釈のポイント!】
悪口や意地悪などは「快楽」でもあります。
黒い背景、鎖につながれた人間は「状況に甘んじている」ことを表します。
悪口を言ったり、利用しあったりする人たちがいる環境なのでしょう。
またこの悪魔と悪魔になりかけた人間の姿は、相談者自身の姿でもあります。
その環境に染まらないよう注意を促します。
逆位置の場合
今までの苦しい人間関係についての悩みは徐々に解決されそうです。
何かと嫌味な人が異動になったり、場の空気を乱す人が退職したりと職場の人員が入れ替わるような雰囲気です。
あなたも視界が開け、仕事がやりやすくなったと感じることでしょう。
新鮮な気分で新たな人間関係を築いていけますよ。
【ここが解釈のポイント!】
人の「欲望」が渦巻いていた環境が徐々に「改善」されていきます。
逆位置なので、悪循環が断ち切られ、新しい風が入ってきそうです。
これからは「健全な状態」が期待できます。
まとめ
「何か悪いことが起きそう」と不安がられてしまう『悪魔』のカード。
よく見ると「悪魔」はそれほど怖い顔でもないですし、翼も白色です。
白はニュートラルな色、悪意はないのかもしれません。
他のカードもそうですが、『悪魔』のカードは「良い」「悪い」の2択ではありません。
正位置で出たときは、「快楽」「欲望」など人間の本能を示しています。
それ自体は悪いことでもありませんし、活力にもなるものです。
ただコントロールが必要、自制心が試されていると言ってよいでしょう。
逆位置で出たときは、正位置の「欲望」にどっぷり漬かって、誘惑に負けている状態から抜け出そうとします。
我に返って「これではいけない」と自分に打ち勝とうとするのです。
『悪魔』はあなたの心の中に住んでいるのかもしれませんよ。
参考になるアドバイスがあれば、ぜひ心に留めておいてくださいね。