人生を歩んでいくうえで常に付きまとうのが「選択」です。ある意味行動のすべてが選択の連続でできているといっても過言ではありません。
そのうえで「AとBどちらにしよう?」と悩むことも多いと思います。
小さなころであれば「どちらにしようかな?天の神様の言う通り(地域によって変わりますが)」など節をつけながら決めたこともあったのではないでしょうか?
- AとBどちらの商品を買おうかな?
- A社とB社どちらの会社にお願いしようかな?
- 気になった場所に行くべきか行かざるべきか?
- 転職するか、しないか
など「二つのことで、どちらにしようか迷っているとき」に適しているのが「二者択一」スプレッドです。
今回は、その「二者択一」スプレッドの意味・読み方・解釈について徹底解説していきます。
「二者択一」とはどんな意味のスプレッド?
「二者択一」スプレッドは「AとBの二つの選択肢のうちどちらを選ぼうか」と悩んだ時に、それぞれを選んだ場合の「途中経過」や「結果」といったものを示してくれるものです。
ただ注意点として「A・Bどちらが良いか」といった良い悪いを示すものではありません。
それぞれを選んだ場合に「相談者がどう感じ、どういった行動が起こりやすいか」といったことを表す「最終的な決め手に欠ける場合の補足的な情報を得るため」のスプレッドと言えるでしょう。
このスプレッドを使用する上で大切なのは、
「相談者が望んでいる未来がどういったもので、その未来に対してそれぞれの選択肢がどういった影響を及ぼすか」
「その選択肢はどういう目的で選ぶのか」
そういった「選択した先のゴール地点」をしっかり持っておくことです。
例えば、
「生活も安定していているのだけれど、もう少し違う仕事をして自分を成長させたい」
といった「目的」を設定したうえで、
「今の会社にとどまるか、違う会社に転職するか」
といった相談内容で占う形です。
表れた結果や読み解いた先に、相談者の望む未来と合致していないと感じたら、「どちらも選ばない」という選択も可能です。
あくまで「相談者自身が最終的な決断をするための助け」となるものです。
どんな質問に適している?
恋愛でも仕事でも家庭のことでも、「A・Bどちらにしようか」という選択を決めたいときに適したスプレッドです。
- 恋愛であれば「彼に会いに行くか行かないか」
- 仕事であれば「転職するかしないか」
- 家庭であれば「肉じゃがとカレーどっちにするか」
など、人生の岐路に関することから生活のありふれたことまで、「選択肢があって決めきれない」といった場合に適しています。
単純な良い悪いではなく、「その先にどういった未来があれば良いか、そのためにどちらを選ぶか」という判断材料の一つとして使用することが好ましいでしょう。
ちなみに、選択肢を追加することも可能です。
ただし、あまり増やし過ぎると混乱もするので3~5択までにしておきましょう。
「二者択一」スプレッドの読み方&展開方法
「二者択一」スプレッドを展開するうえで押さえておきたいことが、次の3つです。
- 相談内容の当事者は誰か(占う人は誰か)
- それぞれの選択肢が何か(わからなくなりそうであれば紙に書いて置いてもよい)
- 相談内容に対して、どちらの選択をとったとしても相談者が望む未来は何か
この3つを明確にしたうえで、相談内容のテーマを占っていきましょう。
展開順は、展開図の番号の順番に①~⑤まで配置していきましょう。
⑥は結果を伝えた上で、どちらを選ぶかの判断基準の材料がもう少し欲しいと思った時に展開してください(展開場所は①~⑤の展開の外側でも構いません)。
使用するカードは、大アルカナだけでもフルデッキでも、どちらでもOKです。
配置場所の意味
スプレッドには、配置されたカードそれぞれが表している意味があり、次の通りです。
① 現在の状態
相談内容について、問題そのものや、相談者が現在置かれている状況
② 選択肢Aの未来
選択肢Aを選んだ場合に途中経過として起こりそうな事
③ 選択肢Bの未来
選択肢Bを選んだ場合に途中経過として起こりそうな事
④ 選択肢Aの結論
選択肢Aを選んだ場合の最終的な結果
⑤ 選択肢Bの結論
選択肢Bを選んだ場合の最終的な結果
⑥ アドバイス
選択するうえで基準にしたいポイント・視点
読み方・解釈の流れ
読み方、解釈する時の流れのポイントを順に紹介します。
- まず現状を確認する
相談者や相談内容の当事者が現在、相談内容に対してどういう状態であるか、どういった姿勢でいるのか、どういう思いでいるのかというのを確認していきます。
- ②と③のそれぞれの選択肢の途中経過を読む。
②と③は選択肢ごとの途中に起こる出来事や感想、感情などを表しています。
④と⑤で表す結果に対して、影響する事柄ととらえます。
- ④と⑤から、それぞれの選択肢の未来のイメージを読む。
選択肢A・Bを見て「暖かそう」とか「重そう」とかの感覚を確認していく。
- 大アルカナ・小アルカナ
- 数字の大小
- 色から感じること
などから体感覚やインスピレーションとして大きな差があるのかないのかを確認します。
大きく差を感じる場合は、選択を慎重に。
そこまで差がない場合は、慎重にならなくても大丈夫、ともいえます。
感覚的な差を確認したら、なぜそう思ったのかについて、それぞれのカードを読んでいきましょう。
- それぞれのイメージがつかめたら、選択肢ごとの経過を確認し比較していくとよいでしょう。
選択しようとしたときにもう少し判断基準が欲しいと思ったり、読み解くうえでの基準がわかりにくいと感じたときは、⑥枚目を展開してみるのも良いでしょう。
⑥枚目は「どういった基準で判断したいのか」「どういった心持ちで判断したいのか」についてを表しています。
「二者択一」スプレッドを読む上での注意点
これまでにも何度も述べてはいますが「二者択一」は、「良い・悪い」を示しているものではありません。
あくまでも「Aを選ぶとこんな感じになります」「Bを選ぶとこんな感じになります」といった提案です。
出てきた結果によって「Aにしよう」「Bにしよう」「もしかしたら別の選択肢があるのでは?」「もしかしたら今はその時ではないのかもしれない」など、必ずしもどちらかを選ばなくてはいけないというわけではありません。
相談者が望む未来や目的に一番早く、あるいは一番良い影響として表れるのかを、占いの中で見つけていくためのスプレッドであることに注意してください。
「二者択一」スプレッドの解釈例
今回は、
「明日ちょっと遠出するけど、ワンピースとパンツスタイルどっちにしようかな?」
というテーマで占ってみた解釈例を紹介していきます。
展開されたカード
- 現状:ペンタクルスの9
- 選択肢Aの未来:カップのA逆
- 選択肢Bの未来:星
- 選択肢Aの結果:カップのペイジ逆
- 選択肢Bの結果:ワンドのA逆
- アドバイス:カップの9
解釈例
- まず現状を確認する
現状を表す位置に「達成・ゆとり」などを表す「ペンタクルスの9」が来ています。
「服をどうするか」という内容なので、そこまで切羽詰まっているわけではない感じですね。
しいて言えば「ペンタクルスの9」の女性の雰囲気から「少しおしゃれでありたい」という気持ちでいるのかもしれません。
- それぞれの途中経過を見る
②の選択肢Aが「カップA」で「感情や愛情のともなったスタート・美しさ・歓喜」といった意味合いです。
ワンピースという「ペンタクルスの9」から受けた「少しおしゃれでありたい」という気持ちに近いように受けますが、逆位置となっていて「少し気にかかっていることがあって踏ん切りがつかない・スタートが切れない」ととれます。
③の選択肢Bが「星」で「希望・しるべ・ひらめき」といった意味です。
パンツスタイルにすることで「何か思いつくことや、このアレンジにしても良いかも?」といった「ひらめき」があるのかもしれません。
- 結果を比較してみる
④選択肢Aが「カップのペイジ」の逆位置で、⑤選択肢Bが「ワンドのA」の逆位置です。
コートカードとAカードなので、小アルカナの中ではどちらも強めの意味を持ちますが、どちらも逆位置です。
それほど差はないですが「しいて言うならAカードかな?」ぐらいの差です。
④の選択肢Aの結果として「愛嬌やユニークさ」を表す「カップのペイジ」が逆位置として出ていて、「ありきたり」と思ってしまうのかもしれません。
⑤の選択肢Bは「やる気・はじまり・創造」を表す「ワンドのA」が逆位置で出ています。
服選びに対して「やる気をうしなう」「なげやりになる」といった感じを受けます。
- それぞれの選択肢をのカードをまとめる
これまでに読み解いた意味をまとめると、
- ワンピースは何か気にかかることがあり、それゆえにありきたりと感じてしまう。
- パンツスタイルは天気や動き回ることを考えると直前の変更がききやすいが、なんとなくモチベーションが上がらない。
と読めます。
実際のところは、
「出かけるときにわりとワンピースを着ることが多く、少し変えたい気持ちがあった。でもパンツスタイルだと動き回りやすくもなるけど、可愛らしさに欠けてしまっているようで、なんかモチベーションが上がらない。」
だからこそ悩んでいるといったところですね。
- アドバイス
アドバイスのところに「カップの9」で「満足感・サプライズ・充足感」といった意味合いです。
「服をどうこうするより、遠出先で満足感を得ればよいのではないか?」といった意味にとれます。
それを踏まえて「どう選択したいかを選んでくださいね!」とアドバイスしてみましょう。
まとめ
いかがでしたか?
「二者択一」スプレッドは単純に良い悪いを比較するのではなく、その先の未来を良くするためにどうしたらいいかを考えるための一つの「ツール」として使うものです。
単純そうですが、ちょっと難しくもありますね。
相談者の中で「どうなるのがベストなのか」をわかった上で占うものです。
一つ一つのカードから、どうしていきたいかを引き出していく必要があります。
もし「どうしてもどっちかはっきりして!」といわれた場合は、相談者の左右の掌に一枚ずつのせて「どちらが重く感じるか」を聞き、重い方を採用する(心理学的に重い方がその人にとってより重要であるといわれています)などの方法をとっても良いでしょう。
まずは、例題のように少し軽めの身近な二択から始めて、読み方に慣れてみましょう。