”ケガをした青年がワンドのバリケードで身を守っている”
ウェイト版ワンド9は、そのような絵柄が特徴のカードです。
タロットカードには、カード1枚1枚に多くの情報が詰め込まれています。
情報が多い分いろいろなメッセージを受け取れるのですが、自分でリーディングしようとすると少し大変ですよね。
そこで今回は、
- 小アルカナ・ワンド9の基本的な意味
- 恋愛関係の質問で「ワンド9」が出た時の解釈例
- 仕事の質問で「ワンド9」が出た時の解釈例
これらに焦点を当ててお話していきます。
タロットカード「ワンド9」の基本的な意味
ワンドのカードは14枚あり、その内の1から10までのカードは物語になっていると言われています。
物語の内容を大ざっぱに言ってしまえば「とある青年の一生」です。
ワンド8で青年は、危ないところを8本のワンドに助けてもらいました。
先の戦いでケガをした青年は、早く治すためにゆっくり静養したいと考えます。
しかし、安全に身を隠せる場所が近くには無いようです。
そこで青年は、ワンドを使ってバリケードを作ることにしました。
では、より詳しい「ワンド9」の意味をキーワードで見てみましょう。
正位置のキーワード
慎重、守備、警戒、備え、忍耐、試練、待機、固執、諦めない、努力、勇気、やる気、意思の強さ、自信、前進、経験、過去の失敗から学ぶ、受け身、時間がかかる、持久戦、疲弊、負傷、エネルギー不足、体制を立て直す
かなり骨の折れる作業でしたが、青年はバリケードを完成させ、安心して休めるようになりました。
しかし静養している間でも、青年の頭の中は忙しなく動いています。
「何故このような事態になってしまったのか?」
「どうすれば避けられたのか?」
「今後どうすれば良いのか?」
失敗してもそこから学んで今後に役立てれば良いと、青年は知っているのでしょう。
ワンド9・正位置が出た時は、壁が立ちはだかる予感です。
壁が高ければ高い程、乗り越えるための事前準備は大掛かりになります。
それでも面倒がらずに準備をしっかりすることが、成功への近道になるようです。
もしかしたら壁を乗り越えるまでに何度も失敗するかもしれませんが、そこから学んで今後に役立てれば良いのです。
むしろもっと効率の良い方法を思いつくかもしれないので、失敗など気にせず挑戦を続けましょう。
逆位置のキーワード
障害、停滞、苦境、難関、トラブル、遅延、待たされる、中止、恐れ、臆病、引きこもる、現実逃避、後退、撤退、負け戦、諦める、実力不足、対応を誤る、無駄な抵抗、頑固、妥協を拒む、タイミングを逃す、見当違い、同じ失敗を繰り返す、解決できない
ワンド9・逆位置の場合は、立ちはだかる壁を越えられない暗示です。
原因の候補は、
- 自分の実力を過信して準備を怠った
- 自分の実力を過小評価して最初から無理だと諦めてしまった
- 失敗から学ばず、何度も同じ失敗を繰り返した
- 思いがけないトラブルのせいで邪魔をされた
この4つが考えられます。
あらかじめ原因の候補が分かっていれば、対策を練ったりして気を付けることが可能です。
この壁を乗り越えた先にはその苦労に見合った報酬が待っているので、気を引き締めて立ち向かいましょう。
タロットカード「ワンド9」の恋愛状況別の解釈
では、ここからは恋愛のパターンに応じた「ワンド9」の解釈をしていきましょう。
恋愛で「相手の気持ち」「恋愛の未来(行方)」を占う場合の解釈例
恋愛における相手の気持ち、恋愛の未来(行方)に関するタロット占いで「ワンド9」が出た場合の、正位置と逆位置それぞれの解釈例です。
「フリーの人」、「片思いの人」、「両想いの人」の関係別で記載しているので、ご自身に合ったものを参考にしてくださいね。
正位置の解釈例
【現在フリーの人の場合】
ワンド9・正位置が出た時は、事前準備が必要な状態です。
今のあなたは、過去の恋愛でのトラウマや失敗を引きずっているのではないでしょうか。
そのため、口では「恋人が欲しい!結婚したい!」と言っていても、心の底には「同じことが起きたらどうしよう」という不安があるようです。
このような状態では、素敵な人と出会っても積極的になれず、ライバルに負けてしまう可能性が高いです。
そうすれば、あなたの心の傷はもっと深いものになってしまうでしょう。
まず出会いを探しに行く前に、過去から学ぶことが大切です。
「あの時どうすれば良かったのか?」「同じ失敗を繰り返さないために直すべきところは?」など、しっかり考えてシミュレーションしてみてください。
ある程度シミュレーションを続ければ、「今の自分なら大丈夫!」と、自信を持てるようになるでしょう。
【片思いの人の場合】
相手はあなたに興味を抱いているものの、まだ気を許してないようです。
そのため積極的にアプローチをしてしまうと、相手は警戒して引いてしまうかもしれません。
まずは段階的に親密度を上げていき、相手の警戒を解くことが大切です。
事前に相手の好みなどをリサーチして、手数は少なくとも確実な一手を打っていくスタイルが良いでしょう。
長期戦になってしまいますが、しっかり準備をして諦めなければ関係は進展していきます。
少しずつ距離を縮めていき、相手が自主的に近寄って来るようになるのを待ちましょう。
【両思いの人の場合】
2人は事あるごとに価値観のズレを感じてしまい、関係の継続に限界を感じてしまっているのではないでしょうか。
交際を続けたいのであれば、互いに相手の意見を否定することを止めなくてはいけません。
意見が合わなくても「そういう考え方もあるよね」と柔軟に受け入れ、妥協点を探していく努力が必要です。
また、どちらかが過去の喧嘩などを引きずっていて、相手に不信感を抱いている可能性もあります。
もし「最近相手の言動が冷たくなった」と感じるのであれば、早めに話し合いをして和解を目指してください。
放っておけば不信感は増していき、いずれお別れすることになってしまいます。
「まだそんなこと引きずってるなんてしつこい!」…なんて逆切れはせず、誠意を持って相手の遺恨と向き合いましょう。
逆位置の解釈例
【現在フリーの人の場合】
ワンド9・逆位置の場合は、正位置の時よりも恋愛に臆病になっている状態です。
強い恐怖心すら感じてしまうので、恋愛や結婚のために頑張れば頑張るほどストレスを溜めてしまうかもしれません。
その根本の原因は、正位置と同様に過去にあるようです。
かつて酷い振られ方をしたとか…
恋人に裏切られたとか…
簡単には癒えない傷を負ってしまったのではないでしょうか。
それでも出会いを探そうとするのは、「早く結婚しなければ」という焦りや不安があるからかもしれません。
しかし今は良い出会いに恵まれない時期なので、無理して恋愛をしようとしなくても大丈夫です。
まずは趣味を楽しんだり自分磨きをして、心を癒すことを最優先にしましょう。
【片思いの人の場合】
相手は今他人への警戒心が強まっているので、恋愛モードではないようです。
それどころか、もしかしたら恋愛そのものにネガティブな感情を持っているかもしれません。
そのため好意むきだしのアプローチをしてしまうと、相手に鬱陶しがられてしまいそうです。
まずはあなたの恋心を抑えて、友人として信頼できる人物だと思ってもらえるように行動していきましょう。
逆位置の場合でも、事前に相手の好みなどをリサーチしておくのがオススメです。
共通の趣味などを通じて親しくなり、相手が心地良いと感じる距離感を探ってみましょう。
【両思いの人の場合】
すれ違いや温度差を感じることが増え、2人の関係が険悪になってしまいそうです。
別れに発展するような喧嘩も起こりそうなので、「別れたくない」という気持ちがあるなら、あなただけでも言動に気を付けた方が良いでしょう。
ただ、あなたばかりが我慢をしていては疲れますし、いずれ限界が来ます。
我慢しなければ維持できない関係では、幸せにはなれないと心得ておきましょう。
限界が来る前に話し合ってお互いが譲り合えるようになれれば良いのですが、今の時期は話し合いをしても喧嘩になってしまう可能性が高いです。
とは言っても、時間が2人の関係を良くしてくれるわけではなさそうなので、放置するのもNG。
全ての問題を一気に解決しようとするのではなく、時間をかけて少しずつ改善していくようにしましょう。
「復縁」を占う場合の解釈例
復縁に関するタロット占いで「ワンド9」が出た場合の、正位置と逆位置それぞれの解釈例です。
正位置の解釈例
相手は復縁に対してあまり前向きではありません。
付き合っていた頃の悪い思い出や別れの原因などを考えると、「また同じことを繰り返すのでは」と思ってしまうようです。
そのため今アプローチをしても警戒されてしまうだけなので、グイグイ迫るのは控えましょう。
今は「復縁したい」という下心を見せないようにして、親しい友人ぐらいのポジションを狙うのがオススメです。
かなりの時間が必要になりますが、相手の警戒を解きつつ仲を深めていけば、復縁は無理な話ではないようです。
「1から恋を始める」と考えて、焦らず距離を縮めていきましょう。
また、その人と接触を図る前に、自分の改善点を探して直す努力をしてください。
あなたが以前とは違うと分かれば、「同じ失敗を繰り返す」という不安が相手から無くなります。
そうすれば相手も「今付き合ったら上手くいくかも」という気持ちが湧き、復縁に対して前向きになってくれるでしょう。
逆位置の解釈例
まだ互いに不満を抱いているので、現段階での復縁は困難のようです。
どちらも別れの原因に関して「自分に非は無い」と思っており、「あっちが欠点を直してくれていたら別れなかったのに」という気持ちがあるのではないでしょうか。
それゆえどちらも自身の言動を改める気は無いので、話し合いをしても平行線のまま終わってしまうでしょう。
相手が変わるのを待っている間に、あなたの復縁したい気持ちが薄れてしまう可能性もあります。
どうしても復縁したいと思うのであれば、まずはあなたが変わらなくてはいけません。
謙虚な気持ちで自分の言動を振り返り、悪いところを改善してください。
「どうして自分ばかり!」と思うかもしれませんが、相手はそこまで復縁に対して乗り気ではないようです。
なので復縁を望んでいるあなたから変わらなければ、現状維持の状態が続いてしまうでしょう。
また、「復縁できるはずがない」という気持ちがあなたの根底にあるため、「復縁したいけど、頑張りが無駄になったら嫌だから何もしたくない」という複雑な心境になってしまっている可能性があります。
しかしここで何も行動をしなければ、ずっとそのままです。
新しい恋を探す方が簡単ですが、それが嫌なら「復縁できるはずがない」という気持ちは捨てて、現状を変えるための行動を起こしましょう。
タロットカード「ワンド9」の仕事に関する解釈
次は、仕事に関する「ワンド9」のカードの解釈をしていきます。
正位置の解釈例
多くの雑務を任されたり、トラブルが発生したりして、自分のペースで仕事ができなくなりそうです。
本来なら一番に終わらせたい自分の仕事を後回しにしなければならないので、締め切りに間に合うのか不安になり、強いストレスを感じてしまいます。
しかし今は耐えて、目の前のことを順番に片付けていくしかありません。
ここで耐えてやり遂げられれば、それ相応のリターンが得られます。
こまめに休息を取ったり、ストレス解消をしつつ、この山場を乗り越えましょう。
また、作業をする前にやることの優先順位を決めて、しっかりスケジュールを組み立てておくのがオススメです。
あまりにも忙しいと頭の中もいっぱいいっぱいになってしまうので、うっかり何かを忘れてしまうかもしれません。
そうしたド忘れを防ぐためにも、スケジュールは紙に書いて目立つところに貼っておくと良いでしょう。
転職を検討中の人は動く時ではありません。
今動いても希望に沿った会社との出会いは無さそうなので、もう少し様子を見ましょう。
就活中の人は、スケジュールの詰め込みすぎはNG。
何かと予定外のことが起こるので、スケジュール通りに行動するのが難しくなってしまいそうです。
そうすると慌ただしくなるだけでなく、スケジュールが崩れることへの不安やイライラが生じてしまいます。
万全な状態で本命の試験を受けるためにも、余裕を持ったスケジュールを組み立てるようにしましょう。
逆位置の解釈例
準備不足が原因で仕事がスムーズに進まなかったり、トラブルが発生してしまいそうです。
いつもは80%程度の準備で大丈夫でも、予定外のことが起こってしまうと上手くいかなくなってしまうかもしれません。
今はトラブルが起こりやすい時期なので、いつもより10%割り増しして事前準備をした方が安心でしょう。
また、慎重さが仇となって、周囲との関係を悪くしてしまう可能性もあります。
周囲はOKなのに、あなただけ疑り深くNOを出して流れを停滞させてしまう状況です。
例えるなら…
みんながお菓子を食べようとしているのに、あなたが「毒が入っているかもしれないから検査する」と言い出し、みんながお預けを食らっている。
このような感じでしょうか。
これで本当に毒が入ってればヒーローなのですが、取り越し苦労で終わってしまう可能性が高いです。
そのため「せっかく士気が上がっていたのに、あの人のせいで台無しになった」と思われてしまいそうです。
慎重さは大事ですが、加減を間違えないようにしましょう。
転職を検討中の人や就活中の人は、しっかり準備した上で勇気を出すことが大切です。
準備不足が原因で失敗して不採用になってしまうかもしれないので、念には念を入れて準備しておきましょう。
そして自分を過小評価して「自分なんかがこの会社を受けても迷惑だろう」と思いがちです。
しかし、その考えが正しいかどうかは受けてみないと分かりません。
勝手な憶測で諦めないで、「この会社で働きたいから受けるんだ!」という強い意思を持って、勇気を出しましょう。
まとめ
今回は「小アルカナ・ワンド9」に関するお話でした。
「準備をする」というのは、登山でいう「経路確認」・「持ち物や装備の準備」・「トラブル発生時の対処法確認」といったところでしょうか。
準備が慎重すぎると、もしかしたら他の人に笑われてしまうかもしれません。
しかし準備を怠った結果、思わぬトラブルが発生して登頂どころの騒ぎではなくなってしまう恐れもあります。
ワンド9は、事前準備をしっかりすることがトラブル防止と目標達成に繋がると教えてくれるカードです。
誰かに笑われても、自分が納得するまで準備をして、安全に頂上を目指してくださいね。